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発売年:1985年
発売元:エニックス
ジャンル:宇宙探索型RPG
発売機種:PC-88、FM-7、X1、MSX、ファミコンなど
※画像は個別に指定が無い限りPC88版のものです
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さて「スクウェア・エニックス」と言えば、ゲームに興味のある人なら恐らく誰もが知っているであろう有名な家庭用ゲームの制作会社じゃな。そしてある程度の年齢の人なら、その昔この会社が「スクウェア」と「エニックス」という別々の超有名なゲーム会社だったことも覚えておることじゃろう。

そんなこの2社じゃが1980年代には家庭用ゲームだけでなくパソコンゲームの分野でも活躍しておって、それぞれ有名な作品を次々と発表していたんじゃ。そして偶然なのか必然なのかは解らんが、エニックスは1985年、スクウェアは1986年に当時では珍しい"ロボットSFモノのRPG"を発売していたんじゃよ。
 
別々の会社が発売したこの2作品はユーザーからも非常に注目され話題になったんじゃが、両方ともが同じ壁にぶち当たったと言える。その壁とは、「フィールドが宇宙空間」という壁だっだんじゃ。宇宙空間なのに壁とはこれいかに?という感じなんじゃが…。

まあ今回はそのうちの片方の作品を紹介しつつ、その壁についても見てみるとしようかの。
では中に入るがよい、勇者の塔 FLOOR 59 じゃ!

「地球戦士ライーザ」とは?

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「地球戦士ライーザ」は、1985年に「エニックス」から発売されたロールプレイングゲーム(RPG)である。エニックスのRPGといえば、誰でも最初に「ドラゴンクエスト(ドラクエ)」を思い出すと思うが、本作はそのドラクエが発売された1986年より1年前に発売されており、エニックスにおいてはRPGの先輩といえる作品だ。

本作の最大の特徴は、それまでのRPGといえば 「ファンタジー世界で、勇者が魔王や怪物と戦う」 というのが定番テーマだったのに対し、本作は 「SF世界で、ロボットに乗った主人公が敵の戦艦やロボットと戦う」 という当時では非常に珍しいテーマのRPGだったことであろう。
(SFがテーマのゲームが無かったわけではないが)
 
また詳しくは後述するが、当時のRPGでは珍しい(恐らくは今でも珍しい)"移動システム"を採用していたことも、本作の大きな特徴であったと言える。

※ちなみに本作は、1987年に「銀河の三人」というタイトルでファミリーコンピューターに移植されているのだがが、見た目やシステムなどに大幅な変更がかけられていたため、今回の紹介では触れないでおく。

最初からクライマックスの「ストーリー」

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西暦2300年。人類は地球連邦国家を形成、永遠に戦争を放棄した。しかし…。
外宇宙から現れた謎の艦隊「ガルム」の攻撃により、地球は壊滅的危機に陥っていた。
 
「我々は放浪の民族"ガルム人"。愚かなる戦争によって我が大地ガルム星を失った。
 我々は"第二のガルム星"を見つけるべく、2億6千万光年の旅を続けてきた。
 そして今、ここに安息の地を見つけたのだ。その名は【地球】…」

ガルムの凄まじい攻撃により、地球の敗北は目に見えていた。

地球軍総指令 R.ディロ 「各部隊、各地球戦士に告ぐ。大至急地球に帰還せよ。
 地球に全戦力を集結させガルムを迎え撃つ"RTV作戦"を実行する」
「我が友、デルバよ…」

【地球軍火星分隊 ライーザ戦隊】
この部隊は、ESP能力の強力な戦士達によって構成されていた。
しかし精鋭部隊ライーザも、ガルム軍パディシュ戦隊と遭遇し激しい戦闘の末、ほとんどの戦力を失っていたのである。
部隊の生き残りである主人公とその相棒ブルーは、総司令からの通信を受けて地球に向かうことを決意するのであった。

というように本作は、もう最初から地球が滅亡の一歩手前の状態から始まる作品なのである。 

普通のRPGならあるはずのものが無い画面?

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では本作のゲームシステムについて触れていこう。
本作のゲーム画面は主に左半分が「メイン画面」、 右半分が「サブ画面」という感じになっている。メイン画面にはフィールド画面、様々な文字情報が表示されるメッセージウィンドウ、そして主人公とブルーが乗る人型ロボット兵器「ライーザ」の耐久力(HP)が棒グラフで表示されている。

一方サブ画面には非常に目立つ感じで2名の顔が大きく表示されている。このうちお調子者っぽい男性が主人公の相棒である「ブルー」、そして無表情の女性がライーザ隊のオペレーションを担当するコンピュータードール「ミオ」だ。またサブ画面にはライーザの装備がグラフィカルに表示されるほか、ゲーム中に実行出来るコマンドも表示されている。
 
ところで先ほど「メイン画面にフィールド画面が表示されている」と表現したが、普通のRPGに慣れている人ならおや?と思ったのではないだろうか。それもそのはず、この画面には普通のRPGなら必ず存在するような見下ろし型のフィールド(あるいは3D描画ダンジョンの)画面が見当たらないのだ。
 
実は左上にある点が散りばめられたものが本作における「フィールド画面」であり、この点々はライーザのコクピットから宇宙空間を見ているようなイメージなのである。そしてこの画面は、多少動きはするものの基本的にこの画面のまま、宇宙空間なので山も海も表示されなければ、ダンジョンでもないので壁も表示されない。
 
こんなものがフィールド画面では、前方にも左右にも何あるのか解らないし、どこへ向かえばいいのかも解らない、それどころか自分がどこにいるすらも解らない。これでは迷ってしまうのでは?きっと誰もがそうか思うだろう。しかし本作においてはそんな心配はご無用だ。

何故なら本作には未来的な「ナビゲーションシステム」が搭載されているのだから。

画期的な" ナビゲーションシステム " ?

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そのナビゲーションシステムを使用するにはメインコマンドから「もくてきち」を選択し、自分が行きたい場所をリストから選択する。例えばゲーム開始直後であれば、地球を目指すことが目的となるので地球を選択する。すると主人公達がいる現在地点から目的地までの距離が算出される。

そうしたらあとはメインコマンドから「ちょうやく」を実行するだけ。
これを実行することでライーザは目的地に向かって一定距離を「時空跳躍」するので、あとはもう「ちょうやく」を繰り返だけで迷うことなく目的地まで着けてしまうのだ。屋外フィールドやダンジョンでよく迷ってしまうプレイヤーにとってこのナビゲーションシステムは非常に便利な機能である。

ちなみに、1度の時空跳躍で移動できる距離はある程度変更が可能で、距離を増やせば当然跳躍する回数が減り早く目的地に着けるようになるのだが当然デメリットもあり、長距離の跳躍に期待が耐えられず、跳躍1回毎にライーザの耐久値が減っていってしまうのだ。ご利用は計画的に、である。

敵影発見、Gセンサー作動!

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目的地に向かって跳躍を続けていると、突然敵(ガルム軍)のロボットと遭遇することがある。そうなるとフィールド画面上に遭遇したロボットのグラフィックとその数、そしてそれぞれの耐久力が棒グラフで表示される。ちなみに同時に出現するロボットの種類は1種類のみだが、最大で10機まで出現する。

戦闘はターン制で、まず主人公がライーザに搭載された3つの武器(ビーム、ミサイル、ソード)のうちのどれで攻撃するかを選択する。そうすると直後にその攻撃が実行され、次にブルーの攻撃選択、攻撃実行、それが終わると最後に敵の攻撃が実行される。これが基本的な1ターンの流れだ。

便利なことに、どの武器でも1回の攻撃で全ての敵に対して命中判定が発生するのだが、ビームは無限に撃てるものの敵の数が多いと威力が下がるという性質がある。ミサイルは敵の数に関係なくダメージが発生するうえ、1ターン中に最大で10発まで同時に撃てるので大ダメージが期待できるが、最大で10発までしか持てないという制約がある(ソードはビームより弱いが、特定の相手に対し効果が高い)。

本作はビームやミサイルの射出時に僅かだがアニメーションし、ロボットアニメのような臨場感が少し味わえるようになっており、強敵相手にミサイルを全弾ぶち込んだりするのは非常に爽快でった。

攻撃により敵を全滅させれば勝利となるが、逆に主人公あるいはブルーどちらかの耐久力が0になると敗北となり1発ゲームオーバーになってしまうため、危ないと思ったら撤退することも必要になってくる。その際、通常撤退だと敵に追いつかれてしまう可能性があるのだが、跳躍撤退を行った場合は100%撤退に成功する(ただし耐久力がちょっと減る)。

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戦闘に勝利すると倒した敵に応じた経験値を入手でき、経験値が一定値以上溜まると主人公とブルーのレベルが上がり、ライーザの回避力や耐久力が上昇する。ところが、本作では敵を倒しても「お金」的なものが一切手に入らない。では本作ではどうやって武器を購入したり補給したりするのか?

なんと驚いたことに本作には一般的なRPGにおける「武器屋」や「道具屋」などといったものが存在せず、強い武器や防具(シールドのみ存在する)は全て、" 戦闘後に敵が落とすものを回収する " しかないのだ。従って欲しいと思っているものが、必要なときに入手できるわけではないので厄介である。しかも装備している武装は、攻撃を食らうとまれに壊れる仕様なので余計にだ。

ちなみに「宿屋」的な存在も当然無いのだが、宇宙ステーションと一部の惑星のみ到着時に無料で耐久力を回復してくれる。また特定の宇宙ステーションでは、回復と同時にビームやミサイルもくれるのでレベル上げなどはこういった場所の近辺で行うのが得策と言える。

ストーリーを盛り上げるイベントもしっかり入ってる!

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本作をプレイしていると、ゲーム中ずっと代わり映えのしない同じような画面を見続ける事になるだろう。それはこの時期のRPGではまあ普通の事なので、別段不満点というような物ではない。しかも本作ではライーザの装着する武器が変わればサブ画面の装備グラフィックがちゃんと変わったり、ゲーム中様々な場面で相棒であるブルーの百面相が見られるので画面として飽きは来ない。

またゲームの中盤、終盤で全画面グラフィックでの大迫力のイベントがあったり、ゲームの途中で出会う記憶喪失の美少女「リミ」が、たまに地球から主人公達にメッセージを送ってくれたり、地球軍とガルム軍の戦況などが突然入ってきたりと、様々なことでプレイヤーの気分を盛り上げてくれている。

個人的にゲームの前半で散々世話になった宇宙ステーションがガルム軍の攻撃で破壊され、それを現す画像も表示されず、悲しいBGMも流れず無音で、ただ無表情のミオが状況だけ淡々と報告すると言うイベントが逆にリアルで非常に怖く感じる。また物語の結末についても、当時のRPGの中ではショッキングなもので、当時のプレイヤー達の話題にもなった。

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本作には恐らく初めてプレイした人なら必ず陥ってしまったのではないか?と思われる「トラップ」が存在する。ゲーム開始時のデモで「地球に向かえ」という指令を受けており、デフォルトの目的地も地球に設定されているため、普通にプレイしたら当然誰もが地球に向かうことになる。

しかしゲーム開始直後の弱い状態で、地球までの長い距離を戦闘でボロボロになりながら跳躍を繰り返し、やっとの思いで地球に辿り着いても、その地球にはガルムの攻撃を防ぐためのバリアが張られており、主人公達は地球に降りることができず門前払いを食らうのだ。

その為主人公達はボロボロの状態のまま補給も受けられず、さらに一番近い宇宙ステーション「ミンクス」まで行かされる事になるのだ。残りの耐久値次第では、下手をするとどうにもならなくなって詰み状態になり、最初からやり直すハメにもなりかねない。

この時代ならではの突き放したハードさであったと言えよう。

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blog_kanrinin
どうじゃったかの?
ん?結局"「フィールドが宇宙空間」という壁"とは何のことだったのか、じゃと?
そうじゃな、では最後にその話をしようかのう。

本作には文中でも触れたように「ナビゲーションシステム」的なものがあって、そのお陰で例え行った事が無い場所にでも、 "ただ跳躍コマンドを実行するだけで" ゲーム中いつでも迷うことなく着くことができたんじゃ。これは非常に便利な機能だったといえる。が、しかしじゃ。

単調で飽きるんじゃよ。
画面は見た目も変わらないただの宇宙空間、実行するのは跳躍コマンドのみ。ものの15回も移動するとかったるさが出てきてしまうんじゃ、普通のRPGの移動で15歩ってこんなに長かったかのう?と思うほどに。

さらにエンカウント率の高さもそれに拍車をかけた感じじゃな。移動が単調でかったるいから、さっさと目的地に付きたいのに エンカウント率も高いからさらに時間がかかる。しかも逃走成功確率も低目に感じるから余計にじゃ。普通のRPGでエンカウント率高くても、ここまでかったるさは感じなかったかもしれん。

RPGの屋外フィールドにおいての山や木、沼やら川のグラフィック、3Dダンジョンにおける迷路感や蹴破るドアの存在、例えそれが何の意味の無いものでも「そこにある」というだけで、それがプレイヤーのストレスを減少させることに繋がっていたのかもしれんのう。実際に外を走るのと、ルームランナー上を走るのとで同じ距離でも、楽しさに違いが現れるようなものじゃろうな。

このゲームを通して、わしはRPGの不要そうに見えて実は必要な要素というものに気がつけた気がするわい。
 
そういえば、本作と最初に言ったもう一つのロボットもののRPGが発売されて以降、フィールド画面で宇宙空間を航行(移動)するRPGってあまり見かけない気がするのう。サイキックウォーは惑星間の移動は一瞬じゃし…、ちょっとニュアンスは違うかもしれんがハイドライド3には宇宙空間のフィールドくらいか?

皆ももしそういうRPGを知っておったら、是非教えて欲しい。

しかし念のために言っておくが、そこ以外の部分について言えば戦闘システムもストーリーもRPGとしては合格点と言える出来で、特にこの頃はRPGにそこまでイベント性のある作品は多くなかったので、一枚絵を盛り込んでのボリュームあるストーリー展開は、さすがAVGに強いエニックスならではと言ってもいいじゃろうな。

銀河の三人
任天堂
1987-12-15



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