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発売年:1987年
開発元:スクウェア
ジャンル:フィールド探索型ロールプレイングゲーム
発売機種:ファミリーコンピューター、MSX2など
※画像はすべてMSX2版のものです

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*ジョブチェンジ

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さてファイナルファンタジーといえば、同じキャラクターで様々なジョブに変わる「ジョブチェンジ」というシステムが有名で、特に「III」や「V」などでは、ジョブチェンジをどう活かすかが攻略の鍵だったりもしました。そのジョブチェンジというシステムは、実はシリーズ初代である本作から既に存在していました(厳密にはちょっと違う意味ですが)。

ゲームを進行して行くと、「ドラゴンの洞窟」にて「バハムート」からある”試練”を受けられるようになります。この試練に合格すると、キャラクターたちは戦士は「ナイト」に、モンクは「スーパーモンク」、シーフは「忍者」、白魔術師は「白魔道師」、黒魔術師は「黒魔道師」、赤魔術師は「赤魔道師」にジョブチェンジします。

ジョブチェンジによって、前衛職は主に上位の武器防具を身につけられるようになり、後衛職は高位魔法を覚えることができるようになります。あとナイトは低レベルの白魔法、忍者は低レベルの黒魔法も使えるようになります。このジョブチェンジは、実は行わなくてもゲームクリアが可能なのですが、ジョブチェンジ後は実質的に戦力が大幅に上昇するため、縛りプレイでもなければジョブチェンジはやっておいて損はないでしょう。

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ちなみにジョブチェンジ後は、なぜか各キャラクターの頭身がリアル目になりますw
これカッコいいことはカッコいいんですが「ジョブチェンジ前のほうが良かった…」という人は、当時私も含め、私の周りにも結構いましたね。やっぱりあまり好評でなかったのか、後のシリーズではジョブチェンジ前の頭身に普通に戻ってましたが。
ちなみにジョブチェンジしてからお店に入ると…店員さんとの頭身のギャップが酷かったですね。

さて、大まかなシステムの説明については以上になります。
他にも説明していないこともあるんですけど、あまり長くなってもしょうがないのでそこは割愛します。

*カオス(四天王)戦

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さて、個人的に本作は全体を通して”演出”というものに非常に拘った作品だったと思っていまして、その中でもストーリーを大きく盛り上げてくれた演出に「カオス(四天王)戦」というのがありました。前回のストーリー説明の中にて、この作品の世界は風、水、土、火、4つのクリスタル支えられていて、それが今闇に飲まれて滅びようとしている、とあったと思います。

この世界が闇に飲まれようとしているのは、その4つのクリスタルの力が何者かによって遮られてしまっているからであり、それを行っているのが4つの「カオス」と呼ばれる存在たちなんです。4つのカオス達は、土のカオス「リッチ」、火のカオス「マリリス」、水のカオス「クラーケン」、風のカオス「ティアマット」というそれぞれ恐ろしい姿をした怪物で、こいつらを倒して4つのクリスタルに光を取り戻すというのが、ストーリー上の大きな目的になっています。

もちろんこのカオス達は、それぞれが強力な力を持っているので簡単に勝てるような相手ではありません。カオス戦に備えてのレベル上げ、装備の充実、戦術の構築が必要になるので、このカオス戦の攻略はプレイヤーにとっても大きな目標となるでしょう。

また大抵RPGでは、ゲームが始まって魔王を倒すぞ!と旅立ったものの、あちこちの町で大筋とは直接関係無いクエストをやっているうちに「俺ら魔王倒さなきゃいけなかったんじゃ?」と我に帰るようなことも多々ありますが、本作ではいいタイミングでこのカオス戦が存在するので、ストーリーの本筋や雰囲気から気持ちがそれないようになっていました。

ちなみにゲーム中には確かそういう記述は無かったと思いますが、当時は自然にこのカオス達を「四天王」と呼んでましたね。

*演出といえば…?

さてファイナルファンタジー1の”演出”として語らずにはいられないものがあります。それが”オープニング”です。本作ではゲームの電源を入れると、ストーリー説明の文字が表示されてその後にボタンを押すと、ただ”つづける/ニューゲーム”を選ぶメニューが表示されます。そしてニューゲームを選ぶとキャラメイキングをして、その後、
いきなりフィールド画面に放り出されるんです。

あれ?オープニングシーンとか、ドラクエみたいなタイトル画面は無いの?そう誰もが思うはずです、きっとね。そしてオープニングが無いまま城の王様に会いに行くと「さらわれた姫を取り戻してくれ」と、普通のRPGだったら最終目的とも思えるような事を依頼されます。なのにそのお姫様は城のすぐ近くの古城にいて、そいつをさらったの「ガーランド」を倒すとあっさり姫を取り戻せてしまいます(パーティ編成によってはレベル1でも勝てる)。

拍子抜けの気持ちで姫を連れて王様の元に戻ると、お礼として次の大陸に移動できる”橋”を作ってくれるんですね。んじゃまあ、橋を渡って次の大陸に向かうとしますか~と端に乗った瞬間…

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あの今ではゲーム好きなら誰でも知っていると言っても過言では無い、ファイナルファンタジーの「メインテーマ」とともにオープニングシーンが流れ始めるのです。この瞬間、ゲームが始まってからここまでが「アバンタイトル」だったんだとプレイヤーは理解するわけですね。この演出には、当時本当に「やられた!w」と思いました。

ここのシーンは、今でも本当に大好きなシーンですね。

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あと細かい演出というか表現の部分なんですが、それまでの見下ろし型のRPGの場合、大抵マップ上に”1本の木の絵”、”1つの山の絵”を描いた1キャラ分のタイルをただ並べて「森」とか「山脈」というように擬似的に表現するのが普通だったのに対して、本作では複数の絵の組み合わせで見ただけでこれは森、これは山脈だと理解できる表現になっていました。

また街や城が在る所にも、ただ1キャラ分の街の絵を置くだけでなく、その周りに門や城壁を表示することで存在感やリアリティを持たせていますし、その街中もこれまでのRPGように乱雑に店や施設が配置されているようなものではなく、大都市では石畳の上に建物が並びその建物の間が路地として使用されるなど、生活観の感じられる設計の町並みが表現されていました。

個人的に、本作のこういった町並みの表現は、後のスクウェアに限らず他社のRPGにも影響を与えたと思っています。

*まとめ

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本作の制作にはプロデューサーにスクウェアの創設者「宮本雅史」氏、ディレクターに「坂口博信」氏、デザイナーに「田中弘道」氏、音楽は「植松伸夫」氏とPC時代からの多くのスクウェア作品に関わったメンバーに、天才プログラマーと呼ばれ、本作のファミコンとは思えない飛空艇のスピードなどを実現した「ナーシャ・ジベリ」氏を加えた気合の入った布陣でした。

さらにはキャラクター・モンスターデザインに、なんと「タイムボカンシリーズ」や「新造人間キャシャーン」「宇宙の騎士テッカマン」を手がけた「天野喜孝」氏が加わるという、ドラクエの「鳥山明」氏の採用も凄かったですが、それに負けず劣らずの存在感を本作に与えてくれていましたね。(依頼したスクウェア側も、まさかOK貰えるとは思っていなかったとかw)
天野喜孝氏の独特で繊細なデザインを、かなり忠実にドット絵に起こしたスタッフも凄いと思いますが。

凄いメンバーが集まったからといって凄いものができるとは限らないのが世の常ですが、しかし本作に限ってはそれが上手くいったケースといえるでしょう。特に、もう何度も言っていますが、これまでのRPGではやってこなかったゲーム中の”演出や表現”への拘りは、ユーザーの心にもガッチリ命中しましたし、その後のスクウェアの指針となったのではないでしょうか?
(まあ結果”やりすぎ”まで行ってしまった感も否めませんが)

パーティの様々な組み合わせを試して繰り返し遊べることや、ゲーム中に行ける場所が一個ずつ開放されていくような窮屈なものではなく、序盤から船が手に入ることで自由に世界のあちこちに行くことができることでのゲームの自由度も高く、カオス戦だけでなく、「ファンタジー」と名打っておきながら後半にSF要素を盛り込んだり、時代を超えての決着などシナリオの構成も非常に良かったと思います。

そして誰もが思ったであろうBGMの素晴らしさ。例えばドラクエが「勇壮な冒険世界」をイメージする曲が多いとしたら、本作はまさに「幻想的(ファンタジー)な世界」をイメージできる透明感のある曲が多かったように思います。無論どちらも素晴らしく、どちらもその世界観を忠実に表現した良曲ばかりで、今原曲で聞いても十分にその良さを味わえます。

本作はシリーズ最初の作品(作っている側はシリーズ化など考えていなかったと思いますが)にしては完成度が高かったと言っていいと思うのですが、それでもやっぱり幾つかの残念だった点は存在しています。

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まずは前回戦闘システムの際にも言いましたが、戦闘中に麻痺や石化、毒を受けたまま戦闘終了すると状態異常になったキャラが勝手に最後列に移動してしまうことです。本作には毒と麻痺の攻撃をしてくる敵がやたらといる(しかも受ける確率が割と高い)ので、その都度戦闘後に隊列を元に戻すのは正直ウザかったです。

またその状態異常を治すアイテムや、HP回復のポーションについて、町のアイテム屋で纏め買い(5個や10個という単位で)できないのもイライラしました。本作では魔法が回数制(最大9回)で、しかもダンジョンなどでのHP・MP回復手段が乏しいので、回復魔法はできるだけ温存する必要があり、その結果HP回復は基本ポーションで行うことになるため、大量に買い込まないといけなくなるのです。なので店で1個単位でしかアイテムを買えないのは、非常に難儀でした。

あとは移動に関してですが、ドラクエの「キメラの翼」のように一瞬で街に戻る、あるいはダンジョンを脱出するアイテムが無く、そういう効果の魔法はあるものの、覚えられるのは結構レベルが上がってからなので、しばらくの間は町とダンジョンの往復、ダンジョン入り口と最深部の往復はすべて”徒歩”になります。一部のダンジョンではボスを倒したあとに地上に戻れる場合があるんですが、それ以外ではこれが結構辛い。(町にワープできないのは、船や飛空艇の再配置に問題が出るからかな?)

ちょっと上と重複する話になりますが、MPの回数制というのも正直きつかったですね。どれだけレベルを上げても同じレベル帯の魔法は最大9回までしか使えない、さらに重要な攻撃魔法が同じレベル帯に固まってるので特定のレベル帯だけ使用頻度がどうしても高くなるんです。しかもダンジョン内でMP回復はまずできないし、ダンジョンからの脱出もアイテムではできないから、ボスまでの道中に加えて帰り道での戦闘も考慮しなきゃいけない。そう考えると最大9回ってのはきつ過ぎました。

この辺が当時遊んでみて改善して欲しいなあと思ったところだったのですが、これらは後のシリーズやリメイク時にちゃんと改善・修正されていましたね。素晴らしい。細かいところですが、ユーザーの遊びやすさの改善も忘れない、そういう姿勢が長く愛されるシリーズに繋がった。そういうこともあるかも知れませんね。

*最後に

さて最後になりますが、今回紹介記事に使用したMSX2版ファイナルファンタジーについてですが、こちらはファミコン版の発売から2年後の1989年に発売されました。このMSX2版の移植を行ったのは、「は~りぃふぉっくす」「サーク」を開発した「マイクロキャビン」だったのですが…、こちらは残念ながらあまり良い評価にはなりませんでした。

どんなところが評判が悪かったのかというと、媒体がカセットではなくFDだったのでアクセス待ちが頻繁に起こる。セーブ時にディスク交換が必要なので、HP回復したいだけで宿に泊まる度ディスク交換が必要になる。と、この2点はまあしょうがないかなと思えるんですが、一番酷かったのがキャラクターの移動速度です。

何の冗談だろう?と思えるほど移動がトロく、処理を速くさせる目的で画面の表示サイズをファミコン版より小さくしたにも関わらず、それでも嫌になるくらいに遅い。しかも、ファミコン版でユーザーを驚かせた高速で動ける飛空艇も、歩くのと殆ど変わらない程度の移動速度という酷い状態…。まあマイクロキャビンのゲームは殆どがアドベンチャーゲームで、これと同年になってやっとアクションRPGの「サーク」を作り始めたから、そういう技術がまだ足りなかったのかな?と弁護してみたり。(でも結構経ってから作ったはずの「フレイ」もなぁ…)

正直なところファミコン版のファイナルファンタジーをプレイした人なら、まともに遊ぶのが辛いってくらいの出来です。価値があるとすれば、ファミコン版より若干多い色数による綺麗な画像と、FM音源+PSGの凄く綺麗なBGMくらいだと思います。


というわけで、この「ファイナルファンタジー」のファミコン版は、今やっても十分に楽しめる作品ですので、遊べる環境がある方は、これを機会にまた(あるいは初めて)遊んでみてはいかがでしょう?個人的には、戦、戦(モ)、赤、赤がおススメのパーティですよ?(単に私が赤魔好きなだけw)




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