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発売年:1991年 ※IBM PC版は1990年
開発元:アスキー ※IBM PC版はSIR-TECH
ジャンル:ダンジョン探索型ロールプレイングゲーム
発売機種:PC-98、FM TOWNS、スーパーファミコン
※画像はすべてPC-98版のものです

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前回の記事は、こちら

*魔法の何が気に入らなかった?

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では早速ですが前回の最後にお話した、本作の”魔法”について私が非常に抵抗感を覚えたところ、それは
魔法の名前が全部変わったことです!
過去シリーズを遊んできた人なら解ると思いますが、このウィザードリィシリーズの魔法はこれまで一貫した名称でやってきました。例えば攻撃魔法では、炎系は「HALITO」、氷系なら「DALTO」、そしてその上位魔法には”MA”や”LA”がついて「MADALTO」、「LAHALITO」というように、また回復魔法は「DIOS」、「DIAL」、「DIALMA」、「MADI」というように”DI”が含まれる名称で、回復を裏返す魔法(つまり攻撃魔法になる)の場合、”BA”がついて「BADIOS」になるなど独自の名称ルールがあったのです。

またそのルールから外れるものでも、睡眠魔法の「KATINO」、窒息魔法「MAKANITO」、そして最強の攻撃魔法である「TILTOWAITO」など独特なそのネーミングは最初こそ戸惑ったものの、やがてこれらの魔法は「ウィザードリィといえばこれだよな!」と思えるほどの存在になりました。しかし本作ではこれらを一切排除してまったく新しいものにしてしまったのです。

しかも新しい魔法名は「FIREBALL」、「SLEEP」、「HEAL WOUNDS」、「CURE POISON」というように、一般的なRPGで見かけるような非常に平凡な名称になってしまいました。これには、なぜだ!なんでそんなことをした!と当時の私は怒りを覚えたのです。いやいや、この程度でそんなに怒るか?と疑問に思うかもしれません。

しかし考えてみてください、あの「ドラゴンクエスト」が次の新作から魔法名を「ギラ」とか「ホイミ」から、「FIREBALL」とか、「HEAL WOUNDS」って名称に変わったとしたらどう思います?「そんなのもうドラクエじゃないだろ!」ってファンなら思いませんか?ファンタジー世界は、よく”剣と魔法の世界”といわれます。つまり剣や魔法の存在は、その作品の言わば”顔”であり、その世界観を象徴するものなんです。それをこうも簡単に失っていくのは、
それは、それは、酷いことなんだよーっ!(カミーユ?

とまあ私情むき出しで言ってみたのですが、ただ、ただですね。今となって考えてみれば、作り手の気持ちもなんとなく解る気もするんですよね。なにせ本作では、今までの魔法使い系、僧侶系の2種類の魔法に加えて、超能力と錬金術という新たな魔法が加わりました。これら4種類の魔法を今までのルールで名付けたとしたら、それは相当複雑なものになり、本作からの新規ユーザーどころか古参ユーザーまで混乱させかねません。その意味でも文字を見て効果がある程度わかる、その”解りやすさ”を意識してこのような名称にしたのではないかと。そう思うわけです。

*冒険への出発

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さてちょっと私情が多めにあふれ出たところで、軌道修正してシステムの説明に戻りたいと思います。とりあえずここまででキャラクターの生成については終わりなので、あとは冒険に連れて行きたいメンバー6人を揃たら、いざ冒険に出発!ということになります。ところで過去シリーズを遊んだことがある方は、ここである事を考えませんか?

そう、冒険に連れて行くメンバー以外のサブのキャラクター達の事です。定番で言えば、迷宮で拾ったアイテムを鑑定する役のビショップ、そして迷宮内で不必要になったアイテムなどを持たせておく物持ち専用キャラなどですね。しかし本作では、こういったサブキャラ達を作ることは”全くの無意味”です。なぜなら、なんと本作では
一度迷宮に入ったメンバーは途中交代ができない んです。

本作では最初の迷宮(城)に入ったとたんに冒険者達は閉じ込められてしまい、城の外に出ることができなくなってしまいます。そのため城の外でのメンバーの交代ができないどころか、過去シリーズでは定番だった酒場、宿屋、取引所、寺院などの利用もできないのです。つまりHPやMPの回復は魔法か野宿で、アイテムの売買は迷宮内のNPCと行うしかないんですね。

じゃあ、しょっぱなからキャラが死んでしまったらどうするの?と思ってしまうところですが、本作では状態異常回復や蘇生のアイテムが序盤から手に入るうえ、冒険中も今まで似に比べれば頻繁にそういったアイテムを入手できるので、それで何とかすることになります(もちろん中盤~後半は魔法でも対応できる)。もっとも過去シリーズ同様、キャラが死んでしまうような戦闘を行った場合は”リセット”するのが定番なのですが。

キャラクターが交代できないのは私も当時驚きましたが、本作では後述する”転職”のハードルが過去シリーズよりも低くなったため、職業についてはあとから何とでもなるのでそれほど気になりませんでした。ただし、種族や性別は途中で変えられないので、それについてはキャラ作成時に十分考える必要がありましたね。

では長いこと時間がかかりましたが、ここからゲーム本編のシステム説明に入ります。

*ダンジョン

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本作はシステム面がかなり変更されていますが、それでもあくまで擬似3Dダンジョン探索RPGという路線は変わっていません。ただしグラフィック面は大きく変わりました。今までのダンジョンはワイヤーフレーム(白い線)のみで描かれていていましたが、それが一新され、地面も壁もちゃんと絵で表現されるようになり、ダンジョンに設置されたオブジェクト(扉や泉、宝箱など)も目視できるように変わっています(過去シリーズでも家庭用の一部の機種では、壁や扉の表現はあったが)。

また過去シリーズでは基本的に一つの地下迷宮や山中のダンジョンを舞台にしていたのに対して、本作では最初こそ城内から始まりますが、その後は鉱山やピラミッド、、巨大な川や森の中など次々と舞台が変わっていき、ダンジョンだけでなく野外を冒険することできるようになりました。ちなみにフィールドの広さも20x20などの決まった大きさではなくなっていますが、これは前作「V」の時点ですでに変更されていますね。

これらのダンジョンは見た目が変わっただけでなく、扉が開く、水面が揺れるなどのアニメーション演出が増えたり、ダンジョン内ではBGMではなくモンスターの鳴き声のようなものや、何かを引きずるような音が聞こえたりなど、冒険の臨場感の沸く演出も追加されていました。それは”進化”として良いのですが、当時本作を見た人のほとんどが”なんかあの作品に似てね?”と感じたのではないでしょうか?まあそれについては後で説明しましょう。

*扉と門

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さきほどダンジョン内の扉についてちょっと触れましたが、本作ではこの扉の存在についてもちょっと変更がされていました。過去シリーズでは扉には、鍵がかかっていない扉と、対応する”鍵”を持っていると通過できる鍵のかけられた扉の2種類がありましたね。これについては本作でも基本的には変わっていないのですが、鍵のかかっている扉の開け方がちょっと変わりました。

というのは鍵のかかっている扉に対して”対応する鍵で開ける”以外にも、3つの方法で開錠を試みられるようになったのです。その1つは”力づく”で無理矢理開ける方法、もう1つはスキル「指先技」で開ける方法です。力づくは試みるキャラの力強さで、指先技はスキルの値を基準にしてそれぞれ目押しみたいな判定を実行し、成功したら鍵は開きます。

しかしこの2つは失敗した場合、鍵が壊れてしまい扉が2度と開かなくなる事があります。そのときに役に立つのが、最後の1つ「KNOCK-KNOCK」という魔法で開ける方法です。魔法で開錠を試みた場合、MPは消費しますが仮に失敗しても鍵が壊れるということは無いので安全です。ちなみに扉の鍵には難易度が設定されており、この難易度によってそれぞれに求められる、力強さ、スキル値、魔法の威力が変わってきます。

また本作には、扉とは別に金属の柵で閉じられた”門”という存在も登場します。この門については、上記の3つの開錠方法は通用せず、その門に必要な鍵を持っていなければ開けることができませんでした。

*宝箱

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さて開錠の話が出たので、ついでに”宝箱”の話をしてしまいましょう。ウィザードリィといえば、やはり宝箱を開けるスリルと中身への期待感が欠かせないものでしたが、今回この宝箱の存在も仕様が若干変わっています。過去シリーズの宝箱は、部屋に入ったときに登場する敵を倒すと手に入るというものでしたが、これが変更されて宝箱は”決まった場所に置かれているもの”のみになりました。しかも一度開けたら二度と登場しないので、トレジャーハントの楽しみはかなり薄れてしまっています。

また宝箱にかけられた罠の解除方法ですが、これもちょっと変わっています。罠を調べてから罠を解除するという流れは一緒ですが、過去シリーズでは罠を調べると罠の名前が表示される(POISON NEEDLEとかTELEPORTERなど)ので、それをキーボードで入力して解除する。ただし表示される罠名が正しいかどうかが怪しいというものでした。

一方本作では、宝箱を調べると掛かっている罠の名前が分解され、1文字ずつバラバラに画面に表示されます。これを見て何の罠名なのかを判断し、罠の一覧から選択して罠を解除するという方法に変わっています。ところが解除者のスキル「指先技」の値と、罠の難易度によっては全部の文字が表示されないうえに、間違っている文字が表示される場合もあるのです。ちなみに緑文字は正しいものだが、赤文字は間違っているかもしれない文字です。

これについては例え指先技が最大の100であったとしても、全部の文字が表示されないことが殆どで、場合によっては緑文字が1~2文字しか表示されないなんてこともあるため、それだけで罠名を判断するのはそうとう苦労します。このときパーティーに魔法「DIVINE TRAP」を唱えられるものがいれば、罠解読の助けになりました。

これら扉や罠の解除方法についてはそれほど抵抗感はなかったのですが、宝箱でのトレジャーハントの楽しみが激減したのはやっぱり残念でしたね。そのかわり、お金さえ用意できればほとんどの武器防具がNPCから変えるようになったので、ある意味では楽になったともいえるのですが…。

*NPCの存在

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では先ほどNPCからの武器防具購入についての話が出たので、次は本作の”NPC(ノンプレイキャラクター)”の存在について話していきましょう。ダンジョン内でプレイヤーに情報や物を売ってくれるNPCの存在については、既に前作から追加されているので目新しさはありませんが、本作では町に戻るという事ができない為、物品の売買をしてくれるNPCの存在は過去シリーズ以上に重要なものとなっています。

NPCはダンジョン内の決まった場所に必ず出現し、プレイヤーと物品の売買や、金品の譲渡、情報交換などに応じてくれます。買取は一部の重要アイテム以外ならなんでも買い取ってくれますが、売っているものはそのNPCによって決まっており、決まっているものの中からランダムで店先に出してくれます。商品の中には、ゲーム進行上必須ではないものの、あると進行がスムーズになる特殊なアイテムなどもあるため品揃えのチェックは重要です。

ちなみに過去シリーズに馴染んだ人には信じられないでしょうが、本作ではあの伝説の剣「BLADE CUISINART」が一部のNPCから購入可能である(店売りかよ!と私も突っ込んでしまったw

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NPCの存在は単に売買のためだけのものではありません。本作を攻略する上で不可欠な”情報”の持ち主でもあるのです。NPCに対してコマンドから”話す”を実行すると画面が「会話モード」に変わり、キーボードからの文字入力が可能になりますので、そこでNPCから聞き出したい情報を入力し、それで得た情報をさらに入力して次の情報を聞き出すというように繰り返して情報を得ます。

本作は海外のゲームなだけあって、ゲーム進行のために解いていかなければいけない謎の難易度は高く、ノーヒントでクリアするのはかなり無理があります。従ってNPCからの情報収集は不可欠なものになるでしょう。またNPCと会話を進めていく中で、「●●を取ってきて欲しい」と頼まれる場合があり、それらの依頼達成により得られる報酬は、ゲーム進行上必須のものだったりするので、その意味でもNPCとの会話は重要なものとなります。

ちなみにですが、本作に登場する全てのNPCは戦闘で殺すことも可能です。ですが、NPCを殺して得られるものよりも、失うもののほうが大きい(情報や物品が得られなくなるなど)ので、正直お勧めはできませんね。

ただNPCの中には、向こうからこちらに質問を投げかけてきたり、合言葉に応えるように要求してくるものもおり、そこでの回答次第で強制戦闘になる場合もありました。まあそういうNPCについては、殺してしまってもゲームに影響が無いものの、めっちゃ強いのでできれば何らかの方法で戦闘は回避するのが得策かもしれません。

*重量

流れ的に次は戦闘システムについて話そうかと思ったのですが、長くなってきたのでそれは次回にまわして、今回は最後にアイテムの所持に関する話をしましょう。過去シリーズでは1キャラが持てるアイテム数は、装備品を含めて8個までと決められていましたが、本作では装備品を含めて10個+バッグの中に12個までと大幅に増えました。

しかしその代わりというわけではないのですが、持ち物についてはもう一つ制約がつきました。それがキャラクターが持つことができる”重量”の値です。本作からアイテム一つ一つには重量の設定がされ、キャラクターの力強さと生命力の値によって所持可能な重量が決められました。これにより所持アイテムの個数に関係なく、アイテムの総重量が所持可能重量の75%を越えると”ペナルティー”が課せられるように変更されたのです(回避力の低下やスタミナ消耗の上昇)。

幸いなことに、某アクションRPG3作目のように所持金にまで重量が設定されなかったものの、PC版については所持可能重量は”キャラクターメイキング時”の力強さと生命力の値によって決定し、以後キャラクターが成長しようとも決して変わらない。という謎仕様(バグ?)であったため、特に前衛職はキャラクターメイキング時に力強さと生命力をできるだけ最大値に(特に力強さは)しないと、後半の強い装備を身に着けただけで、所持可能重量ギリギリになってしまう貧弱キャラになってしまいます。

そうでなくても、ゲーム進行のためにやたらと重いアイテムを持ってうろつかされるというのに…。大岩とかw

といったところで今回はここまでにして、次回は戦闘システムの話から始めようと思います。
ではまた次回。





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