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発売年:1983年、1985年、1989年
発売元:オリジン、スタークラフト、ポニーキャニオン
ジャンル:フィールド探索型RPG
発売機種:Apple][、PC-88、PC-98、FM-7、MSX2
※画像は個別に指定が無い限りPC-88(ポニーキャニオン)版のものです
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HAPPY NEW YEAR 2020!!

さて皆の衆、あけましておめでとうございます、じゃ!
今年もよろしく頼むわい。(いまこの時点では2020年1月3日)

記念すべき2020年最初の作品は、新年に相応しく(?)コンピュータRPGにおける古典中の古典と言うべき作品を取り上げようと思う。またこの作品は、日本においてはちょっと普通ではありえない状態になっている作品でもあるんじゃ。

あと毎度の事じゃがRPGの話はどうしても説明が長くなるのでのう。今回は「前編」ということで、続きはまた近いうちにさせてもらおうと思っておる。

では中に入るがいい、勇者の塔 FLOOR 62 じゃ!


「ウルティマIII EXODUS(エクソダス)」とは?

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「ウルティマIII EXODUS」は、1983年にオリジン社からApple][用として発売されたフィールド探索型RPGで、RPGの始祖と呼ばれる「ウィザードリィ」、「ローグ」と並ぶ「ウルティマシリーズ」の第3作目にあたる作品であり、1985年には続編として以前紹介した「ウルティマIV Quest of Avatar」が同じくオリジン社より発売されている。



本作は、前々作の「ウルティマI the First Age of Darkness(以下「I」)」、前作の「ウルティマII the Revenge of The Enchantress(以下「II」)」と同じ世界にある「ソーサリア大陸」が舞台となっており、ストーリーも「II」のラストから20年後、突如現れた謎の存在「エクソダス」調査のためにかつて世界を救った勇者が再び招集された。というように直接繋がった話となっている。

本作の特徴としては、これまでの主人公1人旅から4人でパーティを組んでの冒険に変更された事や、戦闘時にマップフィールドから戦闘エリアに移っての「タクティカルバトル」になった事などがあげられる。また本作は非常に自由度の高い作品であることと、前作までのSF色(宇宙やらタイムマシンやら光線銃など)は薄くなり、純粋に近いファンタジー作品になっているのもまた特徴である。

本作を含めウルティマシリーズは、後の様々なコンピュータRPG作品に大きな影響を与えたまさに「古典」といえる作品なのだが、本作には古典として後世に引き継がれた部分も多くありつつ、また後世には伝わらなかった癖の強さも併せ持った作品であった。

※本作にはファミリーコンピュータ版もあるが、システムが色々違うため今回の説明には含まない。
国産パソコン版が2種類存在する「ウルティマIII」

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※画像はスタークラフト版です

まず「ウルティマIII」の内容について説明する前に、把握しておかなければいけない事が存在する。

本作は1985年に「スタークラフト」から国産パソコン用「ウルティマIII」が発売されているのだが、なぜか1989年に「ポニーキャニオン」からも国産パソコン用版「ウルティマIII」が発売されており、日本に同じ機種で同じタイトルの作品が2つ存在すると言うおかしな状態になっている。

日本で最初にウルティマを移植したスタークラフトは「I」をすっ飛ばしていきなり「II」と本作「III」を同じ1985年に発売した。この時点で国産パソコン版に「I」は存在していなかったが、日本での「ウルティマ」といえばスタークラフトの作品であったのである。

しかし後に「ウルティマIV」が発売されたとき、国産パソコン用に移植を担当したのはスタークラフトではなく「ポニカ(ポニーキャニオン)」だった。そしてさらにポニカは、その後の1989年になんと国産パソコン用にウルティマI、II、IIIを新たに移植し直して発売したのである。そしてその結果、PC-88など一部の機種ではウルティマIIとIIIが2種類存在するようになってしまったのだ。

スタークラフト版のIIIは、グラフィックが本家AppleIIのものに近くシンプルでメッセージなども全て英語になっている。一方ポニーキャニオン版は、グラフィックを当時の最新作であるポニーキャニオン版「IV」から流用しているため非常に綺麗でメッセージ等もちゃんと日本語化されていた。
ちなみにこの2種類のIIIについて内容や仕様の違いはほぼないらしいので、どちらで遊ぶかは個人の趣味の範疇ではあるが、今回の紹介についてはポニーキャニオン版の画像を使用している。

「ウルティマIII」のキャラクターメイキング

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さてゲームをスタートするにあたっては、前作までと同様に最初にキャラクターメイキングを行い、そのキャラクターを使用してゲームを進めていくことになる。しかし「II」までは主人公1人で冒険していたのに対し、本作では4人パーティでの冒険に変更されたため、最初のキャラクターメイキングも4人分行う必要があった。

キャラクターメイキングは、最初に名前を決め、次に人間、エルフ、ドワーフ、ホビット、ファジーと5つの種族から選ぶ、次にキャラクターの性別、そして戦士や盗賊など11種類もの職業の中からひとつを選ぶ。そして最後に強さ、素早さ、知力、賢明さの4つのパラメータに対して50ポイントから好きなように割り振ることで完了する(各パラメータの最大は25で最低でも5は必要)。
※ちなみにパラメータ初期値に種族や性別による違いは無い。

職業には種族、性別、パラメータによる制約は存在せず、最初からどんな職業にでもなることが可能なうえ、どんなパラメータ配分にする事も可能であった。またパーティ4人の職業や種族の組み合わせについても絶対クリアできないという組み合わせは無い(らしい)ので、非常に自由度の高いパーティ構成が可能な作品になっている。

余談だが種族のひとつである「ホビット」だが、スタークラフト版では「ボビット(Bobbit)」となっており、AppleII版の過去作品もすべてボビットと書かれている。恐らくこれは書き間違いでは無いだろう。AppleII版やスタークラフト版では種族を選択する際に種族の頭文字(HumanはH、ElfはEなど)を入力して選択するので、この仕様でホビットを出した場合「Hobbit」で「Human」と頭文字がかぶるのだ。それゆえに無理矢理ボビットという種族にしたのでは無いだろうか?
※ちなみにポニーキャニオン版は一覧から種族を選ぶので「ホビット」表示である

「ウルティマIII」の特殊な成長システム

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本作には確かにパラメータや種族、職業の組み合わせなど自由度の高いキャラクターメイキングが行える。しかし自由度の高さというのは、必ずしもゲーム進行の難易度と直結しないものである。というのもどんなパラメータにでもできるとはいえ、職業ごとにゲーム進行に重要なパラメータというのは存在する。戦闘系は強さや素早さが低いと戦闘で役に立たないし、魔法系は知力や賢明さが低いと魔法を使うためのMPが足りなくなってしまうのだ。

とはいえレベルアップして成長すればパラメータも上がるから問題ないんじゃ?と思うかもしれないが、本作は非常に特殊な成長システムのためそういう楽観的な考えでは厳しい。

まず本作では戦闘を繰り返し一定の経験値を稼ぐとキャラクターはレベルアップする。しかしそれだけではレベルが1上がるだけでそれ以外に何の変化も無い。本作ではレベルが上がったらまず最初の城に帰り「ロード・ブリティッシュ」と会話しなければ何も変化しないのだ。しかも会話しても変化するのは体力(HP)だけでの他は何も変わらず、パラメータも上昇しないのだ。

本作で強さ、素早さ、知力、賢明さの4つのパラメータを上昇させられるのはゲームでも相当後、別世界「アンブロシア」という所にある、4つのパラメータに対応した神殿に行って100G寄付することでやっと1上昇させられるのだ。つまりそれまでは最初のパラメータで冒険を続けなければならないので初期パラメータの配分は非常に重要になる。

また神殿でパラメータを上昇させることができたとしても、実は種族により各パラメータの最大値が違う(例えばドワーフは強さの最大が99だが、ファジーは25である)ため、最終的なキャラクターの強さを考えると種族と職業との組み合わせも非常に重要となる。

つまり自由度の高い組み合わせは可能だが、ゲームに慣れないうちは最適な組み合わせのほうがゲーム進行は楽になるという事なのだ。

「ウルティマIII」の職業選び


では、本作で選択できる職業について簡単に説明しよう。

ファイター…全ての武器防具が使用可能。魔法は一切使えない
クレリック…クレリック系魔法が使用できる。賢明さ=最大MP。
ウィザード…ウィザード系魔法が使用できる。知力=最大MP。
シーフ…盗みや罠解除能力が高い。魔法は使えない。
パラディン…全ての武器とクレリック系魔法が使用できる。賢明さ÷2=最大MP。
バーバリアン…全ての武器とやや低い盗み・罠解除能力を持つ。
ラーク…全ての武器とウィザード系魔法が使用できる。知力÷2=最大MP。
イリュージョニスト…クレリック系魔法とやや低い盗み・罠解除能力が使える。賢明さ÷2=最大MP。
アルケミスト…ウィザード系魔法とやや低い盗み・罠解除能力が使える。知力÷2=最大MP。
ドルイド…クレリック系魔法とウィザード系魔法両方使える。(知力か賢明さの高いほう)÷2=最大MP。
レンジャー…クレリック系魔法とウィザード系魔法両方使え、やや低い盗み・罠解除能力が使える。(知力か賢明さの低いほう)÷2=最大MP。

数は11種と多いが、基本的には「ウィザードリィ」シリーズにあるような専門職と複合職という考え方だ。ウィザードリィで考えれば複合職のほうが色んな能力を持っている分成長が遅いのかな?と思ってしまうが、実は本作において職業による成長度に違いは無い。

となると複合職を選んだほうが良く、かつ後述するある理由で魔法が使える複合職を選んだほうが非常にゲームが進めやすくなる。ただし複合職のネックは最大MPで、大抵の魔法複合職は賢明さか知力の半分が最大MP、前述したように神殿で仮に最大の99までパラメータを上げたとしても44までしかMPを持てないのである。

本作では魔法職は魔法を最初から全部使うことができる。そう聞くとめちゃくちゃ強そうなのだが、強い呪文は消費MPが高いためゲーム開始直後では絶対に使用できない。例えばウィザードの最強魔法「NOXUM」は消費MPが50なので最初からもそうだが、複合職ではどう頑張っても使用できないのだ(クレリック系の場合、複合職では絶対蘇生魔法が使えない)。

従って魔法メインの職業については、専門職でかつ賢明さや知力の最大値が99の種族を選んだほうがいい。また戦闘メインの職業については、シーフと魔法の複合職で素早さ最大99の種族、そして戦士と魔法の複合職で強さ最大99の種族を選んでおくと序盤から終盤まで優位に戦えると思われる(あくまでひとつの例としての話だが)。

「ウルティマIII」の基本システム(フィールドとコマンド)


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本作はまさに典型的なフィールド探索型RPGで(そもそもウルティマそのものがフィールド探索型RPGの典型なのだが)、ゲーム画面の構成として左側にはゲーム上のマップフィールドが表示されておりその中心に主人公たるプレイヤーが表示されている。そして右側にはプレーヤーが率いるパーティの4人分のステータス、そしてゲーム中に流れるメッセージが表示される。

マップフィールドは見下ろし型になっており、平地や森、山や海、町や城、ダンジョンの入り口、さらには敵やNPCなど様々なものが表示されている。プレイヤーはテンキーの2/4/6/8でキャラクターを下/左/右/上に移動させる事ができ、一歩移動するごとにフィールド全体が移動とは逆方向にスクロールする(つまりプレイヤーキャラは常にフィールドの中心にいる)。

本作ではキーボードからアルファベットの1文字を入力することでそれに対応したコマンドが実行される。例えばマップフィールド上の町や城、ダンジョンの入り口などに主人公を重ねて「E」と入力すると「Enter(入る)」コマンドが実行され、フィールド画面が屋外から町や城専用のマップフィールドに切り替わる。

入力するアルファベットと対応するコマンドはゲーム中全ての場面において共通であり、例えば「A(Attack)」などは屋外や街中であれば隣接した敵やNPCに対して攻撃をしかけ戦闘フィールドに移動する、そして戦闘フィールド上であれば装備している武器で攻撃する、というように使う状況によってコマンドの効果が多少変わる。

全てコマンドはその行動の頭文字をA〜Zまでのアルファベットに割りあてているのだが、そんなに都合よく行動の頭文字とアルファベットが一致するはずもなく、中には頭文字が被ってしまうものもある。そのため例えば「Enter」と被ってしまう「Exit」には「X」が割り振られていたり、ステータスを見るコマンド「status」に至っては「Z」を割り振って「Ztatus」という無理矢理なコマンドになってしまっていた。

ちなみに本作はどの場面においても「ターン制」となっており、自分がひとつ行動すると敵やNPCがそれぞれひとつ行動する。さらに自ターンの行動にはコマンドの受付時間が設定されており、一定時間何も入力しないでいると「Pass」と表示され次のキャラや敵、NPCの行動に移ってしまう為、ある意味リアルタイム制な部分もあった。

実行したいコマンドとアルファベットがなかなか一致せず、またコマンドは受付時間があることから、ゲームに慣れるまではいざと言うときにコマンドが思い出せずPass扱いになる事が多く、常にマニュアルを手元に置いておく必要があったと言えるだろう。

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また本作のマップフィールドには「視界」という概念が設けられており、プレイヤーが今いる位置から周囲に何も障害物がなければフィールド全部を見渡せられるのだが、森や山、街中では壁などの障害物がフィールド上にある場合、プレイヤーからその障害物の先が見えないような仕様になっている。

そのため森の中に入ってしまうとプレイヤーからは周囲のマスしか見えなくなってしまうので、歩いているといきなり目の前に敵が現れたり、本当は近くに町があるのに視界に映らなくて気がつかないなどの問題が発生する。このシステムはリアリティがあって面白いとは思うのだが、この処理のためにフィールドに障害物があると若干処理落ちしてしまう欠点があった。

予断だがこの「視界」システムは、当時日本のゲームでは処理に苦労する割にプレイヤーへのメリットが少ないせいかあまり用いられておらず、クリスタルソフトの「夢幻の心臓II」ぐらいでしか見かけることはなかった。

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うむ、ということで今回はここまでじゃな。
ちょっと中途半端に終わっている感じもするが、できるだけ近いうちに次を公開する予定じゃ。

ではまた次回じゃ。
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