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発売年:1987年
開発元:クリスタルソフト
ジャンル:ファンタジーRPG
発売機種:PC-88、X1、MSX2など


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◆基本情報
「クリムゾン」は1987年に「リザード」や「夢幻の心臓」などで有名な「クリスタルソフト」から発売されたファンタジーRPGです。
本作は後に2作続編が作られていて、”夢幻の心臓シリーズ”とともにクリスタルソフトの看板ゲームとなりました。

詳しくは後述しますが、本作は明らかに某エニッ○スの代表的RPGである「ドラ○ンクエ○ト」を意識して作られたものらしく、非常に類似した部分が多い作品として有名でもありました。

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◆ストーリー
これは遥か未来の話。
かつて地上を支配していた人類の文明はほとんどが消滅し、地上に栄えた都市も今や朽ち果てた廃墟と化していました。
そして今、魔王”クリムゾン”は恐ろしいモンスター達を操り、この世界を暴力で支配していたのです。

自分の父親は”クリムゾン”の軍団に挑み殺された。
病床の母親からそう聞かされた主人公は、父親の遺志をついで魔王”クリムゾン”を倒す旅に出掛けるのでした。

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◆システム
本作は、町中で情報収集をしながら新たな装備を購入し、モンスターと戦いレベルを上げ、様々な障害を乗り越えて、最終的に世界を支配する”魔王”を退治する。という非常に極々定番の王道RPGとなっています。
システム面においても、基本的には某ドラク○をイメージしてもらえば問題ないでしょう。
そういう意味では、当時のパソコンRPGとしては非常に遊びやすいシステムでした。

しかし普通のRPGとはちょっと違う部分もあります。それは、
”ワールドマップ”移動中は敵に遭遇しないという事です。
大抵こういったド○クエ風のRPGというのは、町を出てワールドマップを移動していると敵に遭遇し戦闘、というのが定番ですが、本作ではワールドマップ移動中は一切敵に遭遇しません。
なので町から町へ、町から洞窟へなどの移動や、逆に洞窟などから町に戻る際は非常に快適です。

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じゃあどうやって敵と戦うの?という点については、ワールドマップ上に町と同じような施設(遺跡、城、洞窟など)がいくつも存在しており、その中に入ると通常のRPGと同じように歩いているとランダムで敵と遭遇します。
ちなみにこういった施設に入ると、画像のような簡素ですがヴィジュアルシーンが挿入されていました。
(簡素なんて言っちゃいましたが、こういう表現は地味に珍しかった)

こういった施設がレベル上げに使用する、言わば”狩場”というものになる訳ですが、こういった施設に入らずにどんどん先に進めるんじゃないか?というとそういう訳にもいかないようになっており、施設を抜けて行かないと行けないような場所がもいくつかあるのです。
例えば一部の川にかかっている”橋”や、道を塞いでいる”沼地”などもこういった施設のひとつで、そこに入ってMAPの反対側まで抜けないと先に進めないようになっていました。

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本作ではゲームを始めるとまず主人公一人での旅となりますが、旅の途中で主人公は”イザベラ”と”アーノルド”という人物と出遭い、最大3人パーティでの冒険となります。
この2人の人物についても、1人は魔法に秀でた女性であったり、1人はどこぞの王子であったり、会いに行くと既に旅に出てしまっていて会えなかったり、自分の城が魔物に襲われてしまったりと、どこぞの「ドラク○」の2作目にそっくりなシチュエーションが多く見られます。
さすがに1人が動物になってたりはしませんが、”真実の姿を映し出す鏡”というアイテムはあったりしますw

とはいえ某作品のように各キャラクターにはっきりとした性能の違いがある訳では無く、若干HPやMPが高いかとか、パラメーターの値がちょっと違うと言うだけで、全員全ての武器防具を装備できるし、全ての魔法も使用可能です。
この辺は面白みはありませんが性能差に悩む事も無いと言う事で、良し悪しといったところでしょうか?

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◆戦闘システム
施設などで敵に遭遇すると戦闘シーンに移行します。
1度の戦闘で登場する敵の種類は1種類のみで、最大7体まで登場します。
戦闘は完全なターン制で、まず主人公パーティ側からの攻撃となり、素早さなどに関係なく主人公、イザベラ、アーノルドの順に攻撃します(ただし先制攻撃を受ける場合もある)。

戦闘コマンドは戦う/防御/道具のみで”魔法”というコマンドは存在しません。実はこのゲームでは通常のRPGのようにレベルが上がると魔法を覚えるというシステムが無く、魔法はすべて店で購入する”道具”扱いです。
道具といっても”毒消し”などの消耗品扱いではなく、何度使っても壊れませんが、キャラクターが持てる道具のスペースを1個使います。
ちなみに各キャラクターが持てる道具の数は、武器防具込みで10個までなので魔法も厳選しないといけません(まあ厳選するほど種類ないんですけどねw)。

そこ以外については、概ね○ラクエと一緒です。

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さてこのゲームの戦闘については、最大かつ最低の特徴が存在します。それは、
泣きたくなるくらいこちらの攻撃が当たらないというものです。
ゲームが始まって最低レベルの敵と戦闘になっても、まーーーーーー当たらない!!バグなの?って疑いたくなるくらい当たらない。壁パンチしたくなるくらい当たらない。
最初はレベルが低いからなのか?と思っていましたが、レベルが上がってもかなりの高確率で攻撃ミスります。
自分より上の強さの敵に対しては、ほぼ99%攻撃が当たらないと言ってもいいでしょう。

そしてそれに加えて難儀な事に、
恐ろしいくらいにダメージが安定しません!
ある敵に対して攻撃がヒットしたら最大で100位のダメージが与えられるような状態になっても、平気で”ダメージ4”とか出ます。
やっとの思いで攻撃が当たってもダメージ1桁とか鬼か!?

攻撃は当たらない、ダメージは安定しないでは戦略のたてようがありません。
日本ファルコムの「ダイナソア」というRPGは、異常なまでのエンカウント率でユーザーの不評を買いました。
私もそれに泣かされましたが、この作品の戦闘に比べたらダイナソアは”天国”です。

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しかし一応の救済措置(?)は存在していました。
それが先述した”魔法”です。実は魔法は通常攻撃に比べたらかなり命中率が高いんです。
この作品がとても好きというある知人に話を聞いてみたところ、
「基本的には魔法で戦う」
ということらしいです。なるほど。

中盤から全体魔法が購入できるようになるのですが、それを使うようになったら見違えるように戦闘が楽になります。
きっと深夜の通販番組で流れてる”商品を購入した方の感想”みたいな驚きがあるでしょうw
戦闘が楽になるとレベルのすぐ上がるようになるし、同時に所持金も増えやすくなります。ですからこのゲームの攻略法としては「武器より優先で強い魔法を買う」という事でしょうね。

とはいえMPには限りがあるわけで、MP回復の道具もありませんから、そこがまた難題なんですけどね。

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◆クリムゾンとドラクエ(あ、言っちゃったw
さて、今回何度も記事の中にエニックスの「ドラゴンクエスト」の名前が出てきました。
クリムゾンを制作したクリスタルソフトとドラゴンクエストには、ちょっとした”因縁”のようなものがあります。

というのも古いパソコンゲーマーなら大抵知っている事かと思いますが、ファミリーコンピューターにて「ドラゴンクエスト(1986年)」が発売された時、パソコンゲーマーの間では「あのゲームは”夢幻の心臓(1984年)”のパクリだ」という話が広がりました(当時”パクリ”って言葉は無かったですけどね)。
もちろん夢幻の心臓も、有名なパソコンゲーム「ウルティマ」のフィールド画面と「ウィザードリィ」の戦闘画面を合わせたようなコンセプトで作っていますから、ある意味ではパクリのようなものではあるのですがね。

ドラクエは後発で夢幻の心臓と同じウルティマ+ウィザードリィという画面構成になっていたり、ワールドマップや、一部の謎の類似が見られたりしたため、特にそのような話が広がったようです。
しかしドラクエを作った堀井氏は”夢幻の心臓”を参考にしたなどとは言いませんでした。もともとパソコンゲームからスタートして、ウルティマとウィザードリィのファンだったと言うような人が、夢幻の心臓を知らないわけがないと思うんですけどね。
ちなみに後にハドソンから「桃太郎伝説」というRPGを出した「さくまあきら」氏は、夢幻の心臓をゲームデザインの参考にしたと語っていました。

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そして1987年にエニックスが「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」という作品を発売した同年、クリスタルソフトはこの「クリムゾン」という作品を発売しました。
もうどういう事か解りますよね?つまり、極端な言い方をするとドラクエに夢幻の心臓をパクられたクリスタルソフトが、今度はドラクエIIをパクったクリムゾンを作った。つまり”意趣返し”という事のようです。

システムやパーティ構成だけでなく、ゲームクリアの為に”玉”(あっちでは紋章)を集めたり、伝説の4つの武器防具があったり、ダメージ床がまんまだったりと色々似ています。
クリスタルソフトとしては、もしかしらたら「お前らが先にパクっといて、パクんなよ!なんて言わせねーよ?」なんて気持ちだったのかもしれません。まあ子供っぽい仕返しといえばそれまでですけどね。

念のために言って置きますと、私は別にドラクエや堀井氏を非難する気もありません。似たような話はゲームの歴史を見ていればいくつもありますしね。
重要なのはコンセプトを似せたとしても、より良い作品が作れたかどうかであって、非難されるべきはパクっておきながら、パクリ元よりも酷い出来の作品を作る事でしょうから。
そういう意味で言うと、クリムゾンはドラクエ真似たにしては…残念ながらアラが多すぎると言わざるをえません。

でもこれはこれで面白いんですけどねw
そしてこれを踏まえて、続編がどう改良されているかが楽しみなところでもあります。



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