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発売年:1995年
開発元:ハドソン
ジャンル:サウンドノベルAVG
発売機種:PCエンジン(SUPER CD-ROM2)

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まだ九月になったばかりだと言うのに、最近はすっかり涼しくなってしまいましたね。もう秋がすぐそこまで来ているとでも言うのでしょうか?まあ私は暑いのが大の苦手なので、涼しくなってくれるのは大歓迎なんですけど、やはり早足で過ぎていこうとする夏には少し寂しい思いもありますね。

そんなわけで今回は気持ちだけでも夏らしく、「怪談」を取り扱ったゲームを紹介したいと思います。
といっても、この作品を「ゲーム」と呼んでいいかはやや疑問の残る話なんですがね…。

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「百物語 ほんとにあった怖い話」は、1995年に「邪聖剣ネクロマンサー」や「THE功夫」で馴染みの「ハドソン」からPCエンジンSUPER CD-ROM2用として発売されたデジタルノベルホラーアドベンチャーゲームで、私が日本最高の怪談ストーリーテラーと尊敬する「稲川淳二」氏が監修を行っていた作品でした。

ゲーム内容は、プレイヤーがゲーム内に収録された100の怪談を読んでいくというもので、タイトルの通り「百物語(火をつけた蝋燭を百本用意し、怪談を1つ話すごとに蝋燭を1本ずつ消していくという遊び)」をプレイヤー自身で体験するというシチュエーションになっています。

本作は、チュンソフトから発売された「弟切草」「かまいたちの夜」で開拓されたサウンドノベルゲーム(主に文章読むことがメインのゲームで、背景の画像やBGM、リアルなSEなどで効果をつけた作品)のブームに乗っかった感じともいえる作品で、同じく怪談を扱ったサウンドノベルゲーム「学校であった怖い話(版プレスト)」とは偶然か狙ったのか同日に発売されいましたね。

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ゲームを始めるとまず画面に百本の蝋燭が表示されるので、プレイヤーはカーソル(火の玉)を動かして好きな蝋燭を選びます。すると1つの物語が開始され、物語が終わったらその蝋燭が消えて、また次の蝋燭を選ぶのを繰り返すというシステムになっていました。本作にはモードが大きく4つあり、選んだ蝋燭によってそれぞれのモードで物語が開始されます。

まずは本作の「メイン」である「怪談モード」。こちらは一般の人から募集した怖い体験談をいわゆるサウンドノベル形式で「紹介する」というモードです。なぜ「紹介する」を強調したのかというと、ぶっちゃけた話本作は「かまいたちの夜」や「学校であった怖い話」のように、ストーリーに対してプレイヤーが選択肢を選ぶ事による「介入」が出来ないからです。

つまりプレイヤーはボタンでメッセージを送りながら怪談を聞くだけで、選択肢を選ぶ事も無ければ、何かの要因により物語が変化することも無いということです。まあ「一般から募集した話」という事情を考えれば、話の内容を変更するというのは出来ないことなのだと思いますけど…ちょっと物足りなさはありましたね。

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確かに物足りなくはあるのですが、だからといって本作が「つまらない」かというと、実はそうではなく「純粋に怪談を楽しむ」という点ではかなり良い作品となっていました。それにはCD-ROMという大容量(当時は)媒体を使用したことによる、背景に表示されるグラフィックの豊富さ、SEのリアルさ、さらにBGMはCDからの生音ということもあり、怪談の雰囲気が盛り上がること盛り上がること。

しかも、全てではないものの怪談の中で幽霊がつぶやく台詞が「声入り」だったりするので、突然
「あなたの左腕が欲しいの…」
なんて台詞が聞こえてきたりするもんだから、ビクッ!となって思わず冷たい汗をかいてしまいます。こういった効果はさすがCD-ROM媒体ならではのものでしょう。

さらに収録されている怪談のうちいくつかには、物語のスタート時にタイトルと共に
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↑このようなマークが表示されるものがあります。これは「3Dサウンド」に対応していることを意味しており、ヘッドフォンを使用してその物語を始めると、効果音が右から左、前から後ろへと立体的に流れるだけでなく、さっき言ったような台詞が耳の後ろから聞こえてきたりするんです。これが怖い!

対応している物語が少ないのは残念ですが、これは是非体験して欲しいですね。

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つぎは「心霊スポット」と「学校の7不思議」というモードです。こちらは怪談モードとはちょっと違い、いくつか用意されている実在の心霊スポット(関東)の紹介と、架空の学校の7不思議を体験するモードでした。

まず心霊スポット紹介では、実際その場所で撮った写真を見ながら、そこにまつわる話や体験談、そのスポットへのアクセス方法、恐怖度ポイントなどを知ることができます。こちらには特に仕掛けも無く、内容もすぐ終わるだけで、怪談ではなく「資料」に近いものになっていましたね。

つぎに学校の7不思議紹介は、どこの学校にもある施設(階段、トイレ、理科室など)で噂されるような怪談を「体験できる」というものでした。このモードには辛うじてアドベンチャーゲーム的な要素が含まれており、例えば「トイレ」にまつわる怪談では、トイレに入っていると突然「ドンドンドンドンッ!」っとドアをノックする音が聞こえ(SE付き)、それに対してどういうリアクションをするか?というコマンド選択画面が表示されます。

この選択により、ほんのちょっとだけ話の結末が変わるんです。ほんのチョットだけですけどね。
ちなみにこの2つのモードは、厳密に言うと「怪談」とは言えないようなものなんですが、なのに「1本の蝋燭」として処理されてしまうのは残念でした。
このモードの分、もっと怪談を盛り込んで欲しかったとも思いますね。

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そして最後のモードは「スペシャルストーリー」です。こちらはなんと本作の監修を担当した稲川淳二さん自らが怪談を話してくれるという豪華なモード。しかも文字でではなく全編「音声」でです。
これもCD-ROM媒体ならではの贅沢なモードですね。

このモードでは、やはり稲川さんが話してくれるというシチュエーション重視なので、画面に表示されるのは稲川さんの画像ばかり(時折、映像効果やSEもはいるが)ではありますが、稲川さんの怪談ファンにとっては稲川さんから話を聞いている雰囲気に浸れるので、それがやはり嬉しいと思います。

ただ稲川さんのファンという意味では、この作品に収録されているこのスペシャルストーリーの話(全部で10話)は結構お馴染みな内容(生首と鳩の話とか)もあるので、ちょっと新鮮感は少ないかもしれませんね。

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では最後に、本作は基本的にプレイヤーは話を読む、話を聞くという「受身」の立場ばかりになるので、この作品を「ゲーム」といって良いかは最初にも言ったように疑問が残ります。ジャンルとして「サウンドノベルアドベンチャーゲーム」とも言いましたが、内容を考えれば単なる「サウンドノベル」としたほうがよかったかもしれません。

しかし、確かにゲームとしてはスーパーファミコンの「かまいたちの夜」や「学校であった怖い話」に劣ると思いますが、CD-ROM媒体をフルに使用したグラフィックや効果音、音声、そして収録話数の多さによる満足感ではコチラにも「ウリ」になる点は多く存在したのも確かだと思います。あとはゲーム性の足りなさだけだったのでしょう。

ちなみに本作発売から2年後の1997年にセガサターン用として「古伝降霊術 百物語 ほんとにあった怖い話」という作品が同じくハドソンから発売されており、こちらではスポットや七不思議モードが無くなり純粋に怪談だけが百本はいっていたり、ちょっとですがゲーム性があるようなモードも追加されたりして、本作の不満点が結構解消されていましたね。


余談ですがヴィジットという会社から、2000年にプレイステーション用として発売された「稲川淳二 真夜中のタクシー」という作品は、ことらとは違っていてかなりサウンドノベルアドベンチャーの要素が多く入っていました。興味と環境のある方は、こちらのほうもプレイしてみてはいかがでしょうか?

ただし、



プレイ後にあなたの身に何が起こっても、
一切責任は持てませんので、あしからず…。



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