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サイキック・ディテクティブ・シリーズの第2弾。今回、降矢木の事務所を訪ね仕事を依頼してきたのは1人の女性。彼女の依頼は「父の記憶を消して欲しい」というとんでもない内容だった。


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データウエストの通信販売が再開してくれたおかげで、Windows版のサイキックディテクティブシリーズをコンプできたので早速紹介していくぞい!では入るがよい、賢者の塔65Fじゃ!

目次.

基本情報
サイキック・ディテクティブ・シリーズとは
あらすじ
主な登場人物
画面構成とシステム
心象世界ならではの「移動」
サイキックアナリスト達の存在
シリーズのお約束?
最後に
関連作品


ゲーム基本情報.

タイトル:Memories : PSYCHIC DETECTIVE SERIES Vol.2
ジャンル:コマンド選択式アドベンチャーゲーム
発売年:1989年/1993年(リメイク)
発売元:データウエスト
開発元:データウエスト
発売機種:FM-TOWNS、PC-9821、Windows95など
前作:インビテーション 影からの招待状
後作:AYA
※使用している画像は指定が無い限りWindows版のものです
サイキック・ディテクティブ・シリーズとは.

サイキック・ディテクティブ・シリーズについては、以下の紹介記事を参照してください。

あらすじ.

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「まだあなたの心には、
 あの人の思い出が輝いているのね。
 わかったわ。わたしをひとりにして…」

森崎梨絵香はそう言って恋人である降矢木和哉の元を去った。愛する梨絵香に心を見透かされ、そして別れを告げられた降矢木は呆然自失となるが、そんな彼の事務所に後藤翔子と名乗る女性が訪れ降矢木にサイキックアナリストとしての仕事を依頼する。その依頼とは、

「私の父の記憶を消してくださいませんか」

というものだった。翔子は自分の父親は大それた事を企んでいる、お金はいくらでも払うからと頼むが、詳細な事情について話す事を拒む翔子を怪しんだ降矢木はその依頼を断る。

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後日、翔子の父親を名乗る後藤彰太郎という人物が降矢木の事務所を訪れ、翔子が降矢木の事務所を訪れた事を知ったうえで、娘は周期的に精神状態がかわる極度に精神不安定な状態なので、娘の心の中に入ってみてくれないかと仕事の依頼をしてくる。

精神分析の権威である彰太郎の言うことの方に理があると感じた降矢木は、依頼を受けることにしそのまま彰太郎と一緒に彰太郎の屋敷に向かう。彰太郎の屋敷に入った降矢木は、屋敷内がアンティークな調度品で纏められているのに驚く。すると彰太郎は

私は50年ほど前にある少女と恋をした。それは素晴らしい時間で、この世の全てが私たちのために輝いていた。この部屋は私の思い出にあふれているのです。

と述べた。そこへ現れた女中らしき初老の女性から出されたお茶を飲んだ降矢木は意識を失い、気がつくと誰のものかもわからない心象世界の中にいた。その心象世界は、

まるで50年前の世界のようであった。

最初から彰太郎が娘の心に入って欲しいという依頼をする話でもいいのに、なぜその前に翔子が依頼をする話があるのか?淡々としたモノローグのように見えて、もうここから闇は見えているんじゃよな…

主な登場人物.

《降矢木 和哉》
特Aクラスのサイキックアナリスト。恋人である梨絵香に冒頭でいきなり別れを告げられ、そのショックが収まらないまま今回の依頼を受ける。梨絵香の事でも大変なのに、依頼人や同業者に騙され、さらに同業者の女性から理不尽にキレられたり、影で役に立たない呼ばわりされるなど受難が多い。

《森崎 梨絵香》
降矢木が昔の恋人である「真行寺彩」を忘れられないことに耐えられなくなり降矢木の元を去る。本作ではほとんど出番が無いのだが、それでも最後に美味しいところをしっかり持っていく。

《後藤 翔子》
物語の最初に降矢木の事務所を訪ねた女性。降矢木に父の記憶を消して欲しいと依頼するが、明確な理由を答えようとしないため依頼を断られる。

《後藤 彰太郎》
翔子の次に降矢木の事務所を訪ねた人物。翔子の父親であり、精神分析の権威。翔子曰く何か「大それた事」を企んでいるらしい。翔子を極度の精神不安状態だと言い降矢木に翔子の心に入ってくれないかと嘘の依頼で誘い、眠らせた降矢木を心象世界に閉じ込める。

◆以下、降矢木が心象世界で出会うアナリスト達。
 殆どが椎名香織というアナリストを探して欲しいという依頼でこの世界に来ている。

《正木 重吉》
強面のむさ苦しい男。言動が乱暴なため近寄り難い印象を受けるが、アナリスト能力も高く、実は面倒見の良い兄貴肌。本作の中では1番まともな大人かもしれない。

《鷲津 恭介》
ちょっと抜けている感じの男。アナリストとしての仕事よりも、食べ物と女性への興味のほうが強く、心象世界で最初に現れた場所もレストランだった。

《橘 沙耶》
ヒステリックなキツ目の女性。自分が騙されたと気付き、以後は口を開くと降矢木に現実世界に帰してと詰め寄る。香織にしょっちゅう「おばさん」と呼ばれ、そのたびにキレてどこかに行く。

《羽生 陽一》
顔は良いが性格の悪い男。サイキック能力は低いが、政治力でアナリストの世界でのし上がってきた為、他のアナリスト達からも嫌われている。今回の件について何か情報を持っているようだが、その情報を盾に降矢木に香織を探させる。

《椎名 香織》
心象世界で行方不明になっているとされる少女で、アナリスト界でも最年少クラスの18歳。性格は”ぷっつん娘”で年上相手でも思ったことをストレートに言う。彼女を心象世界で探すことが物語中盤の目的となる。

《蘭 香芳》
顔立ちの整った美しい女性。心象世界の中で唯一、香織ではなく降矢木のことを探すために行動しており、しかもなぜか降矢木の精神状態が今は万全で無いと知っている。彼女と出会うと物語もクライマックスとなる。

本作には降矢木以外のサイキックアナリスト達が多く登場するんじゃが、このうち蘭香芳だけは以後のシリーズにも登場するぞい

画面構成とシステム.

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本作の基本画面は画面中央にメイン画面、画面左側にメインコマンド、画面右側にサブコマンド、そして画面下にメッセージが表示される。

メイン画面には景色や登場人物、イベントアニメーションが表示される。本作では背景が実写取り込み画像で、登場人物がアニメ絵調のグラフィックになっており、登場人物は登場時や会話によるリアクションの際に多少アニメーションする。

メインコマンドは「何をするか?」というもので以下のコマンドがある。
移動…場所を移動する
見る…画面に表示されているものを見る
話す…画面に表示されている人物と話す
思考…画面に表示されているものや人物について考える
行く…画面に表示されている建物に入る。または周辺の施設に行く
終了…ゲームを終了する
※場所や状況により表示されないコマンドもある

サブコマンドは、移動と終了を除くメインコマンドを実行する対象(「見る」なら何を、「話す」なら誰となど)が表示される。話すコマンドの場合のみ、サブコマンドで誰と話すか選ぶと、さらに何について話すのかのサブコマンドが表示される。

本作はコマンド選択式アドベンチャーゲームなので、このようなコマンドを駆使してゲームを進行していくのだが、ゲーム中のセーブについてはコマンド上には存在しない。ゲームのセーブはホテルか木賃宿に泊まった場合、または銀行に行った場合にのみ実行が可能になる。

リメイク元の方もたしか実写背景+アニメ絵キャラじゃったが、絵が画面全体に大きく表示されて、その上にコマンドやメッセージが被さって表示される感じじゃったな

心象世界ならではの「移動」.

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本作の「移動」については、システムとして見ると他のアドベンチャーゲームとあまり変わらないのだが、移動の概念がこの作品なればこそというちょっと面白いものになっている。

本作において降矢木が活動するのは主に「心象世界」の中なのだが、この心象世界は独立した断片的な「エリア」がいくつも存在しているようなもので、現実世界のようにエリアが全方位につながっているわけではない。つまり移動しようとしても、移動先のエリアの存在を認識できなければ移動することができない。

従ってサイキックアナリストは心象世界の中を探索したり、心の断片が擬人化した人間と会話して情報を聞き出すことで心象世界の別エリアの存在を認識し、そうすることで始めて別の場所に移動できるようになる。そして移動コマンド実行時に、認識されたエリアは「写真」というかたちで表示される。

また本作では同じ心象世界内に降矢木以外のサイキックアナリストが複数存在しており、誰かが探し出したエリアは、その存在を別のアナリストの心に送り込むことで共有することが可能という設定になっている。

結局システムは普通のADGと変わらないんじゃが、作中でこういうことを降矢木たちが話すことで同じようなシステムでもちょっと違ってみえる。世界観の作り方が旨いのう

サイキックアナリスト達の存在.

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本作で降矢木は、閉じ込められた心象世界で自分以外のサイキックアナリスト達と遭遇する。そして彼ら彼女らと協力しての心象世界の捜査などを行うが、逆にその同業者に利用されたり邪魔されたり、挙句にはとんでもないことをされかけたり見せられたりしてしまう。

まるで「サイキックアナリスト大集合!」とでも言わんばかりに多くのアナリストが本作には登場するのだが、製作会社であるデータウエストとしては、この大集合!こそがこの作品で表現したかった大きな要素だったのではないだろうか。

つまり第1作目で人の心に入り込める異能者「サイキックアナリスト」として降矢木は登場したわけだが、実はこの世界には降矢木以外にもアナリストは多く存在しており、一般的な職業と同じように「業界」があって協力や妨害、騙し合いが存在するのだという事を表現したかったように感じる。

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世知辛い話ではあるが、しかしこれによりプレイヤーの中でもサイキックアナリストという世界が広がり深まるだろう。そして次回作からも降矢木以外のアナリスト達が登場し、物語に大きく絡んでくる。アナリストという点で見れば、本作は次回作以降への準備も含んでいたのかもしれない。

第1作目で異形の怪物として単独で現れた「エイリアン」が、次回作で多数登場してその生態が描かれたことで世界そのものが広がったように。

もちろん物語としてサイキックアナリストが複数登場する意味はちゃんと存在するんじゃが、副次的なものとしてもしかしたらそうなのかも?という話じゃな

シリーズのお約束?.

サイキック・ディテクティブ・シリーズといえば少し大人な「お色気シーン」とショッキングな「グロシーン」がある意味お約束と言えるだろう。本作にも確かに「お色気シーン」のようなものは存在するが、一瞬過ぎるのと唐突過ぎて理解が追いつかないのとであれを「お色気シーン」と呼んでいいかは議論の分かれるところであろう。

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その代わりといっては何だが「グロシーン」のほうは多めに含まれている。こちらのほうは現実でも起こりそうなものから、心象世界ならではのありえないようなものまで用意されているので、十分期待にこたえるものといって良いだろう。それを期待するというのもどうなのかは解らないが。

また、これもひとつのお約束といえるかもしれない「ハイパーメディア」的な要素も随所にちりばめられており、事務所のベランダに出ると街の喧騒が聞こえたり、港に行くと港の潮騒、公園で噴水を見ると噴水の水の音などがリアルな音で流れるといった演出がされていた。

今の考えでは喧騒や潮騒がリアルな音で聞こえるなんてことに特別感を覚えんじゃろうが、この時代は媒体がFDから大容量のCD-ROMになったおかげで、こういう演出にも力を入れられるようになった時代なんじゃよ

最後に.

本作はストーリー重視のアドベンチャーゲームで、選択ミスによる「詰み」やゲームオーバーは存在しない。またコマンド総当たりをしなくても適切なコマンド選択でゲームは進行するので、あまりストレスを感じずにストーリーの方に集中してゲームを進めることが出来る。

またリメイク版になり、登場人物との会話やイベントのアニメシーンなどもフルボイス化、さらに場面が大きく変わる時や重要な情報については降矢木自身が字幕付きナレーションを入れてくれるのでストーリーも頭に入ってきやすくなっている。

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リメイク版という話で言えばDAPSの導入により、メイン画面は小さくなったがその分頻繁にアニメーションが入り、そのアニメーションも非常に滑らかなものになった点は評価が高い。またキャラクターデザインも一新されており、個人的には洗練されたデザインになったと感じられた。

評価が高いと言えば、このサイキック・ディテクティブ・シリーズはゲーム中に流れる音楽の評価も高く、この「Memories」でも随所で雰囲気を盛り上げてくれる良いBGMが流れる。特に今作のテーマ曲ともいえる「JAPANESQUE」はその名の通り日本を感じさせる落ち着いた曲で、昔の日本をイメージした心象世界と良く合う名曲である。

JAPANESQUE含め、サイキックディテクティブシリーズにて音楽を担当されたのは佐藤康二氏で、ほんと良い曲を作られる方じゃて

最後に物語についてだが「Memories」というタイトル通り「記憶・思い出」という言葉が物語の核となっている。

最初に降矢木の事務所を訪れた後藤翔子は何故「父の記憶を消して欲しい」などという依頼を降矢木にしたのか、そして50年前の少女との思い出を何よりも大事にしている翔子の父、彰太郎はなぜ降矢木を騙して心象世界に閉じ込めるようなことをしたのか。心象世界は誰のもので、なぜ50年前の世界のようだったのか。

他にも様々な疑問が降矢木を襲い悩ませるのだが、物語が進むと最終的にそれらが全て「記憶・思い出」という言葉に起因する恐ろしい企み事だったと判明する。

この結末を知った時、そんな事のためにそこまでするのか!?という思いと共に、サイキックアナリストの能力についての恐ろしさを見たような思いもあった。

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この恐ろしい企み事の結末がどうなるかは、是非自分の目で確かめて頂きたい。どんでん返しな展開にきっと驚くことだろう(色々な意味で)。

個人的にストーリーが好みじゃったんで、欲を言えばもう少しボリュームが欲しかったところじゃが…ただこれ以上話を広げるのも難しいじゃろうからこれが適量かのう?

関連作品.



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