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発売年:1988年 ※AC版は1987年
開発元:電波新聞社 ※AC版はナムコ
ジャンル:縦スクロールSTG
発売機種:X68000

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「STG強化月間」今回は第4回目になります。

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例えばアーケードで稼働していたゲームを家庭用、あるいはパソコン用として、発売元とは別のメーカーが許可をもらって移植をする事になった場合、移植元のゲームプログラムは移植担当のメーカーに公開されることはまず無い。
それはプログラムは会社の最新技術が詰まった”資産”なので、おいそれとは他のメーカーに見せられるものではないからだ。
(資料などは貸してもらえる場合もあるだろうが)

そうなると移植担当のメーカーは自力で移植元のゲームを分析し、それと同じものを作らなければいけない。
しかも移植先の機種が移植元の機種よりもスペック的に劣る場合もあれば、実現が難しい表現・効果などもあるのだから、そこをどう克服するかがキーポイントとなり開発者のセンスも問われる。

逆にユーザーにとっても、どのメーカーが移植を担当するのかは非常に重要な問題であり、それにより発売前から期待できたり落胆してしまったりすることもしばしばである。
今のようにアーケードと家庭用(パソコン)のゲームがほぼ同じように動くことなどありえなかった時代、”移植”ということにかけては、ユーザーの絶対的信頼を得ていたメーカーがあった。
それが今回紹介する「ドラゴンスピリット」の移植などを担当した「電波新聞社」だ。

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まず「ドラゴンスピリット」(スピリッツではない)は、1987年にアーケード用に発売された縦スクロールシューティングゲームで、闇の魔王「ザウエル」が生贄としてさらった王女「アリーシャ姫」を助けるため、主人公「アムル」は太陽神「アーリア」の導きによりブルードラゴンへと変身し大空へと飛び立った。という内容のゲームです。
ちなみに1990年に同じくアーケード用に発売された「ドラゴンセイバー」の前作にあたります。

プレイヤーはドラゴンに変身したアムルを操作し、対空用、対地用のブレスを使い分けて襲いかかってくる敵を倒していくのですが、本作はパワーアップシステムが非常に独特でした。
STGのパワーアップというと”武装が変わる”というのが普通ですが、本作の場合パワーアップすると武装も変わるのですが、なんと”本体そのものも変化する”のです。

当時のSTGといえば題材はSFというのがセオリーで、自機がパワーアップすれば発射されるショットのグラフィックが変わったり、自機に別のパーツがドッキングするものでしたが、こちらは生きているドラゴンが
むにゅーっと姿を変えてしまうのです。(今で言うモーフィング的な感じで)
これはなかなかに衝撃的でしたw

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パワーアップアイテムは地上にある赤い卵と青い卵の2種類あり、それぞれ対地ブレスで攻撃すると中から同じ色の弾が飛び出してくるのでこれを取ることでパワーアップできます。
赤い玉は取るたびに画面右下のFIREゲージが増え、満タンになる毎に対空ブレスが、細い単発ブレス→太い単発ブレス→太くて長い火炎ブレスへと変化します。

青い玉は取るたびに最大3本までドラゴンの”首が増え”その分発射される対空、対地ブレスの数が増えるので攻撃力が大きく上昇します(このとき”むにゅー”っと変化する)。
しかし同時にドラゴンの体も大きくなるので、敵の弾や体当たりに当たる範囲(当たり判定)が広くなってしまうというデメリットがあり、そのため”首は2本まで”というのがプレイヤーたちでのセオリーになっていました。

ちなみに本作は残規制でありながら、体力性も兼ね合わせていました(これも結構珍しかった)。
敵の攻撃に当たるとLIFEゲージが1減り、ゲージが0になるとそこで1機失ってしまいます。またパワーアップしている状態でLIFEが減ると同時にパワーダウンもしてしまう(首が1本減るなど)というシステムでした。

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パワーアップとはまた違うのですが、ゲーム中白く点滅しながら飛んでくる敵と遭遇することがあります、これを倒すとボーナス、エクステンド(3個取ると1機増える)、時間制パワーアップなどのアイテムを落としました。
時間性のパワーアップは、3方向ショットや追尾ショット、無敵や地上物の全滅など効果が高いものが多く、特に自機が小さくなって弾が避けやすくなるスモールが人気でしたね。

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ステージを一定距離進むとそのステージの特徴にマッチした巨大なボスとの戦いになり、ボスを倒すと次のステージに進むことができます。ステージは全部で9面あり、9面の最後にいるザウエルを倒すとゲームクリアです。

ボスを倒して次のステージに進むとき、アーケード版では一度画面が暗転してから次のステージが始まります。例えばステージ1のボスを海上で倒して、ステージ2に進むと地面が火山のステージから始まる、というようにですね。
しかしX68000版では、ステージ最後のボスを倒すとその場から暗転せずにそのまま次のステージが始まるんです(いわゆる”シームレス”というやつ)。

なのでステージ1のボスを海上で倒すと、そのままスクロールし一度ステージ1のような地上が現れ、そこから徐々に火山地帯に入っていくというようになるんですね。イメージ的にはゼビウスみたいなものでしょうか?
ゲーム性にはなんら影響はありませんが、面白い試みだったと思います。

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さて、個人的な意見ではありますが、往年のナムコゲームのなかで作品を通してのBGMの完成度が一番高いゲームはなんぞや?と聞かれれば、私はほぼ確実にこの「ドラゴンスピリット」を挙げると思います。
「ハズレ曲が1曲もない無い」と言ってもいいくらい本作は、OPから各ステージ、ボス戦、エンディング、すべてが最高、すべてが名曲だったと断言できます。それくらい好きでした。

え?お前STG下手くそなのに、エンディング曲なんて聞けないだろ!って?
んなもんサントラ買って聴いたに決まってんだろうが!!(威張るな
そしてこのX68000版はアーケードのBGMをほぼ完璧に移植していて、当時パソコンショップで聞いたときに耳を疑ったのを覚えています。ほんと衝撃的でしたよ。
ちなみにアーケード版での未使用曲(裏ネームエントリー)まで収録されていて、ゲーム起動時のローディング画面で流れてました。

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本作の移植を担当した「電波新聞社」ですが、まあ当時パソコン少年だった人たちでこの会社名を知らない人はいないほど有名な会社でした。
電波新聞社は「マイコンBASICマガジン」や「チャレンジAVG&RPG」、「ALL ABOUTシリーズ」などの書籍でも有名ですが、アーケードゲーム(特にナムコ)をパソコンに移植するソフト開発部門でも有名でした。

電波新聞社が移植したパソコンゲームは完成度が高く、完璧ではない、あるいはアーケードに遠く及ばないにしてもその機種でできる限界まで再現してくれたので本当にユーザーの信頼度は高かったです。
電波新聞社なら、電波新聞社ならやってくれる
そんな某バスケ漫画の選手ばりの信頼度でしたw

ゲームの移植でユーザーの信頼を得るってなかなか難しいことで、そもそも原作を作ったメーカーですらへっぽこぴーな移植、あるいはおかしな方向へ行ってしまった移植も多いですからね。
デカキャラが登場するアクションゲームが、なぜかボードゲームになって移植されたりね!そういう意味でもこの会社はすごかったと思います。

本作においても、操作性、グラフィック、BGMそれらすべてがほぼ完璧に再現され、さらにはアーケードにあったOLDバージョンとNEWバージョンを両方収録していたり、モニターを縦向きにしてアーケードと同じ縦長画面を再現できるようになっていたりと+αの要素も加わっていました。
さすが電波新聞社、いい仕事ですね!


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(1994/07/22)


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余談ですがPCエンジン版のドラゴンスピリットは、色々足りない部分もありましたが機種を考えればかなりの良移植だったと思います。っていうか、PCエンジン用ソフトでのナムコの力の入れ用は凄かった気がします。スプラッターハウスとかも頑張ってたもんなぁ…。


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