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発売年:1989年
開発元:クリスタルソフト
ジャンル:ファンタジーロールプレイングゲーム
発売機種:PC-88、PC-98、MSX2、MSXなど
※指定の無い画像はすべてPC-88版です

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*概要
「クリムゾンII」は、1989年に「夢幻の心臓」「ファンタジアン」で有名な「クリスタルソフト」から発売されたファンタジーロールプレイングゲームで、1987年に同社から発売された「クリムゾン」の続編にあたり(ストーリーも繋がっている)、また翌年には本作の続編となる「クリムゾンIII」も発売された、「夢幻の心臓」シリーズと並ぶクリスタルソフトの看板タイトルの1つです。

本作の最大の特徴はそれまでのRPGとは違う「ゲームのスタートの仕方」で、それは一般的な主人公視点で冒険を進めていくタイプではなく、後に主人公の仲間となるメンバーそれぞれの視点のシナリオからスタートし、最後に主人公がそのメンバーたちと合流していくという斬新なものでした。

誤解の無いように先に説明しておくと、同様のシステムを採用したファミコンの「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」は1990年の発売で、本作はその前年1989年の発売なので「ドラクエのパクリ」ではありません。

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*前作「クリムゾン」とのつながり
「ノーポリ」という村の村長は、ある日見た不吉な流れ星から邪悪なるものの復活を感じ取り、同じ村にいる一人の若者を呼び出した。彼は父親からある不思議な玉(宝珠)を譲り受けており、村長はその宝珠を持つものは、同じように宝珠をもった勇者たちと協力して邪悪なるものに立ち向かわねばならないのだと若者に説明する。若者(プレイヤー)はその使命を受け入れ、自分以外に宝珠をもつ4人の勇者たちを探す旅にでるのであった。というのが導入部分のストーリーです。

本作の物語は、前作にて勇者(プレイヤー)とその仲間であるイザベラ、アーノルドが協力して「クリムゾン」を倒してから50年後の世界が舞台となっており、そのためストーリーに登場する勇者の証となる「宝珠」が前作で主人公たちが集めたものであったり、ゲーム進行中に前作に登場したイザベラとアーノルドが老人となって登場したりする繋がりがあります(同じ名前のモンスターもいる)。

ただし前作をプレイしていないと話の意味が解らない、内容が楽しめないというようなことはなく、本作単体だけでも問題なく楽しめるような作品にはなっていました。ちなみに今回のこの記事については、前作と比較しての変更点、改善点を説明する場合がありますので、よろしければ前作の記事「クリムゾン」を一読していただけるといいかもしれません。

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*フィールドは大きく見やすく、そして広く
本作のフィールド画面は、前作と同じくフィールド見下ろし型(ウルティマやドラクエ)を採用していますが、前作が非常に狭い画面でフィールドマップを表示していたのに対して本作では画面の半分以上を使用してフィールドマップを表示しているので非常に見やすく、しかもワールドマップは前作よりもかなり広くなっていました。

フィールドマップ上にある施設(町や神殿、ダンジョンなど)に接触すると、マップがその施設内のものに切り替ります。町や施設のマップも前作に比べて広くなっていましたが、正直あまり広くなったことのメリットは無かったかもしれません(広いのにNPCの数は前作とあまり変わってなかったり)。とはいえ、当時は意味も無く広いだけでも進化を感じましたけどねw

ちなみにダンジョンに入ったときのマップ表示は同社の「夢幻の心臓II」に近い仕様になっていて、プレイヤーの位置から見える範囲のみ表示されるという手法を採用していました(ただし夢幻IIのように扇状の視界表示ではない)。
またちょっと個人的に残念だったのがフィールドマップ上で施設に接触したときで、前作ではその施設の一枚絵と説明文が表示されて雰囲気を盛り上げていたのですが、本作ではそれがなくなっていましたね。

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*「超」改善された戦闘シーン
フィールドマップやダンジョン内を移動しているとランダムエンカウントで敵に遭遇し、戦闘シーンへと移行します(ちなみに前作ではフィールドマップ上では敵に遭遇しなかった)。本作について前作からの改善点を語るのであれば、なによりもこの戦闘シーンについて語らなければいけないでしょう。

敵に遭遇すると、フィールド画面に重なるように遭遇したモンスターのグラフィックが表示され、画面の右下にモンスターのアイコンで遭遇した数が表示されます。1つの戦闘で遭遇するモンスターの種類は1種類のみ、最大で7体出現します。戦闘の仕方については前作と一緒で、変わったところはグラフィックが大きくなった(枠からもはみ出してる)事と、モンスターの数を表すアイコンの絵が遭遇したモンスターにあったものになっている(前作はどのモンスターでもアイコンは一緒)事でしょうか?

え?そんな事が最大の改善点なのかって?いえいえ違うんですよ。本作の最大の改善点、それは…
攻撃が当たる様になったことですw

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こんなこと書くと前作知らない人は「前作ってどんな作品なんだよ?!」って思うかもしれませんが、でもそう言いたくなってしまうくらい前作は戦闘で攻撃が当たらなかったんです。10回攻撃して1回当たるかどうかというレベルで、戦闘でのダメージソースは比較的当たりやすい魔法に頼らざるを得ない状況でした。まあそこについては「クリムゾン」の紹介記事でブチ切れてますんでそちらを読んでみてください。

しかし本作ではそれがなくなって、普通に攻撃が当たるようになりました。前作をプレイした人にとってはもうこれだけで最大の改善がされたと思うでしょう。さらに前作のイライラポイントであった「エンカウント率の高さ」も改善されてマイルドになっています。素晴らしい!と賞賛したいところですが、
これが普通なんだよね。前作が異常すぎただけでw
ただダメージが安定しない(一撃で倒せるようになった敵相手でも、ダメージ1がよく出る)というのは改善されてなかったのは残念ですがね(これはもうクリスタルソフトのお家芸?)。

余談ですが登場するモンスターで「とうめいじゅう(透明獣?)」というのがいるんですが、これがその名の通り遭遇しても画面に何も表示されないんですよw 「これ手抜きか?」と思ったら、攻撃を与えると一瞬だけ姿が見えるっていうちょっと凝ったモンスターでした。

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*キャラクター毎のシナリオ
では本作の最大の特徴である「各キャラクター毎のシナリオ」について話しましょう。
それまでのRPGでは、冒険前に「キャラクターメイキング」でパーティーメンバーを複数人作成してパーティーを組んだ状態で冒険するものや、最初は主人公のみでスタートし、ストーリーの途中で仲間が合流していくというものが主流でした。しかし本作では、後に主人公と仲間になる4人の勇者それぞれが、どういう経緯で主人公と出会うのかという部分を、プレイヤーに各キャラクターを操作させることで表現しています。

ちなみに近いコンセプトの作品に、同年リバーヒルソフトから発売された「BURAI上巻」がありますが、発売年月で比較すると「クリムゾンII」のほうが先になります。発売順で行くとクリムゾンII>BURAI上巻>ドラゴンクエストIVの順番ですかね。

ゲームを始めるとき、プレイヤーは自分のキャラクターに名前をつけるのですが、そのキャラクターが登場するのは随分と先の話になり、最初はゴーバスという戦士の物語からゲームが始まり、ゴーバスがその中である目的を達すると、つぎはリーマという僧侶、続いてマーロンという魔法使い(見習い)、女戦士のナターシャとシナリオが切り替っていき、その後やっと主人公が登場するシナリオが始まるというような流れになっていました。

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*試みは良かったんだけど
このような各キャラクター毎にシナリオをクリアして行き、やがて主人公と遭遇して仲間になっていくという展開は非常に燃える要素ではあるのですが、本作の場合その肝心な各キャラクター毎のシナリオが「雑」であったのが非常に残念でした。

一言で言ってしまうと個々のシナリオに「ドラマが無い」のです。彼はこういうバックストーリーがあり、こういう苦しい出来事を乗り越えて、やがて運命の戦いに合流する…。というものでなく、最初にこれこれこうだから○○に向かってくれ、と誰かしらに言われ途中ちょっとした本筋とは関係ないイベントを経由して目的の場所に辿り着けばそれで終わりです。シナリオ自体が短く、しかも途中でキャラクターを支えてくれるぶっちゃけホイミンみたいな仲間も登場しません。常に一人旅です(だから非戦闘職はキツイ)。

そういう点で言えば、同年の「BURAI上巻」と比較すると遥かに劣るのでしょうね。仲間になるここのキャラクターの「キャラクター像」というものも、まったくと言っていいほどシナリオ上で表現されていないため正直なんのためにシナリオを別々に用意したのかを疑問に思うほどです。

とはいえ、前作に比べれば様々な意味で遥かに、本当に遥かに「遊びやすくなった」そして「ボリュームが増した」という点では、その進化に大きく賞賛を送りたいところではあります。内容が無いような話もしましたが、言い換えればわかり易く深く考えないでも気楽に楽しめる作品ではあるのですから。

あ、付け足したように言うのもなんですが、BGMはなかなかに良質なもおが揃っていましたね。
個人的には主人公のシナリオ開始時のフィールドBGMがかっこよくて好きでした。

*追記
日本には昔からこういった”宿命を受けたものたちが終結する”というシチュエーションの作品は存在しており(「南総里見八犬伝」など)、また発売順であれば確かに、クリムゾンII>BURAI上巻>ドラゴンクエストIVの順ではあるが、発売時期にそれほど大きな差が無く、制作・企画の期間を逆算した場合どの作品が最初であったかは定かではない。
つまりどの作品が、どの作品をパクッたというのは一概に言えないのである。


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