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今回はゲームの《後語り編》。
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今回は最後の《後語り編》じゃ。もしまだ前回の《戦争編》を読んでおらんという者は、下のリンクからまず《戦争編》を読んでほしい



目次.

後のシリーズへの転換機
Windows95の登場
黄巾の乱シナリオ
成長要素の表面化
最後に
関連作品



後のシリーズへの転換機.

今回は三國志Vの最後として、本作に関する紹介というよりも自分が本作について思っていることについてつらつらと語っていこうと思うのだが、本作は後に続く三國志シリーズにとって結構大きな転換期を迎えた作品だったのではないかと個人的には思っている。

なので、これからその転換期と思える要素を3つほど語っていこう。


Windows95の登場.
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本作は1995年にPC98にて発売されたが、1995年といえばある社会現象が起きた年でもある。それがWindows95というOSの登場だった。Windows95はMS-DOSと一体化した完全なOSであり、規格を満たしていればメーカー、機種を問わずどんなパソコンでも動き(PC/AT互換機)、ソフトウェアなどの資産やデータもWindowsに対応したものであればこれもメーカー、機種を問わずどんなパソコンでも活用することができたのである。

またWindows95はコンシューマー向けを意識した使いやすいGUIや、当時普及し始めていたインターネットへの接続が容易であることなどから、家庭でインターネットを使用する目的などでパソコンごと購入しようと考える一般の人が増え、さらに海外メーカーの安価なPC/AT互換機が流通するようになっていたことも相まって、Windows95とPC/AT互換機のシェアは爆発的に広がった

Windows95発売時のメディアのお祭り騒ぎはわしも結構覚えておるのう。秋葉原でイベントとかニュースでも取り上げられておったしな

これまでのパソコンは、メーカー、機種それぞれの規格や機能があってそこを売りにしており、ソフトウェアもそれぞれに対応したものしか使えず、その状況でメーカーが競い合ってシェアを奪いあっていたのだが、このWindows95とPC/AT互換機の普及によりそれが全く無意味になってしまったのだ。これまでのPC98だ、FM TOWNSだなんだと言っていた日本でのパソコンハード戦争は、NECが最後まで抗いはしたものの結局誰も勝ち残れず、ここに国産パソコンの1つの歴史が幕を閉じたのである

で、長々と話してきたがこれが三國志Vとどう関係するのかというと、このWindows95の普及と国産パソコンの終焉により、この三國志Vが国産パソコン版での最後の三國志となり、次回作の三國志VIからはパソコン用は全てWindows版になってしまうのだ。つまり三國志シリーズも時代の流れにより、ここに一つの転換期を迎えたというわけである。

このブログは基本的にPC88やら98やらX68000といった国産PCで発売されていたゲームをメインで紹介しておる場所じゃから、Windows専用となった三國志VI以降については紹介できんのう…


黄巾の乱シナリオ.
ひとつめは本作の話と直接は関係なかったので、今度はゲームに関するお話を。

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三國志シリーズでは、ゲームを始める前に数本用意されているシナリオの中から1つを選んでゲームを始めるのがお決まりであり、選んだシナリオによってゲームスタートの年、選べる君主、武将の所属勢力、在野武将の登場タイミングなどが変わった。そしてシナリオの1番目は189年に董卓が漢王朝を牛耳り、それに反発した諸侯が「反董卓連合」を結成する時代から始まるのもまたお決まりであった。

それに対し、本作で用意されているシナリオの1番目は184年、太平道教祖張角による黄巾の乱が始まった時代から始まるのである。これにより5作品目にしてついに三国志のスタートとも言える黄巾の乱がゲーム中で表現されたことになり、以後のシリーズ作品でも1番目のシナリオは黄巾の乱がお決まりとなった。ここも三國志シリーズの1つの転換期といえるだろう。

しかし今更ながら、これまで黄巾の乱シナリオ無かったというのも意外じゃったのうw

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このシナリオでは、もちろんプレイヤーが張角となって黄巾の乱を指揮する事も可能であるが、当時の大将軍であった何進となってあの曹操や袁紹を配下として指揮する事も可能であり、これは非常に新鮮であった。しかしゲームに限らず大抵の三国志作品といえばまずは黄巾の乱から、というのが定番なのになぜ今までの三國志シリーズには黄巾の乱シナリオがなかったのだろうか?

個人的にその理由の1つは「特殊能力」のシステムがまだ無かったからだと思っている。三国志演義の黄巾の乱といえば張角三兄弟が天候を操ったり妖術を使ったりするのがお馴染みだが、三國志IIIまでは特殊能力的なものはゲームになかったためこれが表現できなかった。妖術や天変などの特殊能力はIVで登場したわけだが、ではなぜIVの段階で黄巾の乱シナリオは登場しなかったのだろうか?

それについての個人的な意見は、この後の話と関係するのでそちらで触れる事にしよう。


成長要素の表面化.
最後は、本作のシステムにおける転換期について話そうと思う。

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過去作でも特定のコマンドを実行することで能力値を上昇させられたり、隠しパラメータに経験値の値があったりと一種の成長要素のようなものはあったのだが、本作はそれが明確に表面化した作品であったと思う。その代表が経験値、勇名、そして陣形である。

経験値は上げることで未解放の特殊能力を解放でき、勇名は上げることでより高い将軍職に就くことができ、同時により多くの兵力を持つことができるようになる。また陣形は多く覚える事で様々な状況に適した戦いができるようになるなど、どれも戦場で武将を活躍させるには非常に重要で、特に成人して登場する若い武将は経験値も勇名も陣形もからっきしなので、意識して育成しないと能力値は高くても使い難い武将で終わってしまう。

一方で、その時代で既に戦慣れしている、世に名前が知れ渡っているような古参武将は、最初から経験値も勇名も高く、特殊能力も多く持っていたりする。つまりこちらの方は育成の手間をあまりかけずに、また能力値がそれほどでなくてもすぐ戦場で活躍させる事ができるのだ。私は制作サイドが本作で表現したかったのは、この育成前提の新米武将と即戦力の歴戦武将の差の表現であったのではないかと勝手に思っている。

画像にある韓当は、この頃まだ評価が低い扱いじゃったが、それでも遠矢持ちだしすぐ雁行覚えるし兵力多いしで重宝した思い出があるわい

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そして本作で表現されたこの新米と古参の差は、次回作の三國志Ⅵでより如実に現れる事になる。三國志Ⅵでは新米武将は最初我々がよく知る能力値より低く設定されており、経験値を上げる事によって能力値が徐々に上がり、やがて我々がよく知る能力値が完成するという仕組みになっており、一方古参武将は経験値が最初から高いので能力値も完成されてる場合が多い。だからⅥは本作以上に新米武将は使い辛く、古参武将がありがたいのである。

そしてこの経験値で能力値を上げていくという仕組みがさらに発展して、ⅦやⅧの君主ではなく1人の武将となって自身を成長させていくプレイに繋がっていくので、本作の経験値や勇名を稼いで武将を育成する仕組みが表面化したのは、三國志シリーズの転換期であったと言えるのではないだろうか。

以上が、本作の三國志シリーズにおいての転換期と思える部分を3つ話させてもらった。皆さんはこれらについてどう思うだろうか。


最後に.
では最後にこれまでどうして黄巾の乱シナリオが登場していなかったのかについて、もう一つの理由を語ろうと思う。

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先ほど初めから十分活躍させられる古参武将はありがたいという話をしたが、ここが顕著に現れる例としては、三国時代末期(本作では234年)のシナリオをプレイする時ではないだろうか、毎シリーズお馴染みのことであるが、三国時代末期のシナリオでは一線級の武将達は既に死亡しているため、有能な武将が少なくとにかく人材不足に悩む事が多い

これまでの能力値優先のシステムでは、少ない兵力しか率いれなかったり、敵に強い武将がいると苦戦を強いられることも多かったが、本作では陣形、兵数、特殊能力の影響が大きく、この時代まで生き残った古参武将は初めから勇名も経験値も高いので、能力値がいまひとつの武将でも大きな兵力を率いての活躍が見込めるのである。
※ちなみに画像のシナリオ7の廖化は、初期状態で16500と蜀将最大の兵力を率いられる。

過去シリーズでは廖化をまともに戦場で使ったことはないんじゃが、この時期16500もの兵を率いられる武将の存在感は結構大きいのう

そしてこれは末期シナリオだけでなく、実は今回追加された黄巾の乱シナリオでも同じようなことがいえると思われる。ただしこちらは逆に時代が早くてまだ武将が登場しないという事での人材不足ではあるが。たとえばシナリオ1を漢の大将軍である「何進」でプレイすると、配下に曹操や袁紹といった武将はいるが他に戦場で役立つ一線級の武将は見当たらない。また「張角」でプレイしても張角三兄弟と管亥、周倉くらいしか使えそうな武将が見当たらない。

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しかし何進の元には盧植、皇甫嵩、朱儁など。張角の元には、程遠志、鄧茂、高昇など、黄巾の乱で大軍を率いて戦った武将たちに比較的高い勇名と経験値が最初から与えられており、彼らに正史や演義同様に大きな兵力を与えて活躍させることができるのだ。皇甫嵩、朱儁などは過去作から登場はしているが、正直能力値が酷すぎて個人的にも戦場で使ったことは無かった。そういう武将たちでも正史や演義のように活躍させられる状況が本作にできたから、Vから黄巾の乱シナリオは登場したのではないだろうか

本作にて「統率」の能力値が撤廃されたのも、実はこういうことと関連しているのではないだろうかと思っていて、統率という能力値が存在していればどうしてもそこを戦闘、あるいは使える兵力に影響させざるを得ない。そうなるとやはりさっきあげた武将たちは活躍できなくなってしまう(かといって彼らの統率を上げるというのはまた話が違う)であろうから。製作サイドが三國志Vにてやりたかった、表現したかったのは案外そういうことだったのかもしれない。

個人的に「統率」が撤廃されたことが、昔から本作について納得できていない部分であって。正直今回の最後の話は統率撤廃の理由を好意的に考察してみた、という感じじゃな。まああくまで勝手な考察なので全然違うかもしれんけどのうw


以上で三國志Vについては終了だが最後に、現在(2020/11/1時点)でもsteamにて「三國志V with パワーアップキット」は購入可能なので、興味のある人は是非遊んでみて欲しい。



関連作品.












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