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発売年:1987年(SVは1989年)
開発元:T&Eソフト
ジャンル:ファンタジーアクションロールプレイングゲーム
発売機種:PC-88、PC-98(SVのみ)、X1、MSX、MSX2など
※画像はタイトル画面以外、すべてPC-98版(SV)のものです

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*概要
「ハイドライド3」は、1987年に「ハイドライドシリーズ」、「スターアーサー伝説」などでお馴染みの「T&E SOFT」から発売されたファンタジーアクションRPGで、ハイドライドシリーズの3作目にあたります。
初代「ハイドライド」のシステムを継承し追加要素を加えた「ハイドライドII」に対して、本作は大幅なシステム変更を行っており、特に戦闘が今までの"体当たり方式"ではなく、攻撃の際にボタンを押して"武器を当てる"というアクション性の強い方式を取り入れたり、後述する"時間"や"重さ"の概念を取り入れたことでも話題となりました。

また本作発売の二年後1989年には、本作のシステムはそのままに追加要素を加えた「ハイドライド3SV(スペシャルバージョン)」が発売されています。

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*ストーリー
エビルクリスタルが砕けちってからというもの怪物に襲われることもなくなり、「フェアリーランド」の人々は平和な暮らしを続けることができるようになっていました。人々は街を広げて繁栄して行きましたが、一方でかつては共存していたはずの妖精たちの姿は見えなくなっていきました。

そんなある夜、地響きとともに巨大な火柱が立ち昇り、翌日になるとフェアリーランドに人を遠くに飛ばしてしまう謎の扉が出現し、さらには巨大な地割れや今までは起きなかったような天変地異が起こるようになったのです。

事態を重く見たフェアリーランドの修道僧たちは、この原因究明の為に一人の若者を冒険の旅に出しました。
(マニュアル記載のストーリーを短く編集したものです)

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*キャラクターメイキング
本作はゲーム開始時にキャラクターを作る必要があります。キャラクターメイキングについて言えば、初代「ハイドライド」には存在せず、「II」ではLIFE/STR/MAGICの3つのパラメーターに30ポイントを振り分けるというというものでしたが、本作では体力/腕力/魔力/精神力/魅力/攻撃値/防御値/機敏さ/器用さ/教養/幸運と一気に11個に増えました。
これらのパラメーターは4つの職業(戦士/盗賊/修道士/僧侶)によって基本値が決まっており、プレイヤーが職業を決定すると、基本値にランダム値が加えられて表示されます。

パラメーターは様々なことに影響しますが、特に腕力はこのゲームにおいてかなり重要な"重量"に影響を与えるため、この値の初期値が低い僧侶をゲーム初心者が選ぶとかなり苦戦することになります。

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*戦闘
さてキャラクターを作ったらいよいよプレイ開始なのですが、本作は開始して暫くの間は 生き残ることが容易ではない事で有名なゲームでもあります。その理由が何点かあるので、それについてシステムの説明も兼ねて話していこうかと思います。と、その前に戦闘システムの事について書いておきましょう。

まずキャラクターの攻撃方法は近接武器と遠隔武器の2種類あります。魔法も存在しますがすべて補助魔法で、攻撃魔法はありません。
近接武器はリーチが短いので敵から攻撃を受ける可能性も高いですが、その分キャラクターの攻撃力が武器ダメージに上乗せされるので威力は高いです。一方遠隔武器はリーチが長いので一方的に敵にダメージを与えることもできますが、キャラクターの攻撃力の影響を受けないので一撃一撃は弱いです。
他の特性としては、遠隔武器に弾数制限がないので一度武器を買ってしまえば何発でも撃つことができ、近接武器は壁に密着して使用すると壁の向こうの敵に当てることが可能です。

普通のRPGであれば「両方用意して状況に応じて…」なんてできそうですが本作ではそうも行きません。後述する"重量"が関わってくるからです。

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*生き残るために1(セーブ)
さてこのゲームの初心者が陥りやすい問題の一つが"事故死"の多さがあります。まず本作はハイドライドシリーズ伝統の画面切り替えスクロール(キャラクターが画面の端に行くとスクロールして次の画面が出る)方式を取っています。この方式の問題点は次の画面の状況がわからないため、画面が切り替わったら目の前に敵がいた!なんて事が頻繁に起こることです。またこちらが遠距離攻撃できるように、敵にも遠距離攻撃を使ってくるタイプがいます。ゲーム開始直後のエリアにいる「食人樹」というのがそれです。こいつが画面が切り替わった時や 街から出た時に近くにいると、遠距離攻撃をバカスカ食らって何が起こったかわからないまま死んでしまうことも多々あるのです。

まあこれは前作までもあった事で、こういう事態を避けるためには「こまめにセーブ」するのがセオリーなんです…が!
本作では今までのようにフィールド上どこでもセーブできるわけではなく、セーブは街にある宿屋に泊まった時にしか出来ません。しかも、ゲームスタート時所持金は$1,000なのに、宿屋は
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1泊$1,000というぼったくりホテルなんです!いや、馬小屋でいいんだよ?(無いけど
これではとても気軽に泊まることなどできない、つまり容易にセーブも出来ないということ。なんと本作は世にも珍しい、ゲーム開始早々宿代を稼がないといけないゲームなんです。しかも事故死が多いうえに、フィールド上で動かないでいても体力が回復しない、最初の頃に倒せるモンスターは1匹倒しても$15か$30しか貰えないというのだからこれはキツイ。
(ちなみにSVでは開始時所持金が$2000に増えている)

なら死なないように慎重に行動し、できるだけ宿屋は利用しないように頑張る?
ところがそうも行かないんですね…。

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*生き残るために2(時間)
本作には「時間」という概念が存在しました。これまでのRPGでもフィールドを歩くごとに日数が経過していくというものはありましたが、本作の場合何もしないで突っ立っているだけでもどんどん時間は過ぎていき、朝>夕>夜>朝とフィールドが時間に合わせて変化していきます。
夜になると街の施設が宿屋と教会以外閉まってしまうほか、フィールド上の敵が軒並み強くなってしまうので大変危険です。日中であれば何発殴られてもダメージを受けないような雑魚がとんでもなく重い一撃を撃ってくるようになりますので、できる限り夜は外にいないほうが得策です。
※時間の概念のあるRPGといえばドラクエIIIが有名だが、ドラクエIIIは本作の翌年1988年の発売

まあこのくらいなら特に問題の無い話で、実はここからが厄介な話になります。
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本作では毎日13:00と19:00に食事をしなければならず、もし時間を過ぎても食事をしなかった場合"空腹"状態になり、徐々に体力が減少しはじめ、それでも対処しなければやがて"餓死"します(食事は食料を持っていれば自動で食べる)。
また食事をしていたとしても、夜になっても宿屋に泊まらずに徹夜をしてしまうと、今度は能力値がガタ落ちになりまともな戦闘ができなくなってしまいます。つまりこのゲームの中でまともに生きていくには、 日に2度の食事と宿屋での睡眠が必須になるのです(ちなみに夕食は食べなくても宿屋に泊まると食べたことになる)。

宿屋はともかく、食事だったら「夢幻の心臓II」みたいに事前に大量に買い込んでおけばいいのでは?
ところが、それもまたそう簡単にはいかないんですねえ…。

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*生き残るために3(重量)
本作には「重量」という概念がありました。はっきりいってこれが本作においてはラスボスよりも強敵だったといっても過言ではない、それくらいやっかいな問題でした。
ゲームをプレイしていると急に足が遅くなったり、武器屋で新しい武器防具を買ったら、店のそとで一歩も動けなくなった。なんて事態を本作をプレイしたことがある人なら誰でも体験したことがあると思います。これらはすべて
重量オーバーが原因なのです。
このゲームの中でキャラクターが持つ事ができるすべてのものには"重量"が決められています。それは武器防具だけでなく、治療薬、食料、そして所持金にまで重量があるんです。
そしてその時のキャラクターの腕力によって"持てる重量"というものが決められ、その限界値にアイテムの総重量が近くなるとまず移動スピードが落ち、限界を超えると一歩も動けなくなります。

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まず重量の1/3弱は武器防具で占められ、前に話したようにセーブが容易にできないことを考えれば回復薬を多く持たなければいけませんからさらに重くなります。加えて所持金にも重量があり、$1000硬貨、$100硬貨、$10硬貨がそれぞれ同じ重さなんですが、例えば敵を倒して$10手に入れるのを10回繰り返せば$100ですよね?しかし所持金が例え$100でも自動的に$100硬貨になってくれるわけではなく、あくまで$10硬貨10枚分の重さのままなんです。これがレベル上げとかしてると地味に重量に響いてきて、気がつくと足が遅くなっちゃったりするんです。
お金の重量問題を解決するにはより大きい硬貨に"両替"すればいいんですが、それができるのは店で何かかった時か、"両替機"というアイテムを拾って使うしかないんですよね(しかも両替機がまた重いっていうねw)。

強敵がわんさかいるフィールドで動きが鈍くなったり、動けなくなったりというのは致命的なので、常に重量には余裕を持って行動しないといけない。だから近距離と遠距離両方の武器を持ち歩くなんて無理だし、食料を買い込んでおくなんてことも無理なんです。
しかも一部の敵からは倒すと稀に"つけもの石"っていう激重なアイテムを拾ってしまうことがあって、敵を倒した瞬間に動けなくなるっていうとんでもない罠があったりしました(意地が悪いねw)。

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*長くなったので
本作は私が所持していたX1(twin)で最後に遊んでクリアまでいけたゲームで、非常に思い入れもあり本当はもっとこのゲームについては語りたいことが多いのですが、かなり長くなってしまったので、今度本作のプレイ記事を書くことがあれば、その時にもっと語りたいと思います。

さて、ここまでの説明でだけでも「かなり難儀なシステムのゲーム」だという事は伝わったのではないでしょうか?もしかしたら「こんな面倒くさいシステムのゲームなんてやりたくねーなw」とか、「なにこれクソゲーなんじゃね?ww」とか思ってしまった人もいるかも知れません。しかし実際にプレイしてクリアもした私には断言できます、
このゲームは十分名作だと。
確かにシステムはやっかいですが、決してシステムが破綻しているわけではなく、コツさえ掴めば乗り越えられるものばかりです。それに今ではそういう考えなんて無くなってきましたが、この頃ゲームという存在は
製作者からの挑戦状みたいなものでした。製作者達がまるで「お前らにこのゲームがクリアできるのかい?」と言っているかのようなものが多く、プレイヤーたちもその挑戦にガチで挑むという姿勢の人が多かった。だからこそゲームをクリアした人がまわりの友人から賞賛されるとか、クリアして表示されたパスワードを送ると"認定証"が貰えるなんて企画が通用したんです。

バグとか手抜きの結果、プレイヤーがやり辛くなるシステムのゲームならクソゲー呼ばわりもやむなしですが、本作のこれらの要素は"がっつり作りこまれた制約"と言うべきで、プレイヤーの挑戦心を煽る要素だったんです。私自身もこのシステムに苦戦し、辛酸を嘗めさせられましたが、それだけにクリアした時の達成感もひとしおで、初めて本作のエンディングを見た時の真夜中の状況を今でも覚えているくらいですw
プレイヤーにクリアしてもらうことが前提のゲームを悪いとは言いませんし否定もしませんが、そればっかりではやっぱり物足りないわけで、こういったプレイヤーの挑戦心をくすぐる制約のあるゲームもあって欲しいと私は思います。


そんなわけでかなり長くなりましたが、みなさんはこのゲーム好きでしたか?
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