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発売年:1987年
開発元:ポニーキャニオン
ジャンル:フィールド探索型ロールプレイングゲーム
発売機種:PC-88、FM-7、X1、PC-98、MSX2、X68000、FM TOWNS
※画像はすべてPC-98版のものです

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*概要

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「ウルティマIV Quest of Avatar」は、1985年に「オリジンシステム」からApple ][用として発売されたフィールド探索型のロールプレイングゲームで、世界三大RPGの一つに挙げられる「ウルティマ」シリーズの4作目にあたる作品です。日本では1987年に「ポニーキャニオン」より移植版が様々な機種で発売されました。1989年にはファミコンにも移植されていますが、システム面で差異が多く見られるので今回の紹介には含んでいません。

本作は”勇者となって魔王を倒す”というのがまだRPGのデフォルトであった時代に、ゲームクリアの為の目的が”聖者(アバタール)になる事”というあまりに特殊なものだったのが多くのプレイヤーを驚かせ(混乱させ?)たと思います。しかし、ゲームの見た目はこれまでのRPGとなんら変わらなかったため、普通のRPGだと思っていざ遊んでみたら「何じゃこりゃぁ!」となった人もいたのではないでしょうか?(私がそうでしたw

本作はゲームの目的も独特でしたが、ゲームクリアに至る過程が”かなり面倒臭くて気を使う”ものであったため、私は当時少し遊んで、それでもう投げてしまった記憶があります。では一体何がそんなに”面倒臭い”ものだったのか、ゲームシステムを紹介しつつ振り返ってみたいと思います。

*ストーリー

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本作は、前作にあたる「ウルティマIII Exodus」の後の話となっています。
異世界から召喚された勇者によって、「ソーサリア大陸」を襲った「大災厄エクソダス」は退けられた。その後大きな被害を受けたソーサリア大陸は、「ブリタニア大陸」と名を改め「ロード・ブリティッシュ」によって統治されていたが、ロード・ブリティッシュは災厄が大陸を襲ったのは人々の心に”徳”が欠けているからではないかと考え、徳の実践者として人々を導く存在”アバタール”となれるであろう人物を異世界より召喚することを決めた。

1人で旅をしていた主人公(プレイヤー)は、気持ちのいい木陰で少し休憩をしていた。すると、向こうに見える円形に並べられた石柱の中心から、光り輝く門のようなものがせり上がって来るのが見えた。光の門はしばらくすると地面に消えていったが、門があった場所には、聖なる印”アンク”と2冊の本が残されていたのである。

アンクを拾い、落ちていた本を木陰で読んでいた主人公の耳に、妙に聞きなれたリュートの音が聞こえてくる。その音が聞こえてきた丘に向かってみると、丘の向こうではなりやら祭のようなものが開催されていた。主人公は音に誘われるまま祭の会場に行き、楽しげな雰囲気の会場を音楽のするほうに抜けていくと、森の中にジプシーのワゴンをみつけた。

音楽は、そのワゴンの中から流れているようであった。

*キャラクターメイク

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本作はゲームを始めるとまず主人公の名前と性別を選んだ後にオープニングが流れて、その後キャラクターメイキングが始まります。キャラクターメイキングは、他のRPGのように種族を選んだり、ボーナスポイントを振り分けて職業を決めたりするわけではありません。本作のキャラクターメイキングは、森の中のワゴンの中にいた占い師によるカード占いで行われるのです。

占い師はプレイヤーの前に8種類のカードの中から2枚を出してきます。この8種類のカードはそれぞれ誠実、慈悲、名誉、献身、正義、勇敢、崇高な心、謙譲という8つの”徳”を意味するもので、この8つの徳は本作の基本であり、かつ”ほとんど全て”と言っても過言ではないほど重要な要素となります。

占い師はこの出された2枚のカードが現す徳のうち、あなたにとってどちらがより大事か?ということを例題を出して聞いてくるので、プレイヤーは自分が大事にしているものを選び答えます。これを7回繰り返し、プレイヤーが最も大事にしている徳に対応した職業でプレイヤーはゲームを始めることになります(”正義”ならドルイド僧、”名誉”なら騎士というように)。

まあこの辺は珍しいやり方ですが、全然面倒くさくはないですね。
余談ですが、名作シミュレーションRPG「伝説のオウガバトル」のゲーム開始シーンで、本作のこのキャラクターメイキングを思い出した古参ゲーマーもいたのではないでしょうか?まああっちはタロットカードですが。

*世界と街(あとコマンド)

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キャラクターメイクが終わったらいよいよゲーム開始です。本作では決定した職業により、ゲームのスタート地点(決められた町の近く)が変わるのですが、職業によっては周りが海しかない島から始まるという場合もあります。本作のフィールドは上空からの見下ろし型になっており、テンキーの8/2/4/6キーでキャラクターを東西南北に進ませることができます。

フィールド上には町や城が存在しており、そこに入ることで画面が町や城の内部に切り替ります。城や町もフィールドと同じ上空からの見下ろし型になっています。まあこの辺は平たく言えば初期(I~VIあたりまで)の”ドラゴンクエスト”タイプと言えば解りやすいでしょうね(正確にはドラクエが、このウルティマシリーズの影響をうけているのですが)。

本作のフィールド画面の大きな特徴としては、”視点”という概念がありプレイヤーのいる位置から遮蔽物(森や山、町の壁など)の向こう側は画面に表示されなくなっています。これにより上空からの見下ろし視点であっても、森の中では周囲1マスしか見えなかったり、山に囲まれているエリアは何があるのか全く見えなくなったりします。

さて、一般的なRPGの場合、冒険中にキャンプを張ったり、町で人に話しかけたり、物を探したり、ステータスを見るなどの行為を実行するときには、何かキーを押して”コマンド一覧”を開き、そこから行動を選ぶというのが基本だと思うのですが、本作にはそういった機能が備わっていません。では移動以外の行動はどうやって行うのでしょうか?

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本作での移動以外の行動は、なんと全てキーボードのキーに割り当てられているのです。例えば人に話しかけるにはキーボードの”T”、足元を探すには”S”、ステータスを見るには”Z”、剣を装備するなら”R”(防具は”W”)といった感じです。さらにフィールド上で街や城、階段などと重なってもそれだけでは移動できません。町に入るには”E”、階段を登るには”K”(降りるには”D”)を押さないと駄目なのです。

このように本作ではありとあらゆる行動がキーボードのアルファベットに対応しています。大抵は行動を意味する英単語の頭文字、町に入るなら”E)nter”というようになっているので解りやすいのですが、中には若干無理矢理なもの(武器装備が”R)eady a weapon”など)もあるため、しっかり覚えておかないといざというときに何を押せばいいのか解らなくて焦ることが多々あります。

なるほどこの辺のコマンドは確かに覚えるのが面倒臭いです。しかし、急ぎで使うコマンドは少ないのですぐ覚えられますし、急がないものは手元にマニュアルを置いておけばすぐにわかるので、それほど困らないんですよね。それに他の事でも、やっぱり手元のマニュアルが必要になりますからね。

*会話のやりとり

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さて一般的なRPGでは、ゲームを進めていくためにも”情報収集”というものは不可欠ですよね。本作でもそこは同じで、情報無しでゲームをクリアする事なんか不可能です。そしてその情報は町や城の人々から聞くこと、つまり「会話」で得られるというのも他のRPGと同じです。しかし本作は、この会話についても一ひねりがありました。

会話は話したい相手の隣で”T”キーを押すことで話しかけることができます。一般的なRPGでは人に話しかけると、その相手がこちらに一方的に情報を話してくれることが殆どですよね?しかし本作では話しかけると「なにを聞きますか?」とメッセージが出て”文字入力モード”に切り替るんです。そう、なんと本作での会話は、まるで昔のアドベンチャーゲームのように”文字入力”で行うというかなり珍しいものだったんですね。

とはいえ本当のAVGにように「キク ナマエ」などと、動詞+名詞の形で行う必要はありません。ここで入力するのは主に名詞(というかキーワード)だけで、例えば相手の名前を聞きたいなら”なまえ”、仕事を聞きたいなら”しごと”と入力すればOKです。そうすれば相手はそれに応じた回答をしてくれます。しかし、いざ会話してみるとある事に引っかかるんです。それは、

何を聞けばいいのか解らない!ということでしょう。

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最初はこちらも手がかりが無しの状態ですから、何を聞けばいいのかちんぷんかんぷんです。なので取り合えずは相手の仕事などを聞いて見ます。するとある人物からは「マジンシアから流れてきた」という話が聞けます。そしたら今度は”マジンシア”というワードについて聞いて見ます。すると「あそこは誇りが高すぎる」と答えるので、次には”誇り”について聞いてみる。というように、相手の返してくる言葉の中に含まれる気になるワードを見つけて、それを数珠繋ぎに聞いていくわけです。

もちろん全てのワードについて反応があるわけではありませんが、反応があったワードは必ず情報と共にメモしておいたほうがいいでしょう。なぜならそのワードは他の人物との会話でも役に立つことがあるからです。例えばその人から直接情報は聞けなくても、その代わりに「○○の町にいる、△△に話を聞いてみな」という情報が聞ける場合もあり、その人物に会ってそのワードについて聞くと、かなり重要な情報を教えてくれたりします。

また話しかけたときに、「君はどう思う?」とか「あなたは○○ですか?」というように逆に質問される場合もあります。これについては”はい/いいえ”で回答するのですが、その回答により得られる情報が変わったりします。まあ普通のRPGなら、それなら”はい”で回答して、その後でもう一度話しかけて”いいえ”で回答すればいいだろうと考えるところなのですが、本作では実はこれが巨大な落とし穴だったりするのです。(それについては後述

さてこの会話については、いままでの中ではかなり面倒臭い要素と言えるでしょう。しかし、人と会話してキーワードを拾い集めて、他の人にもそのキーワードを試してみる、というのはこの時代のAVGに慣れ親しんでいるプレイヤーにとってはそれほど苦ではないんですよね。むしろこれが楽しかったりもするんですよ。

では何がいったいそれほど面倒臭くて気を使うのか…。
とりあえず長くなったので、続きはまた次回ということで。




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