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発売年:1986年
開発元:工画堂スタジオ
ジャンル:フィールド探索型RPG
発売機種:PC-88、FM-7、X1、MSX、ファミコン、セガマークⅢなど

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blog_kanrinin
いきなりじゃが、お主らはゲームを遊んで"衝撃"を受けたことはあるかの?作品の素晴らしさに衝撃を受けることもあれば、「なん…だと…?」と目を疑ってしまうような衝撃もあるじゃろう。良い意味にしろ悪い意味にしろ"インパクト"のある作品というのは、長く人々の記憶に残るものじゃ。

今回紹介する作品は、どちらかと言えばその「なん…だと…?」と思わず疑ってしまう方のインパクトがあった作品なのじゃが…この作品を作った会社はこの当時そういう妙なインパクトをもった作品が多かった印象じゃのう。まあ、お陰で非常に記憶にも残っておるわけじゃが。

では入るがよい、勇者の塔  FLOOR 01 じゃ!

「覇邪の封印」とは?
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「覇邪の封印」は、「サイキックソルジャー」などで有名な「工画堂スタジオ」が1986年に発売したフィールド探索型RPGで、プレイヤーは「バァンドゥラの通路」の封印が解かれたことにより「聖アルカス公国」に攻め込んできた異次元からの邪悪な軍勢に立ち向かうため、国の長老達に選ばれた勇者となり、バァンドゥラの通路を再び封印する為の「覇邪の封印」を探す旅に出る。

本作は分類的には「ウルティマ」シリーズのような"見下ろし視点のフィールド探索型RPG"になるのだが、そのフィールド画面表示が非常に特徴的で、見るものを驚かせ戸惑わせるに十分なインパクトを持っていたことで、当時話題となった作品てある。

その点以外にも本作にはプレイヤーにインパクトを与える要素が多く存在するため、今回はそこを中心にこの作品を紹介していきたいと思う。

一寸先が闇
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まず本作をプレイしようとした人が最初に驚くと思われるのがフィールドマップの表示であろう。いや下手をすると「フィールドマップはどこ?」と思ってしまうかもしれない。それもその筈、本作のフィールドマップは画面左下にある"たった1マスの表示"だけだからだ。そう、このゲームのフィールドマップは"現在自分のいる位置"しか見えないのである。そんなゲームがかつてあっただろうか?いや無い(反語

これでは一歩先がなんなのか、どんな地形なのかが皆目解らない。まさに一寸先は闇状態である。もちろん移動すればそこが何なのかは解るのだが、間違って山岳部や砂漠に踏み込んでしまえば到底勝てないような強敵にボコボコにされ、川や海に落ちてしまえば、どこかも解らないところまで流されてしまう(しかもダメージを受ける)のだ。

プレイヤーは何よりもまず、この状態からの脱出を考えなければいけない。開幕から波乱万丈である。そしてこの状態を脱出するには、町に売っているフィールド表示が3x3になる「遠めがね」、あるいは表示が5x5になる「千里の玉」というアイテムを購入しなければならないのだが、これが1万G(ゴールド)、3万Gと非常に高いのだ。

というか、いくらなんでも目の前に山があるか海があるか、それくらい踏み込む前に気付けよ主人公!とも思うのだが…。

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このフィールド表示問題についてだが、実は解決策がもう一つ存在する。それは、ゲーム購入時にパッケージに同梱されている"布製のワールドマップ"を使用することだ。
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このワールドマップには、ゲーム内に登場する城や町の場所、山岳部や砂漠、川や海の位置までもが正確に記されており、しかもマップに表示されている縦横の罫線はゲームでの主人公の1歩単位と等しくなっているため、このマップに目印を置いて周囲を確認しながらゲーム内で移動すれば、1マスしか見えない状況でも安全に冒険が出来るのだ。

ちなみに本作のパッケージにはこの布製のマップと一緒に、主人公の姿をかたどったメタルフィギュアも同梱されており、これを布製マップ上での目印として使用することも出来た。

勇者であろうと"金"の為なら…
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本作でのゲーム開始時の所持金は、なんと9千Gという一般的なRPGに比べたら破格の準備金となっている。しかも最初から剣と鎧もちゃんと持っているので装備への初期投資も必要なく、これならばすぐに遠めがねも買えるのでは?と思ってしまうのだがそれは甘い。なぜならこのゲームはとにかくお金がかかるため、おいそれと高い買い物はできないのだ。

ところで、普通RPGではお金を稼ぐにはどうするだろうか?それは当然ながら「モンスターと戦闘して稼ぐ」のが一般的であろう。ところが本作ではそうは行かない。なぜならゲーム開始当初は、モンスターを倒してもお金が手に入らないからだ。正確にはある城で「ライセンス」を発行してもらうと、それ以降モンスターから"牙"が取れるようになり、その牙を換金してお金を稼ぐことができるようになる。

しかし最初からいきなりライセンス取得はできないし、さらに本作では戦闘すればHPが減るだけでなく剣と鎧、盾の"耐久値"も減少してしまうので、これらを回復するのにもお金がかかってしまう。しかも回復費用は定額ではなく、1HP、1耐久値回復につきいくらなので非常に高くつくのだ(ちなみに装備は耐久0になると壊れる)。

戦闘すれば色々消耗するのに、モンスターを倒してもお金が得られない。だから最初の所持金も簡単に買い物に使えないのである。しかしこのままではジリ貧になっていくだけ、ではどうすれば良いのか?
その解決方法は人間を襲うことである。

本作ではフィールド上でモンスター以外にも人間と遭遇することがある。人間には主に旅人や商人、山賊などがいて、それらを倒すことで直接お金を得ることができるのだ。世界を救うために旅立った勇者が、その直後から城の周りで人間狩りをする。そんなことが許されるのだろうか?

当然それは許されることではなく、本作には「ザナドゥ」などで善のモンスターを倒した際に影響する「カルマ」と同じようなパラメータ「知名度」というものがあり、旅人や商人を倒してしまうと知名度がガンガン下がってしまうのだが、盗賊と商人でも「悪徳商人」だけは倒すと逆に知名度がアップする。

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特に悪徳商人は倒したとき得られるお金が高額なので、見つけ次第"始末"したいところである。

仲間との合流
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本作では、最初プレイヤーの分身である主人公たった一人で旅立つのだが、この世界のどこかには主人公と共に戦うことを運命付けられた3人の仲間が存在し、その仲間達を探し出すのもゲームの目的の一つとなっている。さて、普通のRPGでは仲間とは出来るだけ早く合流したほうが得。そうは思わないだろうか?

それは当然である。なぜなら仲間が増えることは、すなわち戦力の上昇に繋がるからだ。
しかし本作においては、一概にそうとは言えないのだ。その理由は本作の戦闘システムに関係している。

フィールド上で敵に遭遇すると戦闘シーンに移行するが、登場する敵の頭数は最初から最後(ラスボス)まで1頭のみで、複数体、複数種類が同時に現れることは無い。戦闘はターン制なのだがこれが特殊で、普通RPGでは仲間がいる場合そのターンに行う全員の行動を設定できるものだが、本作ではそのターンで"誰が攻撃するか"しか選択できない。そして選択するとそのキャラが攻撃を仕掛け、同時に敵の反撃も受けて帰ってくるのである。

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つまり仲間が何人いても、ターン毎の戦闘は常に1対1のタイマン勝負なのだ。これでは仲間が増えたところで戦力アップには繋がらない。強いて言うなら、1人では途中で負けてしまうような相手とでも、仲間と交互に攻撃すれはいつかは勝てるという意味では、戦力アップしたと言えるのだが…。

さらに仲間との合流が早いほうが良いとはいえない理由に、本作の以下の仕様が関係してくる。
1)本作での経験値は、戦闘中に攻撃したキャラクターのみに攻撃した回数に応じて入る
2)仲間を見つけて合流すると、その仲間のレベルは主人公のその時のレベルと同じになる

この2つの仕様を合わせて考えると、あまり早いうちに仲間と合流すると仲間の分も経験値を稼がなければいけないが、主人公のレベルを最大にしてから合流すればその手間は無くなる。という結論になる、結果主人公1人の長旅になってしまうが、前記の理由で言えば仲間がいたところで戦力は上昇しないのだから、ほとんど支障は無いといえるだろう。

仲間を見つけるのが後になるほど楽になるとは、驚くべき仕様のRPGである。

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※MSX版「覇邪の封印」が遊べるCD-ROMが付いてます

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blog_kanrinin
さて、どうじゃったかの?
今回は驚愕の理由を3つに絞って紹介してみたのじゃが、それ以外にも主人公達を差し置いてパッケージ絵のど真ん前で惜しげもなくユーザーに裸体をさらすラスボス「テラリン」の存在や、常に主人公の傍にいて冒険をアシストしてくれる「聖戦士ダンバイン」の「チャム」のような可愛い妖精が、主人公が戦闘に負けると
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「シンジャッタ、ワリトヤクタタズ…」

というゲーム史に残る恐ろしい暴言を吐くなど、驚愕の点がまだまだある作品なんじゃよ。

RPGとしての本作は、古いRPGならではの癖はあるものの仕様そのものはシンプルなので、今回の3つの事を理解していて、あとはそれなりの忍耐力があればクリアまで問題なくいけるじゃろう。ちなみに本作のファミコン版とマークIII版の移植作品については、ゲーム開始直後から視界が広くなっておるため難易度もやや下がっておる。あとPC版にはBGMもないので、そういう意味でも今から遊ぶのじゃったらそっちがおススメじゃな。 

ああ、そうじゃ。勘違いして欲しくは無いんじゃが今回挙げた3つの特徴は、
あくまで "驚愕した点" であって、"駄目な点" では無いということじゃ。
じゃから、これを理由に本作を「ク●ゲー」呼ばわりするつもりは毛頭ない。なによりこれらの点は、解ってしまえばユーザーが対応できるものばかりじゃからな。あと、メイン画面が巻物の上に描かれたようになっておって、画面が切り替ると一度巻物が巻かれて閉じ、また開かれるという演出、わしは凄く好きじゃぞ?

それにしても「コズミックソルジャー」「サイキックウォー」、そして本作「覇邪の封印」と、この当時の工画堂スタジオの作品はフィールド(ダンジョン)画面に特徴がありすぎじゃな。表示速度的な問題で、あえてそういう仕様にしているのかもしれんが、表示小さすぎじゃ!


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