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発売年:1991年(PCエンジン版は1993年)
開発元:データウェスト
ジャンル:コマンド選択式AVG
発売機種:FM-TOWNS、PCエンジン、PC-9821など
※画像は全てPCエンジン版です

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「Orgel(オルゴール)」は、1991年に「第4のユニット」シリーズや 「AYA(アヤ)」などで有名なデータウェスト(データイーストではない)から発売されたコマンド選択式アドベンチャーゲームで、タイトルに"PSYCHIC DETECTIVE SERIES VOL.4"とあるように、本作はデータウェストが1989年から続けていた"サイキック・ディテクティヴ・シリーズ"の4作目にあたります。

"サイキック・ディテクティヴ・シリーズ"は、
VOL.1 INVITATION 影からの招待状
VOL.2 MEMORIES
VOL.3 AYA
VOL.4 Orgel
VOL.5 Nightmare
FINAL SOLITUDE 上巻
FINAL SOLITUDE 下巻
以上の6タイトル7作品あり、そのうち「VOL.3 AYA」と「VOL.4 Orgel」だけがPCエンジンCD-ROM2(及びメガCD)用として発売されています。
ちなみに前作の「AYA」は、以前の作品と若干の話の繋がりがありましたが、本作は過去作品と主人公が同じというだけで、内容のつながりはありませんでした。

※本作は発売された機種によりシステムや内容に差異があるのですが、今回はPCエンジン版をベースに紹介します。

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さて皆さんには「サイキック・ディテクティヴ」という言葉に耳馴染みはないかもしれませんね。そのままだと「超能力探偵」みたいな感じですが、別に念力で物を投げたり、瞬間移動したりして事件を解決!というような探偵ではなく、どちらかというと物に接触してその情報を読み取る(サイコメトリー)に近い能力を持つ探偵です。

ただ正確にはこの作品の主人公である「降矢木和哉」は、「サイキックアナリスト」と言って対象となる人間の深層心理に意識を侵入(ダイブ)させ、無意識の中から隠された記憶を探し出したり、傷を負った心の治療ができる能力者なので、なんかの漫画にあるような物に触って犯人を割り出す!という仕事ではありません。

しかし、そんな降矢木の事務所にある日、喪服姿の女性「影藤智奈子」が仕事を依頼したいと訪ねてきます。その内容は、近日中に彼女の亡くなった夫の遺言によりあるパーティーが開催される。そのパーティの五人の招待客の中に、影藤家の家宝である市松人形を盗み出そうとしているものがいるので、招待客としてパーティに参加してその犯人を探し出して欲しいというものでした。まるで「普通の探偵」に頼むような依頼内容に、降矢木は戸惑いながらパーティの開催される「奇談亭」へと向かうのでした。

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プレイヤーは、主人公である降矢木がその「奇談亭」についたところから、降矢木となって本格的に捜査を進める事になります。本作はコマンド選択式となっており、プレイヤーは最初にコマンド一覧から動詞(主に見る、聞く、使うなど)を選択し、次に動詞の行動対象となる名詞(壁や床、人物名など)を一覧から選択して実行します。

大抵のコマンドは動詞+名詞の組み合わせで実行できますが、人物に「聞く」を実行した場合などは「何について聞くか」という「目的語」のようなものを選択します。例で言えば、聞く>坂藤幸信>影藤智奈子の事という感じでコマンドを選択して実行することで「坂藤幸信に影藤智奈子の事を聞く」となるわけです。

こういったコマンドは1度実行しただけで「完了」とはならない場合が多く、同じ人に同じ事を繰り返し聞くことでさらに情報を聞けたり、一度見ただけでは解らないものが連続して実行することで解ることも多いんです。特に物を探すときなどは、2回同じコマンドを実行したら同じメッセージが出たので「ああ、これで終わりか」と油断してると3回目、4回目の実行でなにかが見つかる場合もあるので注意が必要です。

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コマンド一覧から「移動」を選択すると奇談亭内のマップ(見取り図)が表示され、その中から行きたいところにカーソルを合わせて実行することで移動が行えます。これはどこにいるときでも好きなところに移動できるので、プレイヤーとしては移動のストレスが無く非常に便利ですが、ただし1階から2階、2階から1階への移動だけは一度マップ上の階段を選択して移動する必要があります。

またマップ上にない場所というのも存在しており、前庭や裏庭で移動を実行した場合のみマップではなくコマンド一覧で選択できる場所(塔や門、倭人像など)もあるんです。これらは普段あまり物語に関わってこない場所なので、見落としがちなのですが、実はあるタイミングでこれらの場所にこないと永遠に話が進まないなんてこともあります。

本作の前半部分は、今までのコマンドなどを駆使して奇談亭に集まった招待客の中から人形を盗もうとしている人物は誰なのか、この招待客たちは館の主であった影藤智奈子の夫「影藤秀郷」とどういう関係で、招待客同士もどういう関係なのかということを「まるで探偵のように」捜査をするのが主目的であると言えるでしょう。

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「起承転結」という言葉を使うなら、本作ではプレイヤーが招待客たちがこの館にやってきた「招待状を貰って」以外の目的を探り出し、それぞれの人間関係を掴み、館内に全ての登場人物が揃って夜を迎える。までで作品全体の5割が終了、さらにAVGとしては7割が終了、そして起承転結で言えばここまでが「起」と言えるかもしれませんw

そしてここからは一転して「サスペンス」モノのような展開が始まります。突然の大地震で奇談亭への唯一の通行手段だったつり橋が壊れ、さらに物語途中で行方不明になっていた人物の惨たらしい死体が見つかり、さらに招待客が次々と…。なんだよここからは殺人事件の犯人を推理するゲームになるのか?と思いきや、実はここからはデモシーンがかなり多くなりプレイヤーがゲームに介入できることが極端に少なくなるんです(だからゲームとしてはもう7割終わってる)。

しかしこのサスペンスパート、普通なら起承転結の「転」と言ってもいい場所のように思えるんですよね。しかしプレイしていると「あれ?」とちょっと疑問が沸いてくる。この作品って「サイキック・ディテクティヴ・シリーズ」だよね?このままだと、普通の推理サスペンスモノのAVGになっちゃうよ?と。

そしてプレイヤーの前に物語の核心部分「転」が現れたとき、全てを理解するでしょう。
あ、やっぱサイキック・ディテクティヴ・シリーズだったわ!w と。

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というわけでまとめなんですが、本作は前作「AYA」をプレイしていた人に対して、意図的なのかわかりませんが上手い「ひっかけ」をしたものだと思いました。なにせ前作では冒頭事務所にやってきた女性がいきなり、
髪の毛を頭皮どころか頭の皮ごと毟り取って骸骨になる。
なんてとんでもないショッキングなものを見せられていたわけですから、本作が始まってちょっと言動のおかしい喪服姿の女性が薄暗い事務所にやってきたら、そりゃ誰だって「身構え」ますよw(しかもBGMもなんか怪しげな雰囲気だし…)

ところがその後何もおこらず、普通に主人公である降矢木はまるで探偵のように人形を盗もうとする犯人を調べ始め、そして殺人事件に巻き込まれる。その流れにいつの間にか没頭し、疑問には感じつつも「身構える」気持ちをすっかり失った頃に「ドーン!」ですからね。「うわー、やられたぁ…。」って思わされてしまいますよw

本作を未プレイの方にも、是非この感覚を味わって頂きたいので、本作をプレイする際には前作「AYA」をプレイしてみることをおススメします。両作ともに言えるのですが正直FM-TOWNS版は、内容に解りづらいところがあったりシステムで不便な転があったりしたので、その辺が改善されているPCエンジン版(あるいはメガCD版)をプレイするのがいいでしょう(入手もしやすい)。

背景絵も綺麗だし、当時としてはかなり多めのアニメーション演出もあり、その場その状況に合わせた音楽も非常に良い。グロ描写もあるけれどそこだけに頼らない全体を包む不思議感というか不安定さを是非体験していただきたいですね。普通の探偵モノ、捜査モノに飽きた人にもおススメです。

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ちなみに本作で各キャラクターの台詞についてはフルボイスなのですが、演じてらっしゃる方々は本職の声優さんではないらしく、やはり声の出し方などに違和感を感じるのですが、どういうわけかプレイしているうちになれて、このシリーズ独特の台詞回しと相俟ってこれが「クセ」になってきてしまうんですよねー。

あと本作に登場する降矢木含む色男2人は、揃って顔立ちのよろしくない女性に対して毒舌なのも「おい!w」って突っ込みたくなっちゃいますw
ただちょっと気になるのは、本作の降矢木さん、ちょっとコミカルすぎね?
コミカルって言うか「間抜け」な描写が結構あったな…、昔はもっとハードボイルドだったような…。


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