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発売年:1988年
開発元:T&Eソフト
ジャンル:コマンド選択式AVG
発売機種:PC-88、PC-98、X1turbo、FM77AV、MSX2、メガドライブなど
※画像はすべてPC-98版のものです

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*概要

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「サイオブレード」は、「ハイドライド」シリーズで有名な「T&Eソフト」より1988年にPC-88用コマンド選択式アドベンチャーゲームとして発売された作品で、PC-88に続きFM77AV、X1turbo、MSX2、PC-98にも移植されました。後に「シグマ企画」によりメガドライブにも移植されましたが、こちらは内容がかなり削除されたものとなっています。

本作の大きな特徴としては、全編で必ずどこかしらにアニメーション処理が存在していたこと、また作品の中に主人公が2人存在しており、その2人が別々なところで別々の物語を進めて行き、やがてそれが繋がっていくという当時ちょっと珍しい手法を取っていたこと、またゲームのパッケージに「ミュージックモジュール」という付属品がついていたことなどが挙げられます。

さらにアドベンチャーゲームでありながら、ある箇所にて広大で複雑な「3Dダンジョン」の探索と、若干のアクションゲームを強いられるという場面があり、この難易度が高かったこともプレイヤーの間では話題となりました。

*物語、そして2人の主人公

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舞台となるのは近未来の2113年、28年前に地球を出発しへびつかい座バーナード星系へ旅立った恒星間有人探索機「セプテミウス2」が太陽系外に戻ってきていた。しかしなにかしらの異変により、セプテミウス2のメインコンピュータ「ラクーン」からの不可解なメッセージを最後に、セプテミウス2からの通信は途絶えた。

宇宙省は「セプテミウス2」そして2名の乗組員保護のため、8名のスタッフを乗せた救命艇「キャサワリー」を派遣する。このスタッフの一人、宇宙省特別航宙士「キース・マクダネル(19歳)」が本作における「宇宙編」の主人公となる。キースはキャサワリーの女性スタッフ「ソフィア・ノイマン」といい雰囲気になっているのだが、優柔不断な性格により今ひとつ進展が無い状態である。

一方地球では、セプテミウス2が通信途絶となった時を同じくして、ラクーンの設計者である「シュルツ博士」が自身の研究所から忽然と姿を消していた。ラクーンからの謎のメッセージを急ぎ解読するため博士を探し始めた宇宙省情報局は、監視衛星により敵対する国が管理する島に博士の姿を発見する。

宇宙省情報局は、博士は化学兵器開発目的のために拉致されたと判断し、連邦情報局工作員「ヒューイ・マークフィールド(24歳)」を博士救出のため島に派遣することを決定した。彼はその高い能力で情報局の「ナンバーワン」と評される工作員であり、本作における「地上編」の主人公となる。

本作は、ゲームを始めると最初はキースの「宇宙編」から始まり、ゲームが一定の所まで進行すると今度はヒューイの「地上編」に舞台が移り、地上編が一定の所まで進行すると今度はまた宇宙編に、というように2人の主人公の物語を交互にプレイしていく仕様になっていました。

*システム

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本作は「コマンド選択式」のアドベンチャーゲーム(以下:AVG)なのであるが、当時の一般的なコマンド選択式AVGとちょっと違い画面上にコマンドの一覧が表示されていませんでした。ではどうするのかというと、プレイヤーはまず画面上にある「矢印カーソル」をマウスで動かし、画面上の気になるところを左クリックします。

するとクリックした場所に対して何をするのかという一覧が小さなウィンドウに表示されるので、そこから実行するコマンドを選択するのですが、場合によりさらにサブウィンドウが開くことがあり、例えば一覧から「聞く」を選択したとすると、「何の話を聞くのか?」という一覧が表示されるので、またそこからコマンドを選ぶのです。

一般的なコマンド選択式AVGは画面上にコマンドの一覧が表示されているので、片っ端からコマンドを実行(いわゆる総当り)していけばゲームが進行することが多いのですが、本作では最初にカーソルで「何か」をクリックしなければいけない為、その「何か」を発見できないとゲームが進行しなかったり、重要な情報を見落とす事もありました。

ちなみに場面の移動については、画面上にドアなどが見えている場合はそこを左クリックしての移動も可能でしたが、画面上のどこででも右クリックをすることで「移動/持ち物/セーブ」などの共通メニューが開き、そこから移動先を一覧で選択することも可能です(ただし移動先は今の画面から行くことができるエリアに限定される)。

*3DダンジョンACTゲーム?

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さて本作はAVGとしてはそれほど難易度は高くないのですが、本作の難易度をものすごく上げているのが地上編にて博士を救出するためにヒューイが進入する「研究所」の存在です。なんとこの研究所はまるでRPGの「ウィザードリィ」のような「3Dダンジョン」になっており、このダンジョンを探索して博士を探し出さなければいけませんでした。

この3Dダンジョンが難しいという理由の一つはその「広さ」です。なんとこのダンジョン60x60程の広さがあります。ウィザードリィの1フロアが20x20ですから、実に9フロア分の広さですよ!しかも構造がマッピング無しでは到底不可能なほど複雑で、しかもこの中から探し出す博士の居場所は毎回変わる上に、画面上部にある「レンジメーター」での直線距離しかヒントが無いのです(まあ計算すれば大よその位置は特定できるのですが)。

難しい理由はそれだけではありません。このダンジョン内にはいたるところに敵国の兵士が存在しており、ヒューイを見つけると攻撃を仕掛けてきます。それに対抗してこちらは、マシンガン、ショットガン、ランチャーなどで応戦することが可能なのですが、それには武器を選択した後で目標の敵をクリックしなければいけないというRPGだけじゃなく、若干のアクションゲーム性まであったのです。

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使うべき武器を選択して、敵にカーソルを合わせてクリック、そんなことをしている間にも敵はリアルタイムでガンガン攻撃してきます。敵の攻撃を受けてダメージが一定量まで溜まると即ゲームオーバーですが、所持している武器には弾数制限がありそれがすべて0になってもゲームオーバーになってしまいます。

広大なダンジョンに加え、体力制限、弾数制限、そして若干のアクション性、それらが組み合わさってここはかなりの難易度になっていて挫折した人もいたのではないでしょうか?あまりの難易度に不満が続出したからなのかわかりませんが、私の記憶が確かならば、PC88版から約半年後に発売されたPC98版は、ダンジョンが若干狭くなってた気がします。

攻略のコツとしては、敵は必ずダンジョンの同じ場所にいることと、見つかっても追いかけてこないことを利用して、マッピングしたものに敵の出現位置もメモしできるだけ敵に遭遇しない迂回ルートを見つけること、そして弾数より体力の方に若干余裕があることを考慮して、敵に遭遇しても倒さずに回避できるなら体力を犠牲にしてでも回避することでしょうね。

*ミュージックモジュール?

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本作のパッケージを購入すると、付属品として「ミュージックモジュール」というものが同梱されていました。これはマッチ箱程度の大きさの平べったい板のようなもので、それには1個だけボタンがついており、ボタンを押すたびに短い曲が順番に流れる(全部で8曲内蔵されている)という、ただそれだけのものでした。

実は宇宙編の後半でこれと同じものをキースが手に入れるのですが、これがセプテミウス2のメインコンピュータ「ラクーン」にアクセスするための重要アイテムとなります。ラクーンにアクセスするためには、3つのキーワードをインプットしなければならず、そのキーワードがこのミュージックモジュールに内蔵された曲の「曲名」なんです。

実際にどうするのかというと、キーワードのインプット画面でゲームからBGMが流れ始めるので、実際のミュージックモジュールのボタンを押し、ゲームから流れている曲と同じものが何曲目に入っているかを聞き分けます。ゲームのマニュアルには曲の順番とその曲名が書かれているので、その曲名をゲーム内の一覧から選ぶという手順を3回行います。

なぜこのような面倒臭い手順を行わなければいけなかったかというと、これは一種の「ゲームプロテクト」だったんです。当時パソコンゲームの不正なコピーが氾濫しており(今もですが)、メーカー側はゲームの媒体にコピープロテクトをかけるか、本作のように正式なパッケージを購入した人しか入手できない物(小物やマニュアル)を利用し、それが無いとゲームが進行できないという物理的なプロテクトをかけていたんですね。

つまり本作の不正コピー品を入手した人は、ゲームの終盤にきて進行不可になり諦めるか、勘で3回連続正解するしかなかったわけですね。(まあやろうと思えば、正規品持ってる人から曲をテープに録音してもらうこともできたでしょうが)

*最後に

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さて最後に、私は当時本作をMSX2版の中古品で遊んでクリアした記憶があります。難易度は高かったですが、ゲームとしてはアニメーションもなかなか凄かったし、2人の主人公を別々にプレイしていくという手法も斬新だったしで面白かったんですが、ただどうしても「物足りなさ」があったと記憶しています。

物足りなさは、主人公が2人で物語も2つあるため容量的な問題から1つの物語として見れば短いというのもあったと思います。ただそれ以上に当時の私が感じた物足りなさは、「明確な敵」が存在していなかったことにあったのだと思います。なんせ本作の敵を挙げるとすれば、それは「政府の陰謀」というやや解り難いものでしたから。

1980年代後半のパソコンゲームはRPGなどもそうですが、特にAVGはグラフィックやストーリー、ゲームボリューム面でも大きく進化し、映画のようなゲームを味わえる時代になってきていました。そんな中で特に注目されたAVGに、1987年の「ジーザス(エニックス)」と1988年の「スナッチャー(コナミ)」があります。

この2作品は物語の内容も面白かったのですが、あくまで個人的な考えでいえば「地球外生命体」や「スナッチャー」といった「解りやすい敵の存在」があってそこを軸とした物語展開と、そいつらと戦って勝ったという満足感が強く印象に残っていました。ですが、正直本作については凶悪な3Dダンジョンの事くらいしかあまり記憶に残っていなかったのです。

とはいえ今大人になってこの「サイオブレード」をプレイすると、「なるほど」と思える作りこまれた良い内容だと気づくのですが、やはり当時まだ子供だった自分にはゲームの「解りやすさ」がなにより重要だったのでしょう。余談ですが、そういえばこの「サイオブレード」、そして「ジーザス」と「スナッチャー」にも、ベースとなったSF映画作品が存在しますね。

やはりゲームクリエイターさんたちも、この時代「映画のようなゲーム」というものを追求していたのでしょうかね?
皆さんはこのゲーム、記憶に残っていますか?


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