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発売年:1986年
開発元:エニックス
ジャンル:コマンド入力式AVG
発売機種:PC-88、PC-98、FM-7、X1、MSX
※画像はすべてPC88版のものです

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「ウィングマン2 キータクラーの復活」は、1986年に「ポートピア連続殺人事件」や「ジーザス」で有名な「エニックス」より発売されたコマンド入力式のAVGで、1984年に同社より発売された「ウィングマン」の続編になります。前作からストーリーも続いており、本作にてシリーズ完結のような演出になっていましたが、翌年にはさらっと「ウィングマンスペシャル さらば夢戦士」が発売されていました。

さて言うまでも無いことだとは思いますが、この「ウィングマン」というゲームには漫画家「桂正和」先生(「電影少女」や最近では「TIGER & BUNNY」のキャラクター原案などでお馴染み)の原作がありますが、本作は前作と同様に原作漫画に登場するキャラクターや設定を使用してのほぼオリジナルストーリーになっています。

本作は、前作において「AVGなのにアクションゲームがある」という特殊な部分がさらに強化され、加えてグラフィックが前作に比べかなり原作に近くなったというところでも話題となりました。

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前作にて、ポドリムスという別次元からの刺客「キータクラー」を倒すことができた主人公の「広野健太(ウィングマン)」。しかし同じくポドリムスの人間である「あおい」から、現在ポドリムスを支配している「リメル」より新たな刺客が放たれたという情報を聞いた健太は、あおい、そしてガールフレンドである「小川美紅」とともに刺客を探すため捜査を始めます。

というわけで、本作ではプレイヤーは主人公の広野健太(ウィングマン)となって、自分の通っている学校内の様々な場所に行き、色々なコマンドをキーボードから入力して実行し、自分を狙っている「刺客」を探し出すことが主な目的です。ちなみにコマンド実行の際に健太自身はほとんど喋ることは無く、同行しているあおいや美紅が状況を説明してくれるのですが、状況によりメッセージ横の顔の表情がコロコロ変わって可愛かったですね。

コマンド入力は、まず「動詞(見る・話すなど)」を入力して、その後「名詞(かべ・人物名など)」を入力するというもので、通常のAVGのように「みる かべ」と動詞と名詞を続けて書くという方法はできませんでした。この仕様については前作と同じですね。

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前作と違う点といえば、例えば画面にある棚を見たい場合、通常コマンドで先に動詞「みる」を入力してから次に名詞で「たな」と入力するものですけれど、場合によっては見たいものの名前がわからないとか、文字数が長くて入力が大変(めんどくさい)なんてものもあると思うんですね。そういった場合を考慮してか、本作では動詞を入力後に名詞を入力しないで実行すると画面にカーソルが現れて、それで対象を直接指示することが可能になっていました。

あと動詞の入力については、前作と同じでよく使用するような動詞については対応するファンクションキーが用意されていて、例えばf3を押すと「はなす」、f10を押すと「わたす」といった動詞が自動で入力されるようにもなっていましたね。

ちなみにファンクションキーの中にf5に割り当てられた「もちもの」というコマンドがありますが、これは現在もっているアイテムの一覧が画面の右(「うぃんぐまん」の文字の下)に表示されるコマンドなのですが、なんでわざわざそんなコマンドがあるのか(常にアイテム表示しっぱなしでいいじゃないか)というと、このゲームでは場面を移動すると「なぜか」前の画面の拡大画像が画面右に表示される、という謎仕様だったからですw

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さきほど場面移動についての話が出ましたが、AVGにおいて「場面の移動」というのはかなり頻繁に行うことになるコマンドだと思います。なのでこの場面移動の仕様が良く無い(例えば行きたい場所にすんなり行けないなど)と、プレイヤーにとっては結構なストレスになるものです。

それについて本作では、非常に優良な移動システムを採用していました。というのは、移動コマンドを実行すると行ける場所が全て縮小画面で表示され、その中から行きたいところにカーソルを合わせれば一発で行けるようになっていたのです。しかも縮小画面は、そこに行ったときに表示される画像をそのまま縮小したものなので、後で「あそこに戻りたい」と思った記憶と同じ場所を直感的に選ぶ事ができます。

またもう一つの利点は、本作は基本的に人にあってアイテムを貰ったり、どこかで拾ったり誰かに貰ったアイテムを誰かに渡すという行動が多いので、その「目的の誰かがいる場所」もこの移動画面でならすぐにわかるのです。こういうのは便利ですよね。

ちなみに本作は3章仕立てになっていて、1章と2章ではそれぞれ別の8箇所に移動が可能(場所は同じでも絵といる人が違う)で、3章はラストなので殆ど移動はありません。

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さて前作ではなんとAVGでありながらアクションゲームパートがあるというのが一つの「ウリ」となっていましたが、ただちょっと戦闘画面が小さかったことが不満ではありました。もちろん本作でもこのアクションパートはあるのですが、本作ではなんと画面全体が戦闘画面になり、必殺技や演出もパワーアップしています。

まず驚くのは戦闘が始まると、画面に広野健太が現れ「チェイング!」の掛け声(ほんとに声が出る)、そして変身ポーズのアニメーションと共にウィングマンに変身することです。当時はパソコンゲームで声が出るというのはそうそう無かったので、雑誌広告などでもここが推されていましたね。

戦闘が始まったらプレイヤーはテンキーでウィングマンを動かして、敵(シードマン)の放つ弾をかわしながら敵に攻撃を与えていきます。攻撃は全てファンクションキーに割り振られていて、バリアレイバー、スパイラルカット、ファイナルビーム、ドライバーレイドなどの必殺技が使用できました。ちなみにシフトキーを押すと「ガーダーシルエット」になることも可能です。

攻撃を敵に当てて敵の体力ゲージ(画面上部)を3メモリ以下にすると、ウィングマンの必殺技「デルタエンド」が使用可能になります(デルタエンドはf5で発動)。デルタエンドを発動すると、原作どおりにウィングマンが3人に分身し、敵を三角錐の中に拘束し閃光とともに勝利となります。

前作に比べたらアクション性や操作性もそこそこ上がっていて、とても
ゲーム中「2回」しか行われない戦闘
とは思えない作りこみになっていましたw

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本作と前作のストーリーは原作の前半である「リメル編」を大幅にアレンジして縮小したような作品なのですが、その割りになぜか原作後半の「ライエル編」に登場する敵の指揮官「ヴィム」が登場したり(もっともストーリーには全く関わらないが)、物語のラストがぶっちゃけてしまうと原作の最後をアレンジしたようになっていたりもしました。

まあ先の読めない世界ですから、本作を作っていた当時はこの作品でゲームとしてのウィングマンを終わらせるつもりでこういった演出を入れたのかもしれませんね。しかし評判が良かったようで、しっかり次回作(ライエル編のアレンジ)が作られましたけどね。

本作は回答コマンドを知っていれば、恐らく10分程度で終わってしまうほど短いですし、画面数はそこそこありますがぶっちゃけ何もする必要が無い場所(行ってフラグを立てればOK)も多いです。AVGとしては正直物足りないところもありますが、その分各画面に登場するキャラクターとの会話のバリエーションは結構多いです(これはパソコン版ウィングマンシリーズに共通する)。

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AVGとして謎を解いてゲームをクリアする事も重要ですが、本作は原作ありのいわゆる「キャラゲー」なのだから、原作に登場するキャラクター達といろんな会話をし、そのリアクションを楽しめるというのも、プレイヤーが本当にその世界の中に入ったような感覚を味わえて、とても重要な要素だと思います。

またそれらのリアクションが原作結構好きだった私から見ても、原作のキャラクターを崩さないようにちゃんと考えられているので本作を作った制作陣の方々は、制作にあたってそうとう原作を読み込んだのではないかな?と思いました。
特に「桜瀬りろ」の広野健太に対するリアクションとかは「うんうん、そうそうw」と思わずニヤっとてしてしまうものがあります。

そういう意味で、本作はキャラゲーとして優秀だったのではないでしょうか?
あれ…でも確か原作だと、美紅って髪の毛ピンクじゃなくて、深緑だったような…。


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