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発売年:1989年
開発元:日本ファルコム
ジャンル:ファンタジーA・RPG
発売機種:PC-88、PC-98、MSX2、X68000など


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-アクションゲーム性を強くしたイース-
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「ワンダラーズ フロム イース」は1989年に日本ファルコムより発売されたARPGで、「イースⅡ」の続編であり、「イースシリーズ」の3作目となる。
現在一般に呼ばれている「イースⅢ」というタイトルは、発売当初は副題であり正式タイトルでは無く、後に他機種に移植される際に正式タイトルとなったものであるが、ここでは便宜上「イースⅢ」で統一する。

「イースⅢ」は最初にPC88版・PC98版が発売され、後にMSX2、X68000に移植された。家庭用ゲーム機では、PCエンジン、ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、メガドライブ、プレイステーション2など多くの機種に移植されている。
ちなみにWindows版「イース -フェルガナの誓い-」はイースⅢのリメイク版であるが、システムが違う為ここには含まない。

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■ストーリー
イースの国を災いから救ったアドルは、その冒険で知り合った元盗賊の「ドギ」と旅に出ていた。
旅の途中で出遭った商人の一団から、ドギの故郷である「フェルガナ地方」で異常現象や疫病などの災いが起こっている事を知ったアドルとドギはフェルガナ地方へ向かう。
そしてドギの故郷「レドモンドの町」へと着いたアドルを待っていたのは…。

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■システム
イースⅢはシステム面において、前作の「イース」「イースⅡ」から大きな変更が加えられた。
主な変更点は以下の3点である。
1)画面が上から見下ろすハーフトップビューから、横から見るサイドビューになった。
2)敵への攻撃の際に、ボタンを押して剣で攻撃する事が必要になった。
3)操作アクションの中にジャンプが加わった。
※これ以外にイースⅡからの変更点として魔法が使えなくなった(替わりにリングがMP制になった)

これら以外の点については、概ね前作までのシステムを継承している。

変更点を見てもらえば解るように、「剣で斬る」「ジャンプ」が加わる事によって、前作までと比べて本作は非常にアクション性が上がったといえる。また攻撃についても、方向キーやジャンプとの組み合わせで、ジャンプ斬り、しゃがみ斬り、下突き、上付きなど某ドラゴン●スター的なアクションが可能になった。
※ただし「カブト割り」は無い

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サイドビューになった事で「高低差」という概念が加わり、自分が立っている位置と敵の位置によって「普通に攻撃しても当たらない」という状態ができる為、前述したジャンプ斬りやしゃがみ斬りなどを状況に応じて使い分ける事が必要になったが、逆にその地形による高低差を上手く利用して、こちらが一方的に攻撃するという戦法も可能である。

またサイドビューになった事で背景の「奥行き」表現が可能になり、その美しい「多重スクロール」表現は当時話題ともなった。

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■低い評価?
イースⅢは前作までとは全く違うアクション性、どちらかというと「アクションRPG」というよりは「ドラゴンバスター」や「悪魔城ドラキュラ」のような純粋な「アクションゲーム」に近いアクション性を求めた作品だったのではないだろうか?
そして、それはパソコンゲームとしては成功していたと思う。
これまで他社から発売されてきた「アクションゲーム」というジャンルのパソコンゲームと比べたら、イースⅢのアクションゲームとしての完成度は非常に高く、操作性、滑らかな動き、遊びやすさ、どれも段違いである。
(本当にこの技術を、日本なんとかやなんとかチームに分けて欲しいくらい)

なのに発売当時、イースⅢの評価はそれほど高くなかったように思う。何故なのだろうか?
考えられる理由としては、
1)アクション性が強調されているが、アーケードやファミコンと比べたらやはり見劣りしてしまう
2)難易度が低い
3)前作の評価が高すぎた為、続編への期待が大きかった分評価が下がってしまった
あたりであろうか。

1については、やはり画面のスクロールやアドルのジャンプ、敵の動きがぎこちない等の問題だと思われる。以前「スタートレーダー」の話でもしたが、これはパソコンの性能上どうしようもない話で、むしろアクションに特化したアーケードやファミコンと比べられるだけ「凄い」という事でもあると思う。
※ちなみにスタートレーダーは本作と同じ1989年発売。

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2についてだが、「ボスが弱い」という評価が多かったと思われる。イースシリーズの「華」といえば熱いボス戦なのだが、そのボスが比較的ゴリ押しで倒せてしまう事が多く、さらにボス戦の途中でも回復アイテムが使用でき、ストーリーの進行上何度も町に戻るので回復アイテムも簡単に購入できてしまう、この為難易度が低いと評価されていた。ちなみにパソコン版では「難易度設定」というのが3段階で設定でき、それによりダメージを受けた後の無敵時間が変わるのだが、それを踏まえてもイースⅠ・Ⅱをクリアして来た猛者たちにとっては簡単に感じたのかもしれない。
またストーリーを進めないといけないステージが殆どの為、プレイヤーが自分で「次やるべき事」を考えられないという自由度の低さも指摘されていた(スタートレーダーでも同じような問題があった)。

そして3であるが、やはり「イース」「イースⅡ」と強烈なインパクトと完成度を持った作品の続編だっただけに、ユーザーの期待はとてつもなく高かったように思う。私もかなり期待してパソコン雑誌の記事を読み漁っていた記憶がある。
それだけに、このゲーム単体で見れば十分な完成度なのだが「うーん、この程度?」となってしまったのではないだろうか。さらに前作までと大きくシステムを変更してしまった為に、その戸惑いが拒否反応に変わり、低い評価につながってしまったのではないかとも考えられる。

余談だが日本では「従来のシステムを変える」という事に拒否反応を示す場合が多い。海外で制作された「ウィザードリィシリーズ」のシステムは日本でも長く愛されてきたが、6作目の「ベイン オブ ザ コズミックフォージ」にてシステムを当時流行りのタイプにガラッと変えてしまった為、日本人プレイヤーが拒否反応を起こしてあまり浸透せず、旧システムを使用した日本オリジナル作品が作られ続けたという事例もあるくらいだ。

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しかしなぜ「イースⅢ」はまだ3作目だと言うのに、大きくシステムを変更してしまったのだろうか?
どうやらもともと企画段階では「イース」ではない別作品として予定されていたのだが、会社側がイースシリーズの続投を決めた為に、その作品を急遽イースシリーズに変更させてしまったらしく、そのせいで今までと全然違うイースが産まれてしまったようである。
※その時のいざこざが原因なのかイースⅠ~Ⅲに関わったメインスタッフは、Ⅲの発売直後にファルコムを辞めている。

確かに会社としては「イース」「イースⅡ」と売れた以上、その続編を出して売上の安定を狙いたいのも解るし、ユーザーも続編を求めているのが事実だ。しかし何故イースは良作だったのか、なぜイースの続編でなければいけないのか?そこを理解せずに、全然違う質のゲームにただネームバリューとして「イース」という”銘”をつけるのでは、ユーザーも戸惑ってしまうし、期待を裏切ってしまい、低評価につながる事になるのではないだろうか?

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しかしもしこの作品が「イースシリーズ」でなかったら、果たしてこれほど家庭用ゲーム機に移植されたり、リメイクされたりしたであろうか?
イースという”銘”があればこそ得た高い知名度と、イースという”銘”を持ったがゆえに得た低い評価。なんとも難しい問題である。


私個人としては、確かに拒否反応を示していたものの、それほど低い評価では無かったと記憶しているが、みなさんは当時この作品にどういう評価をつけていましたか?


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