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発売年:1992年
開発元:光栄
ジャンル:戦略SLG
発売機種:PC-98、X68000、FM-TOWNS、スパーファミコンなど

※2020/08/22 前編・後編の構成を一記事にまとめました

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~「光栄 三國志」の基本を完成させた作品~
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「三國志Ⅲ(以下:3)」は、1992年に光栄から発売された、三国志演義をテーマにした「歴史シミュレーションゲーム」であり、同社の「三國志Ⅱ(以下:2)」の続編にあたる。

このゲームが発売された頃は、パソコンゲーム市場の中心はPC-8801シリーズから、PC-9801シリーズに移行されていた為、PC-88版の3は発売されず、パソコン版ではPC-98、X68000、FM-TOWNSでのみ発売された。
※私はFM-TOWNS版を所有していました。

個人的に3は、後の光栄(コーエー)三国志シリーズの「基本」を完成させた作品だと思っていて、3以後に発売されたシリーズは、表現方法やアプローチが進化・変化していっただけで、ゲームを構成している「要素」は基本的に3のままなのではないか(悪い意味では無く)と思っています。

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2から変更された主な部分を説明して行きましょう。
まず武将のパラメータが大きく進化しました。2では武力、知力、魅力しかなかった為、「個人の武力は低くても、戦上手な武将」や「戦略戦術に長けていなくても、政治手腕が高い武将」といった武将を表現する事が困難でした。

そこで3では新たに陸指、水指と政治というパラメータが追加されました。
陸指と水指は、陸上または水上での指揮能力を現しており、これにより周瑜のように個人的な武力は高くなくても、兵を率いる能力に優れた人物が、武力が高い武将と互角に戦えるようになりました。
そして政治は武将の行政能力を現しています。これにより同じ文官タイプの武将でも、戦場に連れていけるタイプと、国内で内政に従事させた方がいいタイプと分けられるようになりました。

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武将の事についてもうひとつ、3では武将の「身分」が少し変わりました。
2では「君主」以外の身分では、その国を統治する「太守」と、その国ごとの「軍師」しかありませんでした(後は一般)が、3では君主以外に、将軍、軍師、武官、文官、太守があり、身分によりできる事が変わる為、武将それぞれに身分を任命する必要がありました。
簡単に各身分を説明すると、
「将軍」…軍事・政治実行可能。ただし将軍に任命できるのは、武力85以上か、武力70以上かつ「魅力+(陸指と水指の平均)」120以上。
「軍師」…軍事・政治実行可能。ただし軍師に任命できるのは、知力または政治が80以上。
「武官」…軍事のみ実行可能。任命条件なし。
「文官」…政治のみ実行可能。任命条件なし。
「太守」…軍事・政治・一部人事が実行可能。誰でも任命できるが、将軍と軍師以外を太守に任命した場合、自動的にその国が「委任」状態になる。

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国のパラメータについても変わりました。
2の国力パラメータには土地価値と治水度しかなく、資金や兵糧の収入は土地価値の値で決まっていました。しかしこの2つの数値は割りとあっさり最大値にすることができた為、すぐにその国でやる事が無くなってしまうという事がありました。
それに対応したのか、3では国力のパラメータが開発、耕作、治水、灌漑、商業の5つに増えました。
「開発」…その国で農地として使用できる土地の広さを現します。兵糧収入の最大値に影響しますが、この値だけ上げても耕作が低いと収入はほとんど発生しない。
「耕作」…開発で広げた農業用地での実際の農耕率を現します。詳しくは後述しますが、この値は毎年7月に0に戻ります。
「治水」…洪水に対しての対策度を現します。高いほど洪水の発生率を下げられます。
「灌漑」…農地への給水設備などの充足度を現します。兵糧の収入に影響します。
「商業」…その国の商業発展度を現します。高いほど資金の収入が多くなります。

上昇させないといけないパラメータが2つから5つに増えて、一気にやらないといけない作業が多くなりました。しかも頑張ってパラメータを上げても、7月に耕作値が0に戻ってしまう為、常にその国で何人かの武将を耕作作業に従事させていないと、安定した兵糧収入が得られないようになってしまいました。
いかに2の内政が楽過ぎたとしても、この変更はやり過ぎじゃないか?と話題になり、これが3の評価を下げてしまった感があります。

※ちなみにこの「耕作」の仕様は4から無くなりました。


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さて三國志Ⅲにおいて、というか後の三國志シリーズにも引き継がれた大きな変更点、それが「戦場(街道)の概念」が追加されたという事でしょう。前作までのMAPは画像のようになっており、国と国が隣接している状態ならば自由に攻め込む事が可能でした(例えば画像の16国であれば、8、9、17、18、24国に対して攻め込める)。そして攻め込めば、すぐ敵の城付近での戦争が始まるようになっていました。

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しかし3からは国(城)と国(城)の間に画像にある線のような「街道」が追加され、この街道が通っていない国へはいくら距離が近くても攻め込めないように変わりました(例えば画像の36国から、26、32、33、37国には攻め込めるが、35国とは街道が通じていないので攻め込めない)。

また一部の街道上には「戦場」というもの(赤丸の場所)が存在し、この戦場には所有国というものも決められています。敵国に攻め込む時に自国と敵国の街道上に戦場があり、その戦場を敵国が所有していた場合は、城に攻め込む前にまずその戦場を敵国から奪う為、戦場での戦争が始まります。そこで勝つか、敵が戦場を放棄したら、その翌月に敵の城に攻め込む事が出来ます。

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戦場の「赤壁」や「濡須口」などでは、これも初登場の「海上戦」を行う事が出来ました。海上戦となれば我らが孫呉の独壇場です!地上ではあまり強くない武将も、船の上でなら「海上無双」状態でした。ただし「海上戦」ができる場所が限られているので、ほんとにまれでしたけどね…。

ちなみに右の画像で寝返ってくれた「呉景」という武将は、孫策のお母さんである「呉夫人」の弟なので、孫策の「叔父さん」にあたる人です。実際は敵同士じゃないんですけどね、この頃はC級武将の配属はかなり適当だったので、戦う羽目になってしまっています。

2では武器を買って武将が所有するの兵士の武装度をそれぞれ上げていましたが、3ではあらかじめ馬や弓を商人から買っておき、戦争に出掛ける際にその部隊に武装を与える(馬を与えれば騎馬兵、弓を与えれば弓兵になる)ように変わりました。騎馬兵ならば移動力が上がり、弓兵(弩兵)であれば遠距離からの攻撃が(火矢なども)可能になります。
またこのような海上戦では「船」が不可欠となり、海上戦をしかける場合も仕掛けられる場合も「船」を所有していないと出陣できませんでした(船は製造できる)。

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城に攻め込むとこのようになります。
2の戦争では戦場MAPの中に城が何個かあるという感じでしたが、3ではこのように「攻城戦」という感じが強くなりました。大抵敵の君主(太守)は最奥地にいるので、城壁を乗り越えるか、城門を攻撃して門を破るかして攻め込んでいき、敵君主(太守)を倒せば勝ちとなります。
迎撃側に軍師がいた場合、特定の場所に「落し穴」を仕掛ける事が出来ます(落し穴の数は知力による)。こういった罠も3で初めて実装されました。

また2までは1ターンが1日という考えでしたが、3からは時間の概念が加わりターン毎に朝、昼、夜と切り替わるようになりました。夜になると自部隊の周りが見えなくなり、進んだ場所に敵がいると奇襲を受けたりもしました。
※天候が「霧」に変わると、夜と同じように周りが見えなくなります(右画面)。

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そして3で遂に「一騎討ち」がビジュアル化されました!
2では戦争の最初でしかできなかった「一騎討ち」ですが、3からはいつでも好きな相手に申し込む事が出来るようになりました。さらにいままで数字の減少だけだった表示が、格闘ゲームよろしく体力バー表示になり、画面の下ではチビキャラがちゃんと一騎討ちをしているし、状況に合わせて戦っているもの同士が台詞を喋ります。
まだ作戦指示や必殺技はありませんが、それでも当時はかなり燃えたのを覚えています。

そして3以降、一騎討ちは「三國志」の華として、どんどん仕掛けや表現がパワーアップしていきましたね。


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前半でもちょっと書きましたが、2から3になって新たに追加された部分などは、ほとんどがそのまま以降のシリーズにも受け継がれています。見た感じは表現方法や細かい部分が大きく変わって別物に思えますが、その基本となる「要素」部分は3で築かれたものです。

なので私は、この「三國志Ⅲ」という作品は「シミュレーションゲーム三國志」として、ひとつの完成形だったのではないかと考えています。
武将の設定などは、まだ演義ベースで蜀贔屓だし、本当は凄く活躍した人物の評価も酷いものだったりで納得はしていませんが、私個人としてもシリーズ1,2を争う名作です。


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