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発売年:1984年
開発元:スクウェア
ジャンル:コマンド入力式AVG
発売機種:PC-88、PC-98、FM-7など
※画像は全てPC-98版です

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「デス・トラップ」は、1984年に「ウィル -THE DEATH TRAP II-」「アルファ」、そして「ブラスティー」でお馴染みの「スクウェア(現スクウェア・エニックス)」から発売された、コマンド入力式アドベンチャーゲームで、先にあげた「ウィル -THE DEATH TRAP II-」の前作にあたる作品です。ちなみにタイトル画面では「ザ・デストラップ」となっていますが、タイトル名としては「デス・トラップ」が正式のようです。

本作は後に日本を代表する一代ゲームメーカーとなる「スクウェア」の処女作であり、かつあの「ファイナルファンタジー」シリーズの生みの親である「坂口博信」氏の処女作品でもあります(ゲーム開始時のクレジットに、ちゃんとプロデューサー:H.Sakaguchiとある)。余談ですが、驚いたことにこのとき坂口氏はアルバイトの学生という身分だったそうですw

続編(といっても内容は繋がってないが)である「ウィル -THE DEATH TRAP II-」は、タイトル画面や広告の画像でもとにかく美少女キャラの「アイシャ」を推していたが、本作の時点では全体を通して「ハードボイルド」なスパイアクション映画を思わせるシリアスな内容となっていました。

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ゲームの舞台は1980年代のいわゆる「冷戦時代」がモチーフとなっており、社会主義国家の後押しを受けて活動するB国のゲリラ組織が政権奪取のため細菌兵器の開発を計画、その目的のために自由主義国家A国の細菌兵器の権威である「ジタン博士」を誘拐した。A国、及びB国は博士救出のため国家中央情報部のエリート「リチャード・H・ベンソン」に協力を要請した。というのが基本的なストーリーです。

プレイヤーはこの「ベンソン」となり、ジタン博士をゲリラの本拠地から救い出すことが目的です。本作はコマンド入力方式となっていて、基本的に動詞(見る、話すなど)+名詞(男、物資など)の形でコマンドを入力しゲームを進めていきます。コマンドを入力する方法は、日本語(カナとローマ字)入力と、英語(アルファベット)入力の3種類が可能となっていました。

本作のメッセージには、当時良くあった名詞部分に英語のスペルが付随しているという親切設計にはなっていなかったので、日本語入力のほうが動詞も名詞もいちいち辞書を引いてスペルを確認する必要が無いので楽ではあるんですが、場面間の移動の際、英語入力だと南に行きたければ「S」と一文字入れるだけでOKなのに、日本語入力だと「ミナミ」といちいち全部入力しなければいけないのが、それはそれで面倒でした。

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さて方向入力の話が出たところで、その「移動」に関することに触れていきましょう。まず移動に関わるところで本作の大きな特徴とも言えるのが画面に常に表示されている「マップ画面(画面右側)」です。この当時のAVGではあっちへこっちへと画面移動することが多々あるのですが、その割りに自分がこのゲーム世界の中でどこにいるのか、またどこへ向かえば良いのかが視覚的に解り辛いという部分がありました。

しかし本作では画面上に舞台となる世界のマップが常に表示されており、さらに自分がそのマップ上のどこの位置にいるのかも常に赤い点で表示されているというのが非常に画期的でした。これにより仲間からの通信で「川のそばの~」などの指示があれば、ああこっち方向に向かえばいいんだなというのが簡単に理解できたんです。しかもマップ上にある白い点は、何かしらの建物や集落があることを意味しているので、困ったときの指標としても役に立ちます。

ちなみに画面左には主人公が見ている景色が表示されるのですが、このとき主人公は必ずしも「北側」を向いているわけではないので前に進もうとして「キタ」と入力しても、思いがけない方向に移動してしまうこともあります。この時代のAVGは間違った方向に進んだだけでもゲームオーバーになることは日常茶飯事だったので、本作では右側のマップの中にコンパスのような物を表示させ、その上の方向が主人公が向いている方向だと解るようになっていました。

地味ですが、こういうことってプレイヤーにとっては結構助かるんですよね。ちなみにこのマップと方向表示の仕様は、続編である「ウィル -THE DEATH TRAP II-」にもちゃんと継承されていました。

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さて本作はタイトルが「デス・トラップ」ということもあってか、割と頻繁に実行コマンドのミスで死んでしまったりすることがありました。またハマリ要素(事実上ゲーム進行が不可能になる)も少し用意されていて、ゲーム開始時に受け取る所持品のチョイスで失敗するといきなりハマるなんてトラップも用意されていました。ある意味ではこれもデストラップでしたね。

またハマりというのとはまた違うトラップも用意されており、ゲーム中でその土地の原住民の村に入り込んで村人に話しかけたりしたとき意味不明な言葉を投げかけられて、思わず「( ゜Д゜)ハァ?」となってしまう事もあります。これは現地住民の言語らしいのですが、ゲーム中に全くそれについてのヒントは無いんです。しかしこれはゲームのマニュアルに解読の手がかりが記載されており、これが一種のマニュアルプロテクト(不正コピー防止用の仕組み)となっていました。

ですが、これは本作のもう一つの特徴のおかげであまり意味をなしていなかった気もします。というのも、本作は当時のAVGで多かった色んな所には行けるけど結局クリアルートは一本道というものとはちょっと違っていて、何箇所かにある分岐による別々の進行ルートがあり、例えばあるアイテムを所持していなくても選んだルートによってはそっちで手に入れるアイテムで代用できたりするのです。

これもゲームとして非常に評価できる部分なのですが、そのおかげで先述の現地人に会わなくてもクリアできるルートができてしまっていたんですね。まあそれを開発者が知らないはずは無いですから、もともとマニュアルプロテクトなんて考えていなかったのかもしれません。

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本作はAVGとしての難易度でいえば、普通思いつかないような突拍子も無いコマンドというのが無いだけまだ楽なほうといえるかもしれません。AVGの基礎でもありますが、会話にしろ物にしろしっかり情報を得るということが徹底できていれば大丈夫なのではないでしょうか?せっかくその場面をクリアできるアイテムを持っていながら、その情報をしっかり得ていないためにコマンドが思いつかないということもありますからね。

しかし、そうはいっても一箇所全然意味がわからないところもありました。ある集落にいる老人に話しかけたときクイズを出されるのですが、その答えが全くのノーヒントでゲームと全然関係ない本当の意味での知識問題だったので、そこは全然思いつきませんでしたね…。無理だろあれは。

さて最後になりますが、本作は海外の「スパイ映画」を意識して作ったというのが非常によくわかる内容になっていて、もちろん全体のストーリーもなのですが、スパイ映画では定番のシチュエーション(基地への潜入や脱出など)が用意されてあり中々ワクワクできるものでした。また死地に赴こうとする恋人を行かせまいとする彼女を説得する方法なんかも、いかにも海外映画の定番!っていう感じでしたね(あとエンディングのラストカットも)。製作した坂口氏はこういう映画が好きだったんでしょうか?

そんな坂口氏は本作を製作した後、引き続きスクウェアにて「ウィル -THE DEATH TRAP II-」、「ブラスティー」(あと「キングスナイト」も)などを製作し、そして伝説の作品「ファイナルファンタジー」を生み出すわけですが後の坂口氏の作品にみられる「ゲーム」ではなく「映画」を意識したような作品の原点は、この「デス・トラップ」にあったのかもしれませんね。


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