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発売年:1988年
開発元:日本テレネット
ジャンル:縦スクロールSTG
発売機種:PC-88、MSX2
※画像はすべてPC88版のものです

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突然じゃがお主、何かひとつ「シューティングゲーム」というものを思い出してみなされ。出たかの?恐らくその作品は横スクロールか、縦スクロールか、あるいは奥スクロールのものじゃろうな。そしてそのスクロールは、右から左、上から下、奥から手前というようにスクロールするではないかの?

まあ、それが「普通」じゃな。

しかし世の中には普通でないものも存在する。例えばナムコの「スカイキッド」という作品は、横スクロール型STGなんじゃがスクロールが"左から右へ"という珍しいものじゃった。そして、それと同じように縦スクロールSTGの中にも珍しいものが存在するのじゃ。今回はそんな作品の紹介になる。

では中に入るが良い。射手の塔 FLOOR 18 じゃ! 

反生命戦機アンドロギュヌスとは?
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「反生命戦機アンドロギュヌス」は、「夢幻戦士ヴァリス」で有名な「日本テレネット」より1988年に発売された、縦スクロール型STGです。プレイヤーは、宇宙を消滅させようと企む反物質生命体<URD>(ウルド)を倒すために作られた、反生命体<ANDOROGYNUS>(アンドロギュヌス)となり、<URD>を破壊する為、<URD>の潜む惑星の奥深くに侵入します。

本作はステージクリア型の全13ステージ構成になっており、各ステージのボスを倒すことでステージクリア、ステージ13のラスボスを倒すとエンディングとなります。また自機は残機制で、自機に「バリア」が無い状態で敵、あるいは敵の弾に当たるとミスとなり1機失い、残機が無くなったらゲームオーバーになります(点数やアイテムによるエクステンドあり)。

本作の特徴としては、縦スクロールSTGでありながら、そのスクロール方向の"おかしさ"にあるでしょう。なにしろ、本作のスクロールは"上から下へ"ではなく、"下から上へ"スクロールするのですから。

下方向スクロールSTGは珍しい?
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とはいえ、過去に下から上に向かってスクロールするSTGが無かったかというと実はそうでもなく、1985年にナムコより発売されたSTG「バラデューク」は、本作と同じように惑星内部に侵入するという設定になっており、ゲームそのものも基本的に上に向かって画面がスクロールする仕様になっていました。

ただ本作がバラデュークと大きく違う点は、バラデュークは上下左右だけでなく8方向に画面はスクロールし、プレイヤーの意思で上に向かって進むことも可能だったのに対し、本作に左右へのスクロールは一切無く、さらに強制スクロールであるため画面から消えたエリアには戻ることができなかった事です。

因みに本作にはもう1つ、バラデュークと共通している点があります。それは下に向かって進んでいくゲームでありながら、自機が基本的に"横方向にしか弾を撃てない"という点です。これにより、本作の難易度が結構な具合に上がってしまっていました。

横にしか撃てない縦スクロールSTG
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縦スクロールでも横スクロールでも、STGというのは進行方向に対して弾が撃てるのが基本だと思うのですが、本作では基本的に横にしか撃てません。"基本的"にと言ったのは、ゲーム中のアイテムにより若干の例外があるからです。まず本作ではゲーム中に上から落ちてくる攻撃アイテムを取る事によって、ショットがノーマル/ビッグ/レーザー/スプラッシュ/デライヴの5種類に変化します。

また攻撃アイテムとは別にパワーアップアイテムというのもあり、これによりショットの強化、バリア、連射、スピードアップが可能です。ショットは3段階まで強化されますが、ノーマル/ビッグ/スプラッシュのみ強化されるとショットが1>2>3方向に撃てるようになるのです。これにより若干ですが上下方向にも攻撃が可能になります。

しかし本作は障害物が多く、敵も真上方向から来ることが多いため斜め方向ではやはり対応に苦しみます。そこで便利なのがショット「デライブ」です。これは横方向に射出した弾が、上下にも弾を撃ちながら飛んでいくという唯一垂直方向に攻撃できるショットであるため、これがあれば本作のゲーム進行は結構楽になります。
ただしこのショットのみ強化できないという仕様の為、後半の敵やボス戦には厳しいものがあるでしょう。

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ちなみにレーザーは強化しても若干太くなるだけで真横にしか撃てません。正直このショットを"ステージの道中で"使うのは厳しいと言えるでしょう。


アイテムの出現と地形
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その攻撃アイテムやパワーアップアイテムについてですが、ちょっと困ったことがあります。先ほど「デライヴ」というショットが便利と言いましたが、それを手に入れられるかどうかはプレイヤーの"運"の要素が大きく関わってきます。というのも、本作ではアイテムが登場するタイミングはある程度決まっているようなのですが、何が出てくるのかがどうもランダムで決まるようなのです。

何の攻撃アイテムが出るか、何のパワーアップアイテムが出るかがランダムなだけでなく、攻撃アイテムなのかパワーアップアイテムなのか、それすらもランダムなんです。そのため間違って使えない攻撃アイテムを取ってしまったりすると、そのステージ中(どころかしばらくの間)はそれを使い続けるしかありません。

このへんちょっと「魔界村」を思い出させる部分があります。

しかも先ほども言いましたが、本作には障害物となる地形が矢鱈と多く、その間をすり抜けるように移動していくシーンが多々あります。幸いなことにこの地形に接触しても進めないだけでミスにはならないのですが、恐ろしいことにこの地形のエリアにアイテムが落ちてくる場合があるのです。もちろんそうなってしまったら取る事はできません。

このゲーム、何が落ちてくるかもランダムならば、どこに落ちてくるかすらもどうやらランダムのようです。
これでは攻略のための計画が、まるで立てられません。

「レーザー」は使えるショット?
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少し前に「レーザーはステージ道中で使うのは厳しい」と言いましたが、では道中以外の使えるところはどこなのかというと、それは「ボス戦」です。レーザーは2段階以上強化されると、1回のショットで長いレーザーが出るようになります。しかもこのレーザーは移動スピードがちょっと遅く画面に長く残り、その間ずっと攻撃判定を持っています。

この性質を持ったレーザーをボスの弱点に打ち込むと、なんと通常のショットより遥かに大きいダメージをボスに与える事ができるのです(ボスによっては瞬殺すらできてしまいます)。また本作ではボス戦のみ時間制限があり、弱いショットでは時間切れで1ミスということもあります。その為、ボス戦ではレーザーを使うのが戦術的にもベストと言えるわけです。

しかし先述した仕様により、ボス戦前になったらレーザーに切り替えるなんて都合のいいことはできない、かといってレーザーを維持したまま道中を進むのはかなり厳しい。ということになってしまいます。

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ではどうしたらいいのか?私が出した結論は、レーザーは長く画面に残るという性質を利用して"バリア"にしてしまうという方法です。レーザーは上下どちらかに移動しながら撃つと、画面上に4本まで表示させることができます。そして4本表示させたら、その中に入ってしまうのです。

レーザーは長く画面に残るうえ、敵や障害物にあたっても消えません。なのでこのレーザーの中にいる間はほぼ無敵になれるのです。同様に上から敵が多く来るならレーザーの下に、下からならレーザーの上に位置取りするようにすれば、こっちに向かってくる敵に対してレーザーのバリアを張ることも可能です。しかもレーザーは敵の弾も消してくれるという優れた性能をもっているのです。

これなら真横にしか撃てないレーザーでも、道中維持したままボス戦に挑みやすくなるでしょう。ただし一部の敵が真横に撃ってくる赤いレーザーには注意が必要です。これはレーザーで消えないうえ、威力が高く、しかもレーザーに隠れて見えなくなってしまうので、気がついたら死んでしまっていた!という事故が多発します。

全13ステージと言ったな、あれは…
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ところで最初に「全13ステージ構成」と言いましたが、あれは嘘…ではないものの本作を全13ステージ構成と言っていいかどうかについては若干の疑問があります。というのも、ゲームが始まりステージ3をクリアすると、日本テレネットお馴染みのヴィジュアルシーンが始まります。その後先に進み、ステージ6をクリアした段階で再びヴィジュアルシーンが始まるのですが、なんとその後…

ステージ1に戻されます(しかも初期装備で)。
ただしステージ表示は7に変わります。

そしてステージ1〜6と全く同じステージをあともう1周クリアさせられ、その後ようやくラストステージである「ステージ13」が始まるのです。先ほどアイテムのランダム性について「魔界村を思い出す」と言いましたが、この仕様こそまさに同じステージを2周クリアしてやっとエンディングに辿り着ける魔界村と同じと言えます。

本作は「全13ステージ」と言っているものの、ほぼ半分が「使いまわし」なわけです。
これはちょっと、どうなんでしょうね?

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さて、本作のタイトルでもある「アンドロギュヌス」とは一体何なのか?日本語では「両性具有」といい、男と女、両性を兼ね備えた存在の事を指します。ギリシア神話では、神によって女性と一体化させられた「ヘルマプロディートス」がそれに該当するそうです。しかしそれと本作と、どんな関係があるのでしょう?

実は本作の主人公<ANDOROGYNUS>は最初男性の姿で登場しますが、ゲームが進みステージ6をクリアするとヴィジュアルシーンにて、彼は体に異常をきたし倒れてしまいます。そして彼は、彼を派遣した組織に回収され強化改造されるのですが、改造されたその姿は、

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なんと男性ではなく女性だったのです。

つまり<ANDOROGYNUS>は男であって女でもあった。だから「アンドロギュヌス」という事なのでしょう。そして強化された彼、いや彼女は再び<URD>を倒すために惑星へと送り出されます。
そう、だからもう一回ステージ1からという事になるのてす!
これで納得…できますか?

因みにそういう設定であるため、ステージ7からは自機の姿とヴィジュアルシーンが変わっています。勘のいい方なら、ここまでの画像でもたまに自機の姿が女性に変わってることに気がついたでしょう。

難易度と攻略
本作は当時のパソコンゲームならではのカクカク8ドットスクロールや動きの鈍さ、縦スクロールで敵が上からやってくるのに上に弾が撃てない、画面が狭いうえに障害物が多く(たまに狭い通路に敵が詰まる)、さらには自キャラが大きくて当たり判定が大きいなど、こういった事情で難易度は高い。このゲームを攻略するには先ほどのレーザーの使い方に加え、「バリア」の使い方が重要になってくる。

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バリアとは初期装備としてついてくる自キャラの周りを回っているリング状の物体で、敵や弾から自キャラを守ってくれる本作では必須といえる武装である。このリングには当たり判定があり、雑魚敵や弾を消してくれるのだが、自キャラそのものに敵や弾があたるとバリアは消失してしまう。

逆に言えば本体にさえ敵の攻撃が当たらないようにすれば、例えば狭い通路に敵が詰まっているとき、ショットが当たらない位置に敵がいるときになどに、このバリアは敵にぶつける”第二のショット”として活用できるのだ。これを意識すれば、本作の攻略は少しだけだが楽になるだろう。少しだけだが。

もちろん上手く敵を防ぎきれないとすぐにバリアは焼失してしまうのだが、幸いなことにパワーアップアイテムで「バリア」が出てくる確率はなぜか高いように思えるので、怖がらず活用していきたい存在である。

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blog_kanrinin
さてどうじゃったかの?
確かにスクロールの方向については奇抜じゃった。しかしそこ以外についてはっきり言ってしまうと例によって例のごとく「日本テレネットだからね…」というレベルのものじゃと個人的には言わざるを得ん。じゃが、相変わらずゲームの"世界観"というか背景・設定を作るのは巧みじゃなとも思うぞ。ちょっと長くなってしまうが、わしが気に入っている設定を話しておこうかの。

反物質生命体<URD>は、自分が育てた自分と同じ反物質生命体を全宇宙に放出し対消滅させ、全宇宙を無に還そうとするのじゃが、それに対する手段を持たぬ人類は、<URD>が射出した反物質生命体の破片から<URD>に対抗するための生命体<ANDOROGYNUS>を造り出したのじゃ。

しかし人類には一つの不安があった。<ANDOROGYNUS>は<URD>の一部から造られた生命体であるゆえに<URD>に同化し逆に人類を攻撃する存在になるのではないかとな。そこで人類が考えた手段とは、この<ANDOROGYNUS>に人間の意識を植え付け自分を「人間」だと思い込ませるというものじゃった。

どうじゃ?この成す術のない人類が敵の存在を逆用して反撃に転じるという展開、燃えるじゃろ?そして<URD>と同じ存在でありながら人間の意識を持っている<ANDOROGYNUS>という設定が本作ストーリーの中心部分ともなっておる。これがなかなか中二心を刺激してくれるものじゃった。

しかし本作は1988年の作品でありながら、日本テレネットの"ウリ"であるはずのヴィジュアルシーンのボリュームが過去作品と比べても少ない。設定は良くできているだけに、これはもったいないとわしは思ったんじゃ。さらにこれもウリであるはずのBGMも、悪くはないが物足りなさを感じるものじゃった。

噂によると、この当時の日本テレネットはゲームの開発期間がそうとう短く設定されておったそうでの、本作の開発期間は僅か1ヶ月程じゃったと聞く。それが本当か真相はわしには解らんが、そう考えれば本作の出来、特にキャラクターとヴィジュアルシーンだけ変えて、全く同じステージを2回やらせるという暴挙や、ヴィジュアルシーンとBGMの物足りなさにも納得ができんわけでもない。じゃが…、 

当時これを買ったユーザーに、それは通じるのじゃろうかのう?
ではまた次のフロアで会うとしよう。


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