3c0e08e2.png


発売年:1991年 ※IBM PC版は1990年
開発元:アスキー ※IBM PC版はSIR-TECH
ジャンル:ダンジョン探索型ロールプレイングゲーム
発売機種:PC-98、FM TOWNS、スーパーファミコン
※画像はすべてPC-98版のものです

0202

前回の記事は、こちら

*戦闘システム

6e7babfb.png

ではいよいよ、戦闘システムについて説明して行くとしましょうか。とはいえ本作の戦闘は大筋では変更がありません。敵とは移動中にランダムか、特定の部屋に入ったときに遭遇します。戦闘は過去シリーズと同じように、ターン毎に全キャラに実行させたい行動を選んでから戦闘実行で、敵味方入り混じって順番(速さ準拠)に行動していくという所謂「ターン制」の戦闘システムです。

味方は6人のうち3人(画面上の上段と中断左)が前衛、残り(中断右と下段)3人が後衛となり、前衛は主に肉弾戦、後衛は主に魔法による援護や攻撃を行いますが、後衛でもミドルレンジ、ロングレンジの武器を使用する事で、魔法以外にも攻撃に参加することが可能です。後衛からの肉弾戦は前作「V」から既に可能でしたが、本作ではさらにそういう武装が増えており、打ち上げ花火みたいなのを射出する武器までありました。

またこれも似たものが前作からありましたが、「隠れる」コマンドからの奇襲攻撃も存在しています。奇襲は前作では盗賊と忍者の専用コマンドでしたが、本作では忍術スキルを取得していれば実行可能です。あと種族ドラコンのみ、職業に関係なく戦闘中に”酸のブレス”を吐く事も可能でした。ブレスは単体攻撃ではあるものの100%命中するので、攻撃が当たらない序盤では有効な攻撃方法となります(ただ頼りすぎると武器のスキルがなかなか上がらないので成長も遅れる)。

一方で前作まで僧侶、ビショップ、ロードの専用コマンドであった、アンデッドを消し去る「呪いを解く」は排除されました。その代わりに僧侶系魔法の中に「DISPEL UNDEAD」という同じ効果を持つものが存在しています。「呪いを解く」がノーコストで実行できるコマンドだったのに対して、「DISPEL UNDEAD」はMPを消費する呪文になってしまっていますが、その代わりにこの呪文で消滅させた場合も経験値が取得できます(これは地味に嬉しい変更ですね)。

992e7017.png

次に武器を使用しての肉弾戦に関してですが、本作では「攻撃」という1つのコマンドにも持っている武器によって、複数の攻撃方法が設定されていました。代表的なもので言えばソード系の「振る」と「突く」ですが、「振る」は補正の無い普通の攻撃で、「突く」は命中に-補正、貫通に+補正がかかるというように、選んだ攻撃方法により様々な補正が付くようになったのです(命中と貫通以外にダメージ補正というのもある)。

ところで”貫通”というのが何かというと、本作では例え敵に攻撃を当てたとしても、相手の装甲に弾かれてダメージを与えられない場合が多々あります(メッセージで表示される)。そういう場合に、相手の装甲を越えてダメージを与えやすくなるのが、貫通補正のある攻撃方法なのです。ちなみに最も貫通補正の高い攻撃は、弓系武器の「撃つ」でした(納得)。

他に肉弾戦に関係する変更点としては、本作から両手持ち武器と、二刀流可能武器というものが増えています。両手持ち武器の場合、盾が装備できない反面”乱闘”というダメージが2倍(命中率は下がるが)の攻撃方法が可能なものが多く、二刀流の場合も当然盾は装備できませんが右手と左手別々に攻撃できるので、純粋に1ターンでの攻撃回数が増えます。

2ae87425.png

さて次に魔法攻撃に関してですがその前に、本作にて戦闘中に登場する敵は最大で5グループまで、そして1グループにつき最大9体まで、つまり1戦闘に最大で45匹の敵が登場します。これに対応して、魔法の効果範囲も敵1体、敵1グループ、敵全体というように分けられています(正確にはあと1つ特殊な範囲があるが)。これについては過去シリーズと同じですね。

しかし本作では魔法の仕様がかなり変わったため、戦闘での魔法の使用についても過去シリーズと違う運用が必要になっています。まず”PL(パワーレベル)”です。全ての魔法は使用時に、その魔法の威力(PL)を任意に設定できるようになりました。PLが高いほど高威力になりますが、同時に消費するMPも上昇します。これにより、過去シリーズでは初歩の単体魔法は序盤以降使い物にならなかったのが、PLを上げることで中盤以降も要所で使用できるようになりました。

また魔法の中にはPLを上昇させることで、効果範囲そのものが広がる魔法もあります。例えば僧侶系の「BLADES」という魔法は、PL1で使用すると敵3体にしかダメージを与えられませんが、PLを1上げるごとに+1体追加でダメージを与える事ができます。このようにPLは高くするほど強くなるのですが、一方で高いほど失敗する可能性もありました(術者のスキルによる)。

次に、魔法の中に”持続効果”を持つものが増えました。過去シリーズの魔法は使用した場合、睡眠や沈黙などの状態異常効果以外は、そのターンで効果が終わり持続しませんでしたが、例えば錬金術師系の「POISON GAS」という魔法は、1度使用すると数ターンに渡って効果が持続し、敵にダメージと”毒”効果を与え続けることができます。もちろん効果が持続している間、術者はまったく別の行動をとっても問題ないという便利な魔法です。

そして魔法の使用に関して、最も気をつけなければいけなくなった点といえるのが”属性と抵抗”です。全ての魔法は魔法使い系や僧侶系といった魔法の系列に関係なく6つの属性に分類されており、そしてプレイヤーの操るキャラクター、及び全ての敵には内部パラメーターとして”属性への抵抗値”が設定されていています。これにより、例えば火属性の魔法を火属性抵抗の高い敵に使用しても「効果が無かった!」と表示され全くのMP無駄遣いになってしまうのです。

したがって戦闘の勝率を高めるには、どの敵が何の属性魔法に弱いのかを見極めること、そしてどんな敵にも対応できるように、より多くの属性の魔法(特に広範囲の)を用意する必要がありました。しかし中にはほぼ全ての属性抵抗値が高いような敵も登場するため、そうなったときはやはり属性に影響されない肉弾戦の出番ともなるわけです。

以上のように戦闘に関しては大筋では過去シリーズと変わっておらず、システムもシンプルでありながらそれでいて”厚み”が出たように思え、これに関しては全く抵抗感を覚えませんでした。ただ一つ、
830c583f.png

敵のグラフィックが壊滅的に日本人向けでないこと を除けば…(慣れればこれも味なんだけど

*レベルアップとセーブ

bb6ed003.png

さて戦闘にて全ての敵を倒すと経験値とゴールドが貰え、経験値が一定値溜まるとキャラクターがレベルアップします。過去シリーズでは(IVは除くが)経験値が溜まった状態で町に戻り、宿屋で1泊することでキャラクターがレベルアップしていましたが、本作では町にもどる事もできないうえ宿屋も存在しないため、レベルアップは戦闘終了後に即行われます。

レベルが上がると能力値とHP、スタミナ、MPが上昇し、さらにスキルポイントを取得できるので、それで好きなスキルを上昇させることができます。それが終わると、魔法が使えるキャラクターはさらに魔法を1つだけ新たに覚えることができます。ちなみにどの能力値が上昇するか、HPがいくら増えるか、スキルポイントがいくらもらえるかはある程度ランダムで決まってしまいます。

過去シリーズであれば町に戻って一旦セーブし、その後1人ずつ宿屋に泊まらせてレベルアップに納得がいかなければリセットしてやり直しという事もできたのですが、実は本作ではそれが難しくなってしまっています。というのもセーブの仕組みが本作から変わったからです。今まではある特定のタイミングでオートセーブされていたのが、今回から任意でセーブが可能になりました。

なんせ事故ったらリセット推奨のゲームですから、自分のタイミングでセーブができるのは非常に助かる改良なんですけれど、ことレベルアップについてはそうも行かない。戦闘終了後にセーブするタイミングも無くレベルアップが始まってしまうので、レベルアップに納得いかなくてリセットした場合、前にセーブしたところから始まってしまいます(つまり最低でも戦闘前まで戻される)。

しかもいくつかの職業はレベルが上がるタイミングが一緒なので、あるキャラのレベルアップは納得して終わっても、セーブのタイミング無くすぐ次のキャラのレベルアップが始まってしまうので、そっちに納得いかなかったらまた最低限戦闘前からのリスタートになります。これが地味にキツイんですが、ただ救いもありまして、本作からレベルアップ時に能力値が下がらなくなりました。またHPの上昇も、過去シリーズのように1しか上がらないようなのが何度も続くということが無くなり、職業にもよりますが割りと高い数値がすぐ出易くなっています。なのである程度妥協しやすくなってるわけですね。

*転職システム

本作では今回説明したように、戦闘とレベルアップを繰り返しつつキャラクターを強化させゲームを進めていくわけですが、普通にプレイしていくとキャラクターが中々強くならず、わりと早い段階で行き詰ってしまうのではないかと思います。その原因は、本作のシステムがスキルの値に大きく依存していることにあるでしょう。先ほども説明しましたが、スキルの値はレベルアップ時にもらえるポイントで上昇させることができます。

しかしその貰えるスキルポイントは大体5~7p程度(多くても10p)、しかも一部の職業はこのポイントから特定のスキルに”勝手に”ポイントが配分されてしまうため(侍はソード、バードは音楽、レンジャーは弓とスカウトなど)、1回のレベルアップで微々たるポイントしか自由に使えません。そのうえ魔法職は各魔法スキル、侍や忍者はキリジュツといった重要でかつスキルポイントでしか上昇させられないものにそれを注ぎ込まなければいけないので、ホントにカツカツで中々強くなれません。

しかも本作はそんなポンポンとレベルが上がるゲームではありません。最初の舞台となる城ではレベル5を過ぎたらもうなかなか上がりませんし、中盤~終盤に差し掛かってもレベル10あたりから結構厳しくなってきます。そうなるとそこまでで得られるスキルポイントって大体予想できますよね?あれもこれも上げることなんて、ぶっちゃけ無理です。

ちなみに魔法に関しても厳しい状況は同じで、1レベルアップ毎に覚えられる魔法は1つだけです。もしレベル10まで育てても、キャラメイク時の2つ+9ですから11しか魔法は覚えられないことになります。重要な魔法だけ選べるなら11でも足りるんですが、魔法にはLV7までのランクがあり、スキル値が0,18,36,54,72,90,98を越えないと1LV上の魔法を覚えることができません。つまり例えレベルが上がってもスキルが上がらなければ、より強い魔法が覚えられず弱い魔法しか覚えられない結果になってしまいます。

そこで出てくるのが”転職を利用する”という手段です。

過去シリーズをプレイして来た人にとって”転職”というものは、非常に大きな問題で軽々しく行えるものではないというイメージがあると思います。その理由は転職によるデメリットの大きさです。過去シリーズで転職を行った場合、①老化が進み石化や死、灰からの蘇生が難しくなる。②能力値が種族基本値まで落とされる。③レベルアップしても当分の間HPが1しか増えなくなる。④前職のLVに関係なくLV1に落とされる。というようにデメリットが多くありました。

ところが本作での転職の場合、①転職時に老化しない。②能力値はそれぞれ転職条件の数値と種族の基本値の大きいほうになる。③前職のレベルを超えるまでHPが1しか増えない。④やっぱりレベルは1に落とされる。というように過去シリーズの転職デメリットが④以外殆ど解消されたのです。そしてこの変わらなかった④が、本作攻略の大きな”救い”となったのです。

どういうことかというと例えばLV5まで育てたら、転職させてレベル1に戻してしまいます。本作ではなんと転職すると能力値はある程度下がるものの、スキル値も覚えた魔法もMPも転職前から何のペナルティも受け無い状態でレベル1に戻るので、以前より楽にLV5まで上げられ、しかもスキル値取得の機会がまた4回増えるということなんです。これなら、

9bddc330.png

レベルがたった4なのにスキル値100! なんてキャラクターも容易に作れてしまい、さらに同じ系列の魔法を覚える職に転職するか、一旦別の職を挟んでもとの職に戻すなどの手順を行えば、魔法も通常より遥かに多く覚えることができ、この後の冒険がめちゃめちゃ楽になります。ただしこれはあまりやり過ぎると、ゲームが簡単になり過ぎてつまらなくなってしまうという諸刃の剣でもあるので注意が必要ですね。


さて、そろそろ纏めに入ろうと思ったのですが、今回かなり説明に力が入ってしまいまたまた長くなってしまったので、最後のまとめは次回に持ち越すとしましょう。っていうか、もしかして1つのゲーム紹介記事で3回以上になったのって、
これが初めてじゃないか?w





↓ブログランキングに参加してます。クリックして頂くと私の「やる気」がアップします。
にほんブログ村 ゲームブログ レトロゲームへ