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発売年:1991年 ※IBM PC版は1990年
開発元:アスキー ※IBM PC版はSIR-TECH
ジャンル:ダンジョン探索型ロールプレイングゲーム
発売機種:PC-98、FM TOWNS、スーパーファミコン
※画像はすべてPC-98版のものです

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*概要

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「ウィザードリィ - Bane of the Cosmic Forge(以下:BCF)」は、1990年に「SIR-TECH」よりIBM PC用に発売されたダンジョン探索型ロールプレイングゲームで、正式タイトルにはナンバリングはされていませんが同社の「ウィザードリィ」シリーズの第6作品目にあたります。日本では1991年に「アスキー」より、PC-98版、FM-TOWNS版が発売され、1995年にはスーパーファミコン版も発売されました。

本作は「ウィザードリィ」というタイトルはついているものの、過去のシリーズとは様々な面で大きな変更がされており、それがウィザードリィファンの間に波紋を呼び、「受け入れられない派」と「受け入れられる派」の派閥を産み出しました(ちょっと大げさ)。変更内容についてはこのあと説明しますが、本作はタイトルに番号が振られていないことからも、過去シリーズから脱却した新シリーズの幕開け的な位置づけを狙ったものではないかと思われます。

この方向性の変更については概ね好評だったのか、その方向性を受け継いだシリーズ7作品目「ウィザードリィ - Crusaders of the Dark Savant」が1993年に発売され、少し間が空いて8作品目「ウィザードリィ8」が2001年に発売されました(ただ8でも随分仕様が変わった)。ちなみにこのシリーズ6~8作品目は、まとめて「ウィザードリィ新三部作」と呼ばれることもあります。

*最初に…

先ほど本作が日本で発売されたときに「受け入れられない派」と「受け入れられる派」ができたといいましたが、当時の私は間違いなく「受け入れられない派」でした。それまで#4以外は全てのシリーズに触れてきた私にとっては、恥ずかしい話ですが「こんなものは俺のウィザードリィじゃない!」という拒否感でこの作品を忌避し続けていたのです。

では本作は過去シリーズと何がどう変わったのか?私は何にそこまで拒否感を感じていたのか?
それによりこの作品を忌避していた事は正しかったのか?
これからゲームの説明をしつつ、振り返って行きたいと思います。

*ストーリー

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”この世には 知らねばならない ことがある”

120年ほど昔、ある城に邪悪な王とその后が住んでいた。王は侵略によって領土を広げ、その挙句自分と同じほど邪悪な魔法使いと手を組み、彼ら以外の邪悪なものたちを滅ぼす戦いを繰り広げた。そしてある異教の神を打ち倒したとき、命乞いする神の口から彼らは「それ」の存在を知った。

書いたことが現実になるという恐ろしい魔法のペン…コズミック・フォージ

二人はその魔法のペンを盗み出し、誰も想像すらできない恐怖を宇宙の中に織り込み始めた。しかしペンを手に入れてまもなく、二人はお互いの力を妬み始め、そしてもはや互いの力を必要としなくなると、彼らの運命とこの魔法のペンの行く末を決める最後の戦いを始めたのである。

それが知られていることの全てである。王のいた城にはそれ以来住むものもなく、王と王妃、魔法使い、そして魔法のペンがどうなったのかを知るものもいない。しかし今、汝らがここに来たことによって、全てが変わろうとしている…。

…ってリルガミン関係ない!! これまでウィザードリィシリーズでは、時代は変わっても作品の舞台は「リルガミンの街」とその周辺だったのですが、本作ではリルガミンの”リ”も出てきませんでした。やはりこれには抵抗感を覚えてしまいましたね。

*キャラクターメイキング①

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さてゲームが始まったら、プレイヤーはまず”キャラクターメイキング”を行い、冒険に連れて行くメンバーを作成します。これは#4を除く過去シリーズ全てに共通する内容です。ではここからキャラクターを作る手順を追いつつ変更内容に触れていきましょう。まずキャラクターの名前を入力すると、最初に”種族”を選びます。

選択できる種族については、過去シリーズから継続して人間、ドワーフ、エルフ、ホビット、ノームがおり、それに加えて新たにフェアリー、リザードマン、ドラコン、フェルプール、ラウルフ、ムークの6種族が追加されました。種族の違いは能力値の初期値以外にも、属性抵抗力が違う、一部装備に種族制限がある、あるいは特殊能力を持つ等の違いがありました。ちょっと説明すると、

フェアリー…妖精。小さいので最初から回避が高い(ACが低い)が、殆どの防具を身につけられない
リザードマン…強く、固く、速いという戦士向けだが、逆にそれ以外の職業にあまり向いていない。酸を無効化できる
ドラコン…竜+人間という容姿。戦闘中に酸のブレスを吐ける特殊能力を持つ
ムーク…毛むくじゃらな謎の人型生物。力も強く強靭で、かつ知力も高いが、若干動作が鈍い
フェルプール…猫+人間。基本能力が高く、上級職(特に侍)に向いている
ラウルフ…犬+人間。同じく基本能力が高いが、こちらはロードなどに向いている

次に”性別”を選びます。これは本作から新しく追加された項目で、男女で能力値の初期値が若干変わるだけでなく、一部性別による装備・職業制限も存在します。一方、本作では過去シリーズにあった善/中立/悪といった性格の項目がなくなっています。

種族と性別を選ぶと、ランダムでボーナスポイントが決定されます。過去シリーズでは、このポイントを能力値に自由に振り分けて、その後職業を選ぶという順番でしたが、本作では最初に能力値+ボーナスポイントでなることができる職業の中から1つを選び、余ったポイントのみを自由に振り分けられるというように変わっています(まあ順番が違うだけで実質は同じ)。

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その選ぶ事ができる職業ですが、過去シリーズからの継続で戦士、魔法使い、僧侶、盗賊、侍、ロード、ビショップ、忍者がいるほか、レンジャー、バード、錬金術師、超能力者、ヴァルキリー、モンクの6種が追加されました。簡単に説明すると、

レンジャー…弓、そして罠や仕掛けの察知能力に長けている。錬金術に属する魔法を覚える
バード…コストが必要ない楽器による戦闘補助が行える。魔術に属する魔法を覚える
錬金術師…錬金術の専門家。魔法を詠唱無しで使用できるので、沈黙魔法の影響を受けない
超能力者…精神術の専門家で、相手の心を読んだり、惑わせたりする魔法に長けている
ヴァルキリー…基本的にロードと同じだが女性しかなれない職業で、ロードよりも成長が早い
モンク…素手や棒で戦うのを得意とし、敵を一撃で倒す術や忍術にも精通している。超能力に属する魔法を覚える

しかしこのように職業がいっぱい増えても、種族と違ってそこまで職業ごとの違いを表現できないのでは?と考えてしまいますが、そこについては後述する”魔法”と”スキル”によって差別化がされていました。

次に残りのポイントを振り分ける能力値ですが、これも継続の力強さ、知力、信仰、生命力、器用さのほか、新たに速さ、魅力の2項目が増えました。速さについては、これまで手先の器用さも行動の素早さも一つの項目で表現していたのを分けた感じですね。魅力はNPCとの会話などに影響します。一方で過去シリーズにあった”運”は能力値から削除され、代わりにカルマという能力値が増えました(ただしカルマはポイントを振り分けるのではなく、ランダムで値が決まる)。

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ちなみに性別で女性を選んでいると、種族の基本能力値の力強さが-2されてしまいますが、その代わり女性は魅力が+1され、カルマで若干高ポイントが出やすくなります。戦闘面ではやや女性に不利な感じがしますが、女性専用のヴァルキリーがかなり優良職で、また女性にしか装備できない強い防具もあるため、トータルでは女性のほうが優遇されている感じです。

ポイントを振り分け終わると、次に”スタミナ”と”体力”が決定されます。体力は過去シリーズのままですが、スタミナは本作から追加された項目です。スタミナはゲーム中に行う様々な行動により徐々に減少していき、0になると昏睡状態となり戦闘不能になってしまいます。減少したスタミナは”休憩”することで回復させることが可能です。

さて、ここで一旦区切りましょう。ここまでの段階で既にかなりの仕様変更が行われていたわけですが、個人的にここまでのキャラメイクの内容に関してのみ言えば、正直それほど抵抗感はありませんでした。というか種族や職業の追加は、もっと早くにあっても良かったと思っていたくらいですし。ただそうなるとこれまでの世界観とズレが生じてしまうのでしょうけれどね。

*キャラクターメイキング②

それでは引き続きキャラクターメイキングを追いかけていきましょう。というか過去シリーズのキャラクターメイキングなら、既にこの段階で1キャラ作り終わっているところなのですが、ここからです、ここからが本作において過去シリーズから劇的に変わった部分が登場します。次に行うのは”肖像”の選択です。なんと本作では、いままで無かった”キャラクターの顔グラフィック”が選択できるようになったのです。できるようになったのですが…

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え、何これ…(ドン引き

実は選べる顔のほとんどが致命的に可愛くない(かっこよくない)ものばかりだったんです。どれもこれも海外ゲーム特有のスーパーバタ臭い顔ばかりで、これには思わず苦笑いでしたね。ちなみにスーパーファミコン版は、移植時にグラフィック面が日本人向けに大きくリファインされており、顔グラフィックも可愛い(かっこいい)ものに変更されていました。

こんな顔グラじゃゲームする気にならないよ!という人のため…かは定かではありませんが、本作にはなんと”顔グラを自分で作成できるツール”が付属されていましたね。まあ私は絵心がなかったので、活用できませんでしたがw

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さて、キャラクターの肖像を選んだら、次は”スキル”を決定します。過去シリーズでは、プレイヤーの行動の判定はキャラクターの能力値やレベルで決定していましたが、本作では判定がこのスキルの値に大きく依存するようになりました。これにより、このスキルの存在は、本作攻略において非常に重要な存在となっています。

ここでは事前にランダムで与えられるスキルポイントを、プレイヤーが自由に振り分けたいスキルに配分します。スキルには武器での近接戦闘に影響する”武器”、罠解除や楽器演奏、スリや忍術などに影響する”運動”、アイテムの使用や、怪物の識別、魔法の取得などに影響する”学術”と大きく3つの分野があり、それぞれの分野になんのスキルがあるかは選んだ職業によって変わります(例えば魔法が使えない職業は、魔法に関するスキルは取得できない)。

このスキルには、該当する行動をすることで自動的に上昇していくものと、キャラメイク時とレベルアップ時に与えられるポイントを振り分けなければ上昇しないものがあり、特に学術スキルの魔術、錬金術、神学、精神学は自動的には上昇せず、しかも高いほどそれぞれに属する上位の呪文を覚えることができるので、魔法系キャラは何よりも率先して振り分ける必要がありました。

一方で武器関連のスキルは武器を装備して攻撃を繰り返せば、その武器が該当するスキルが自動的に上昇していくのでスキルポイントを消費して優先的に上げる必要は無い(というかまわす余裕も無い)のですが、スキル値が命中に大きく影響するため、スキル値の低い序盤は”近接攻撃が当たらない”という状態を招き、これが本作の序盤の難易度を大きく引き上げてしまいました。

またこのスキルの存在によって、本作の職業は差別化が図られており、例えば侍はクリティカルヒットの確率を上げる「キリジュツ」というスキルを固有で持っています。しかし、キリジュツは忍者とモンクも持っているスキルで、しかもモンクは回避率が上がる「忍術」、さらに忍者は「忍術」と罠外しの「指先技」という便利な固有スキルも持っています。

これだと一見、侍が他よりも劣っているようにも思えるのですが、毎回レベルアップ時に取得できるスキルポイントはそれほど多くないので、固有スキルの少ない侍は早い段階でキリジュツの専門家になれますが、忍者やモンクは他のスキルにもポイントを振り分けていかないと役に立たないので、その分キャラクターの完成は遅れるわけです。

さて、本作で新しく追加されたこの”スキル”の存在は、本作が過去シリーズから大きく変わった部分の代表格といえたでしょう。しかし個人的には抵抗感こそ抱かなかったものの(前作のVにも”水泳”というスキル的なパラメータがありましたし)、正直「とっつき難くてよくわからない」という感覚はありましたね。

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スキルを決め終わった後、レベル1の状態で魔法が使える職業のキャラは最初に覚える魔法を”選択”できます。過去シリーズでは、最初(及びレベルアップ時)に魔法職が覚える魔法はランダムで決まりましたが、本作ではすべて自分で選択できるようになりました。この仕様については変更というか、寧ろ”改良”とも言える点ですね。覚えたいものを優先的に覚えられるのですから。

しかし、この魔法についてこそが私が本作に対し、強烈な拒否感を覚えたところでもありました。まあそこは置いといて、説明を続けましょう。過去シリーズでの魔法は、大きく魔法使い系と僧侶系に分かれており、さらに魔法とMP(使用回数)が魔法レベル別に分かれていて、術者のレベルが2上がるごとに1レベル上の魔法を覚えていくようなスタイルでした。

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本作ではこの辺が大きく変わっていて、まず魔法は大きく魔法使い系、僧侶系、錬金術師系、超能力者系の4つの系列に別れており(別系列で同じ魔法もある)、そしてさらにそれぞれが火、水、気、地、心、魔という6つの分類に分かれています。そしてMPは魔法レベル毎ではなく、この6つの分類ごとに使用回数ではな数値で持っており、魔法毎に設定されたコストをMPから消費して使用するというよくあるRPGのスタイルに変更されていました。

また本作ではレベルが上がっただけでは上位の魔法は覚えられなくなっています。先ほどスキルのところで説明したように、それぞれの系列に該当する学術スキル(魔法使いなら魔術、僧侶なら神学)を上昇させない限り、いつまで経っても上位の魔法は覚えられないのです。これにより、例えばビショップは過去シリーズではレベルさえ上がれば勝手に魔法使い、僧侶、両方の魔法を覚えていきましたが、本作では魔術と神学両方のスキルを上げていかないと意味の無いキャラになってしまいます。

しかも、これは全魔法職に共通なんですがレベルアップ時に覚えることができる魔法はたった1つだけという酷い制限がある為、ビショップの場合、覚える魔法も魔法使い系と僧侶系から厳選しなければならず、普通にプレイしていたのではどうしても中途半端なキャラになってしまいがちで、先ほどの忍者同様に完成までには長い時間がかかりました。

と、ここまで書いたところでは、確かに大きく変わってはいるけれど、そんなに抵抗感を覚えるってほどじゃないんじゃ?と思うかもしれません。ですが実は、魔法にはまだ書いていない非常に大きな変更点があったのです。そしてそれこそが、もっとも私が本作に対して抵抗感を覚えたところであったといっても差し支えない点だったのです。

それは…、っとかなり長くなってしまったので今回はここまでにしておきましょう。
では、次回に続きます。





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