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発売年:1984年
開発元:ハミングバードソフト
ジャンル:SF-AVG(コマンド入力式)
発売機種:PC-88、FM-7など


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「ABYSS」は1984年に「ラプラスの魔」やPCゲーム版「ロードス島戦記」で有名な「ハミングバードソフト」から発売されたコマンド入力式AVGで(ハミングバードソフトとしては3作目の作品)、以前に紹介した 『ABYSSⅡ 帝王の涙』(1985年)の前作にあたります。なので世界観や主人公については共通しています。

さて本作は『ABYSSⅡ 帝王の涙』の前作にあたる作品と書きましたが、実は今回紹介するABYSSはちょっとだけ事情が違っています。まあそこについては最後に説明するとしましょう。

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*ストーリー
これは遥か未来の話。"惑星間統合戦争"が終わり、平和と繁栄を取り戻した"9惑星連合"に新たなる驚異が現れた。
その名は「宇宙シンジケート」。
極悪非道の宇宙シンジケートを壊滅せよ!という命令を受けた元連合宇宙軍少佐"モズ・シバット"は、ある惑星にシンジケートの基地を発見し、たった一人で潜入を試みるが運悪く敵に発見される。

記憶の一部を消されたうえに、どこかの建物内に監禁されてしまった"モズ・シバット"。
果たして彼は無事この惑星を脱出することができるのか?

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*システム
本作は制作された年代では極めて一般的なキーボードから実行するコマンドを直接入力する"コマンド入力式"で、さらにコマンドは英文にのみ対応していました。
コマンドは、例えば部屋にある鏡を見たいといった場合には"LOOK MIRROR"というように、動詞+名詞という形式で入力します。
また何かの対象物に対してアイテムを使いたい場合、まず"USE アイテム名"と入力し、その後に"TO 対象物"というように2回に分けて入力する必要がありました。
同じようにひとつの画面にドアが2つあるような場合、最初に"ENTER DOOR"というように入力し、その後に対象となるドアの方角(NやWなど)を入力するがあります。いささかめんどくさいですが、まだ"対象物をカーソルで選択する"という方式はメジャーではなかったので仕方ないことですね。

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さて本作にはゲーム進行において非常にやっかいな制限がついていました。
それは "コマンド回数制限"です。
ゲームが始まるとしばらくして主人公は宇宙服を来て惑星上を移動していくことになるのですが、その宇宙服に搭載されているバッテリーの容量の影響で、一定数以上行動してしまうと主人公は宇宙空間で動けなくなり死んでしまいます。
つまりコマンドを実行すると(移動だけでなく、何かを見たり、何かを取ったりしても)そのたびにバッテリーが消耗していくわけです。

私はこのタイプのAVGが非常に苦手でした。
だってAVGっていうのは、あーでもないこーでもない、あっちでもないこっちでもない、と必要不必要に関わらずとにかくコマンドを実行して反応を見ながら試行錯誤するものでしょう?
なのにそのコマンド実行回数に制限があったりしたら、怖くて自由に行動できないじゃないですか。
まあきっと何度もプレイして、必要不必要のコマンドを選定していってください。という事なんでしょうけどね。

とりあえず救済措置としてある場所でバッテリーの補給ができ、またしばらく行動が可能にはなります。

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行動不能と言えば、例によってこの時期のAVGにありがちな"即死トラップ"もちゃんとあります。
その割にゲームオーバーの画面は ほんわかのほほんとしてますがねw
まあ本作にはゲームのSAVE/LOAD機能がちゃんとついていますので、まめにセーブしておけば間違ってもセーブしたところからやり直しが可能です。

"即死トラップ"はありますが、ゲームが進行できなくなる"ハマリ"はありませんでした(多分w)。とはいえ、セーブしたのが行動現回数ギリギリの状態だったりしたら、結局ロードしてもすぐ行動不能になるのである意味"ハマり"といえるかもしれませんね。

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本作は何箇所か"なかなか思いつかないだろ?!"という動詞はあるものの、この時期のAVGとしては比較的難易度は普通、画面数もそれなりに多いですがマッピングしていれば(してなくても?)迷うようなレベルではないですし、ループやワープもありませんからね。
まあ行動数制限あるくせに、マップでワープとかループとかあったら "ぶん殴り"たくなりますけどw

ストーリー性は正直言って低いです。後半というかラストになるまで物語の展開らしいものは無く、それまではいわゆる脱出AVGのような状態がずっと続きますが、これもこの時期のAVGではよくあることなので特に不満に感じるレベルではないかと思います。
逆にこれをプレイしたあとで続編の「帝王の涙」をプレイすると、ストーリー性がパワーアップしているのを実感できるかもしれませんね。

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さて先ほどちょっと触れた続編の「帝王の涙」についてですが、本作をクリアするとEDのあとにCM的なものとしてこちらの画像が表示されます。
このグラフィックは間違いなく続編「ABYSSⅡ 帝王の涙」のタイトル画面のものと一緒なんですよ。

ちなみにこれは「予告」的なものではなく発売中の商品のCMです。
おかしいですよね?なんで前作のED後に次回作の画像が「発売中」としてもう仕込まれてるの?
これが今回一番最初に書いた"事情"というやつです。

まあ別にもったいぶるような話ではないのですが、実はABYSSはフロッピー版とテープ版の2バージョンが存在していて今回紹介したのはテープ版なんです。
普通に考えればゲームソフトの媒体としてはフロッピーの方が新しいので、テープ版が発売されてその後(あるいは同時に)フロッピー版が発売されるものなんですが、ABYSSに関しては最初にフロッピー版が1984年に発売されて、なぜかその1年後の1985年にテープ版が発売されていたんですね。
なのでテープ版が発売されたときには、既に続編の「帝王の涙」(1985年)も発売されていたわけです。

ちなみにテープ版ABYSSは単にフロッピー版を移植したというものではなく、グラフィックが全て新しく書き換えられているという手の込んだものでした。そのせいか、テープ版ABYSSはグラフィックのタッチや色使いが「帝王の涙」に近くなってるんですよね。
まあ余談ですけどねw



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