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発売年:1988年
開発元:リバーヒルソフト
ジャンル:コマンド選択式推理AVG
発売機種:PC-88、PC-98、FM-7、MSX2、X68000など
※画像は全てPC-88版です

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「琥珀色の遺言~西洋骨牌連続殺人事件~」は、1988年に「殺人倶楽部」や「BURAI(上・下巻)」でお馴染みの「リバーヒルソフト」から発売されたコマンド選択式推理アドベンチャーゲームで、1990年に同社から発売された「黄金の羅針盤~翔洋丸桑港航路殺人事件~」と並び「一九二〇シリーズ」として、「J.B.ハロルドシリーズ」とともにリバーヒルソフトの看板シリーズとなっていました。

「一九二〇シリーズ」という名前のとおり、1920年代つまり大正時代の日本を舞台にした物語となっており、その時代を想わせる音楽とセピア調のグラフィックが美しいちょっと大人向けの作品という感じでしたね。

プレイヤーは若き探偵「藤堂龍之介」となり、「琥珀館」とよばれる西洋館で突然死んだ館の主で「影谷貿易」の社長でもある「影谷恍太郎」の死の謎について「琥珀館」のなかで調査を行います。藤堂に調査を依頼した琥珀館の執事からの指示で、最初探偵ではなく無名の小説家と身分を偽って調査を開始するというのが風変わりな作品です。

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「琥珀館」の中には主である「影谷恍太郎」の一族や、使用人、客人たちが多く留まっており、プレイヤーは彼らから直接話を聞きながら事件の情報を集めていかなければいけません。しかし登場人物は総勢で27人もおり全員の名前を覚えるだけでも大変なのに、それらの人物は様々な人間関係によってつながっているため「自分でゲームを進めながら情報をメモしていかなければ」まったく何がなんだかわからなくなることは間違いありません。

そんなわけで本作にてプレイヤーが行う基本的な行動は「登場人物との会話」で、これが全体の7割以上を占めるといっても過言では無いでしょう。そして本作には物語の進行状況、情報収集度により以下の5つの会話モードが存在します(モードの名称は私が勝手につけたものです)。

初対面モード…その人物と最初に遭遇した場合の会話モードで自己紹介や軽い会話しかできない。
小説家モード…その人物と2回目以降に遭遇した場合の会話モード。この段階では館の人物達についての情報なら聞くことができるが、主人公の立場は小説家なのであまり突っ込んだ会話はできない。
探偵モード…物語が進むと館の住人たちに主人公が探偵であることがばれ、以後このモードになる。基本的には小説家モードと内容は同じだがこのモードから「証拠品」についての情報を聞けるようになる。
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尋問モード…主人公が会話の中でその人物が事件に大きくかかわっていると感じると、その人物は「容疑者」となりその人物と話す場合はこのモードになる。事件の真相について問い詰めたり、証拠を突きつけたりできるが必ずしも相手が口を割るとは限らない。
協力者モード…館の中には主人公の心強い味方になってくれる人物が何人か登場し、その人物と会話する場合はこのモードになる。見つけた証拠品の情報や、登場人物たちの情報をまとめて助言してくれる。ここでの会話が物語を動かすきっかけになるパターンが多いので非常に重要なモード。

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さて人物から情報を聞き出すためには当然ながらその人物に出会わなければいけない。そのためにプレイヤーは広い(しかも2階建て)の琥珀館内をあっちこっちへと移動しなければいけないのですが、本作の移動方法はちょっと変わっていて「移動」を選択すると「館の見取り図」が表示され、その横に移動できる場所(客室や書斎など)の一覧が表示されるようになっていました。

プレイヤーはこの一覧から移動したい居場所を選ぶことでそこへ移動できます(マウス対応機種の場合は、見取り図自体をクリックすることでも移動が可能)。例えば1階のある部屋から2階のある部屋に移動したい場合に、よくあるAVGでは一度階段へ移動して2階へ行きそこから目的の部屋に移動するなんて手順が必要だったりしますが、本作ではそういうわずらわしいものは無く、館内のどの場所にでも一発で移動できるのが非常に便利でした。

登場人物たちは基本的に琥珀館のどこかにいて動きませんが、物語があるポイントを通過するとそれにあわせて居場所が変わったり、館からいなくなったり新たに館にやってくる場合もあります。また必ずしも「部屋」にいるとは限らず廊下や階段にいる場合もあるので注意が必要です。

一見あまり意味のない移動方法に思えますが、事件について相手の証言やアリバイを聞いたときに、見取り図で確認すると位置関係がわかりやすくなるので情報をまとめるのに役に立ちます。

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移動できる場所の中に「龍之介の部屋」というのがあります。これは主人公用に用意された客室のことで、ここに移動するとプレイヤーは今までの情報の整理や、ゲームのセーブロードなどが行えます。

ここでは情報の整理として人間関系、証拠品、容疑者、捜査状況の分析などが行えるのですが、ここで情報を分析したからといって物語が動くことはありません。だから物語の進行自体には意味を持たないものなのですが、例えば最初に言ったように本作には27人もの登場人物がいて、名前や関係を覚えるのは大変ですし、ゲーム中様々な証拠品が登場するほか、調査することになる事件も1つとは限らないのです。

この証拠品は誰のだっけ?あの事件で容疑者に上がっているのはだれだっけ?その動機となるものは何だっけ?あるいはこの人誰だっけ?そうなってしまった場合にここで今まで集めた情報を確認して、主人公ではなく「プレイヤー自身」が頭を整理することができるのです。

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さてここまで説明したように、プレイヤーは琥珀館の中を移動して多くの人間から多くの情報を聞き出し、事件を解決していかなければいけません。が、本作は「コマンド選択式」であり、いきなり床が抜けて主人公が底へ落ちてゲームオーバー…なんてトラップもなければ、アイテムを取り損ねてゲームが進行しなくなるなんてことがありません。

つまり順番に場所を移動して、出会った人物に順番にコマンドを実行していく、これを延々と繰り返していくいわゆる「コマンド総当り」を実行すれば誰でもゲームのエンディングを見ることができます。さらに同社の「殺意の接吻」のように途中で内容を理解して正しい犯人を指名しないと先に進まないという仕掛けも用意されていません。

だから「なんだじゃあ簡単に終わっちゃうじゃん、つまんねwww」と思われるかもしれません。しかし、ぶっちゃけコマンド総当りすればクリアできるんだよ!って言えるほど実は簡単ではなかったりします。というのも登場人物も多い証拠品も多い、さらに人物や証拠品は途中で増えるし事件もひとつとは限らない、とにかく一人一人に実行すべきコマンドが半端なく多いし、状況が変わればまたコマンドが変化したり増えたりもします。気楽に「総当り」といって実行できるほど楽なレベルではないのです。

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であれば、情報を的確に把握し分析し無駄のない行動で効率よくゲームをクリアするのが正しい遊び方…なのかもしれませんが、私個人の意見でいうならこのゲームを楽しむなら
無駄な行動、空回りな行動、どんどんやっていけばいい
そう思います。

どこかの漫画に出てくるような頭脳明晰な名探偵なら少しの情報で真実を見抜き事件を解決に導くかもしれません。でも私個人の趣味でいえば、そういう探偵よりも何度も現場を動き回って、何度も人に話を聞いて、ちゃくちゃくと情報を積み上げながら犯人を追い詰めていく、そんな泥臭い探偵のほうが好きです。
「J.B.ハロルドシリーズ」のJ.B.なんかも閃きでスピード解決というタイプではなく、足で情報を稼いでバーで熟考しながらって感じでしたしね(あっちは刑事ですが)。

靴をすり減らしながらあちこち何度も移動して、小さな情報をこまごまと集め、それを一つ一つ結び付けていく。時には何も進展が無く行き詰ることもあるが、そういう時はまた基本に戻って情報を集め整理する。一見地味で時間がかかりめんどくさい作業ではありますが、それこそ「自分が探偵となって事件を解決する」という事を体験できている、ゲームを楽しめている事になるのではないでしょうか?

そうして苦労をして進めて行くほど、物語が大きく動いたときの「快感」がたまらないんです。これが楽しいんです。
これはリバーヒルソフトの刑事、探偵ものAVG全作品に言えることですよね。だから私はリバーヒルソフトのゲーム大好きなんです。


藤堂龍之介探偵日記 琥珀色の遺言 ~西洋骨牌連続殺人事件~藤堂龍之介探偵日記 琥珀色の遺言 ~西洋骨牌連続殺人事件~
(2008/12/18)
Nintendo DS

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「琥珀色の遺言」は現在、ニンテンドーDS版、iPhone版Android版などがありますので、興味のある方はこちらで購入して遊んでみるのもいいかもしれません。PC版とはシステムやグラフィック面でいろいろ変わっていますが、ゲーム内容はそれほど違わないはずですので。


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