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発売年:1983年
発売元:光栄
ジャンル:戦国シミュレーションゲーム
発売機種:PC-6001、PC-8001、PC-88、PC-98、MSX、FM-7、X1、その他多数
※画像は個別に指定が無い限りPC98版のものです

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ところでお主ら、昨年より「 Steam」にて「シブサワ・コウ アーカイブス」として、昔の光栄(現:コーエー)作品、しかも家庭用ではなくPC版のものをダウンロード販売しておるのを知っておったかの?

「シブサワ・コウ アーカイブス」公式サイト

その第一弾として昨年12月から配信が開始されたのは、「信長の野望」、「三國志」、「蒼き狼と白き牝鹿」とコーエーを代表する3つのシリーズ作品の記念すべき第一作目たち、そして今年1月25日から配信スタートされたのが、「信長の野望 全国版」、「三國志II」、「蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン」という先ほどの続編にあたる作品たちじゃな。

これらは1つ1200円(税抜き)と一般的なアーカイブス作品ではやや高めの価格設定なのじゃが、家庭用の作品ならともかくPC版のコーエー作品を今普通に遊べる環境を用意するのは非常に困難な状況じゃし、今後発売予定のラインナップを見てもどれもハズレ無しという事を考えると…

これは適性といえなくも無い価格じゃと思うぞ。

それに2017/2/26までであれば、第2段の3作品をまとめたパックが2520円(税抜き)で発売されておる。要チェックじゃな。わしも早速何本か購入して楽しく遊んでおる。というわけで今回は、この第一弾配信作品の中からこれを選んでみたわい。

では中に入るがよい、元帥の塔 FLOOR 28 じゃ!

「信長の野望」とは

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信長の野望は、1983年に光栄より発売された"歴史シミュレーションゲーム"で、現在でも新作が発売され続けている「信長の野望」シリーズの第1作目にあたる作品であり、ある特定の実在する時代をモチーフにした「歴史シミュレーションゲーム」というジャンルを築いたパイオニア的存在の作品でもある。

本作にてプレイヤーは「織田信長」となり、内政及び軍事(富国強兵)を行いながら、実際の織田信長が果たせなかった全国統一を目指す事になるのだが、全国統一と言っても東は越後、西は摂津までの17ヶ国までしかなく、それらを全て自国領とすることでゲームクリアとなる。

それまでの戦場での勝利のみを目的とした「戦術シミュレーション」の要素に、国を経営しつつ最終的に全国統一を目指すという「戦略シミュレーション」の要素を加えた非常に画期的な作品で、後の光栄のみならず様々なメーカーのシミュレーションゲームの基礎となったと言っても過言ではない作品である。

戦略シミュレーションゲームへの進化


さて私の好きな「銀河英雄伝説」という作品の中で、「ヤン・ウェンリー」という天才用兵家が、「5分と5分の条件ならいい勝負になる」という意見に対してこういう事を言っている。

『5分と5分の­条件を揃えるのが戦­略だ。
戦略を無視し­て戦術を論ずるなど­、
実際の戦争ではあ­りえない事だ。』

信長の野望以前の(以後もしばらくはそうだったが)シミュレーションゲームというのは、決まった戦場で決まった戦力同士で決まった相手と戦うというタイプのものだった(例えば光栄の「川中島の合戦」など)。つまり互角であれ、優勢、劣勢であれ、戦略を無視してあらゆる条件が揃った状態で戦術を競うというゲームだったのだ。

ところがこの「信長の野望」という作品は、戦場における互角あるいは優勢だけでなく、その他あらゆる条件を 「プレイヤー自身の手で揃える事ができる」、つまり戦略レベルでプレイヤーが介入できるという非常に画期的なシミュレーションゲームだったのである。

ゲームに限らずだが、歴史モノの作品が好きな人ならば歴史上の出来事に対して「このときあの勢力にもう少し兵力があれば…」とか、「事前にこうしていればもっと有利な条件に…」といった感想を持った事が一度ならずあるだろうと思う。この「信長の野望」という作品は、戦略そのものをプレイヤーが生み出せるようになった事で、そういった「もしも…?」を実現することが可能となったのだ。

歴史好きにとって、これは堪らない体験であろう。
別シリーズだが、筆者が光栄の「三國志」シリーズに嵌ったのもそういった部分が多いだろう。

戦国大名を作ろう!

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などとプロサッカーチームか野球チームでも作りそうな見出しではあるが、本作をプレイするにあたってプレイヤーはまず最初に「織田信長をつくる」必要がある。

作り方は簡単。画面に表示されているIQ、健康、野心、カリスマ、運勢という「能力値」を順番にルーレットで決定していくだけである。能力値の幅は30〜110とかなり幅があり、値が高いほどその分野において優秀という事になる。能力値はゲーム中様々な場面に影響するので、出来る限り高い値を狙っていきたい。

「配下武将に有能なのがいれば問題無いでしょ?」

などと以後の光栄SLGに慣れた人なら考えてしまいそうだが、実はそうもいかない。なぜならば、本作には「配下武将というものが存在しない」からだ。従って全ての行動は大名が行い、全ての判定は大名の能力如何なのである。能力値の設定はやり直しが可能なので、できるだけ全ての能力値で高い数値を狙わなければならないだろう。

戦いは既に始まっているのだ。

ちなみに後の光栄SLGでは、ゲームスタート時にプレイヤーは自分が操作する大名や君主を自分で選ぶ事ができたのだが、本作では「織田信長」しか選ぶ事ができない(考えてみれば作品タイトルが「信長の野望」なのだから当たり前ではあるのだが)。また本作は2人同時プレイが可能であり、その場合もう1人は「武田信玄」を操作する。

国を富ませ、兵を鍛える「内政パート」

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無事織田信長や武田信玄を作成し終えたら、いよいよゲーム本番のスタートである。ゲーム本編には戦略の基礎となる「内政パート」と戦術を駆使して他国と争う「戦争パート」に分かれる。

内政パートは17存在する国それぞれにランダムで順番が回ってきて、そこを治めている大名がコマンドでその国に命令を与えていくターン制で行う。1ターンに実行できるコマンドは1つだけであり、しかも1ターンは1ヶ月ではなく四半期であるため、1国につき年4回しか命令できないのである。 従って1年のサイクルが、良くも悪くも異様に早い。

内政パートでは国を富ませ兵を強化する「富国強兵」を実施し、全国統一という最終的な目的のための条件を揃えて行くことが目的となる。具体的には開墾や治水工事、町の開発、民や兵への施し、徴兵や兵の訓練などのコマンド番号をテンキーから入力して実行し、その国のパラメーター(米の収穫量や治水度、民や兵の忠誠度、兵力や訓練度など)が上昇させたり、他国に対し忍者による流言の流布や、不戦同盟を試みたりも可能になっている。

実行時のパラメーターの上昇量、成功の確率などは大名の能力値と、実行時に設定する「金または米の量」に応じて変化する。その金と米は毎年秋に「収入」として得られるのだが、同時に兵士に与える給料、つまり「支出」も発生する。収入はその国のパラメータと税率によって決められ、支出はその国の兵数によって決まる。

最初のうちは収入が少ない為、すぐに米が不足し兵に給料が払えなくなってしまうだろう。そうすると足りない分、なんと兵数が減ってしまうのだ。そうなれば隣国にに攻め込ませる絶好の機会を与えてしまい、こちらは為す術もなく滅亡への坂道を一気に転がるだけだ。それは避けたい。

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​それを回避するひとつの対策として、コマンドにある「堺の商人」を利用するというものがある。堺の商人とは米の売買、借金、武器の購入(兵の武装度が上がる)が可能なので、これを利用して自国で足りない米を買えばよいのだ。ちなみに米を1買うのに必要な金額(または1売って得られる金額)は、画面下にある「相場」によって変わる。

米相場が低いときに一気に買い、高いときに一気に売る。米の売買を利用した「財テク」を用いれば、例え国の収入が少ないうちでも豊富な金と米を得られるのだが、相場とその国に商人がいるかどうかは毎月変動するので「取引したい!」と思ったタイミングに商人がおらず、悔し涙を流す羽目になったプレイヤーも多いだろう。

本作における商人の存在は、場合によっては国の興亡すら左右するのである。

地の利と戦術を駆使する「戦争パート」

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​内政パートでプレイヤーが戦争のコマンドを実行するか、他国が自国に戦争コマンドを実行した場合、その場で戦争パートが開始される。戦争パート開始時、プレイヤーは投入する兵士数と兵糧数を決定し、最後に今回の戦争に大名を参加させるかどうかを決定する。

戦争に投入された兵数は五等分されて5つの部隊に自動編成され、六角形のマス(へクス)で構成された戦場マップに自動配置される。この時戦争に大名が参加している場合、第1部隊が自動的に大名のいる部隊となる。ちなみにこの5つの部隊について「兵種(足軽、騎馬、鉄砲など)」は存在せず、移動力、攻撃可能範囲はすべて同じく「1」である。

戦争パートも攻撃側が全部隊の行動を行い、次に防衛側が全部隊の行動を行う、というのを繰り返すターン制になっており、自ターンでは部隊につけられた番号の順番に行動ができる。部隊が行える行動は、移動、攻撃、降参(第1部隊のみ)、何もしないの4つで、移動と攻撃は選択後に実行する方向をテンキーで指示して行うようになっていた。

部隊に攻撃を仕掛けた場合、優勢、互角、反撃の3つの判定になり、優勢なら攻撃を受けた側、反撃なら攻撃を仕掛けた側のみ兵数が減少、互角なら双方ともに兵数は減少しないという仕様になっていた。この判定や減少する兵数は、大名の能力値、訓練度、武装度、兵忠誠度、そして兵数差などによって決まるが、大名のいる第1部隊については他の部隊より、抜きん出て強くなるという仕様になっている。

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その他部隊の戦闘に影響する要素としては「地形」の存在がある。戦場マップのへクスには、城、山、町、平地、高山、河川といった地形の設定が存在し(平地以外はグラフィックでわかる)、高山と河川に部隊が侵入することは不可能だが、それ以外には城>山>町>平地の順で戦闘が有利になる地形効果が発生する。 従って大名のいる第一部隊に城に居座られると、攻め手としては非常に不利になる。

戦争パートは第1部隊が全滅する、攻め込んだ側が退却する、どちらかの兵糧が0になる、守備側が30ターン持ちこたえる、これらいずれかの条件が満たされるまで継続される。 その結果 、攻撃側が勝利した場合その国は攻撃側の領国となり、さらに大名の部隊を全滅させて勝利した場合は相手の領国すべてを「総取り」できる。

このようにして最終的に17カ国全てを領国とできればゲームクリアとなる。
ただし当然だが、プレイヤーが攻め込まれて負ければ国を失い、もし大名の部隊が全滅すれば、その場でゲームオーバー、信長の果たせなかった夢を叶えるどころか、実際の信長より早く歴史から消えることもあり得るのである。
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本作を普通にプレイした場合、まず開墾や治水工事を行って収穫量を増やそうと思うだろう。しかし、それをやると最初の秋で金も米も足りなくなって「詰む」可能性が非常に高い。なぜなら、 もし最初の春と夏に資金の全額を開墾や町の開発につぎ込んだとしても、それほど収穫量は上がらないからだ。​​
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ではどうすれば良いのかというと、まず何よりも「施し」である。​​
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本作での金や米の収入量は、実は「民忠誠度」に依存している部分が大きい。しかも民忠誠度のパラメータ1つで金と米両方の収入に影響があるので、いきなり「施し」コマンドで全額民につぎ込んだほうが下手に開墾や開発を行うよりも遥かに収入量が増えるのである。​​
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またゲームを始めて最初のうちは攻め込むよりも攻め込まれる確率のほうが高い、なので​普通に考えれば兵数をできるだけ早く増やしたいと考えるだろう。しかし最初から兵数を増やそうとすると、雇うにも大金が必要、維持するのにも大量の米が必要になるので、これも手詰まりになりやすい。​​
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ではどうすれば良いのかというと、ここでも「施し」である。​​
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民忠誠度と同様に兵にも忠誠度があり、実はこれが部隊の能力に大きく関わって来る。「施し」コマンドで兵忠誠度、「訓練」コマンドで訓練度を最大限高めて置くだけで、数倍の敵とでも互角に戦う事もできる。経済的に苦しいうちは、下手に兵力を増やすよりも少数精鋭を目指すのが良いだろう。​​

戦場で戦術を駆使して有利な戦い、負けない戦いを行うことも重要だが、まずすべきは他国に攻め込まれない国を造ること、そして攻め込んでも攻め込まれても常に五分以上の条件で戦える状態を事前に整えること、すなわち戦略が最も重要なのである。

国を富ませ、兵を強化する「富国強兵」。これはそれまでのSLGと本作との違いを表すのに、もっとも適した言葉ではなのでは無いだろうか?

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さて、どうじゃったかのう?
知ってると思うが、実はわしは当時から「三國志」派でのう。まともに「信長の野望」をプレイしたのは、3作目の「信長の野望 戦国群雄伝」くらいだったんじゃよ。じゃからこの初代「信長の野望」をまともにプレイしたのは、恥ずかしながら今回が初めてだったんじゃよ。

それのうえでの感想なんじゃが、グラフィックは貧弱、BGMもないし、シナリオも1つしか無い。さらに他の大名では遊べないし、配下武将もいない、戦争で出来ることも少ないし、内政パートでは運の要素が強くて疫病や台風などの災害時にはリセットしないとやっていけなくなるレベル。とあまり良い感想は持てなかったんじゃ。

じゃがそれはあくまで”今の目”で見ればと言う話じゃ。発売当時、1983年時点でのゲームという視点で見れば、ここまでの事ができる充実したSLGというものはおそらく存在せんかったじゃろうし、もっと言えば続編となる「全国版」が出るまで本作を超えられるほど充実した戦略戦術SLGも存在せんかったのではないかとわしは思うのう。

逆に本格的戦略戦術SLGの先駆けともいえるこの作品の時点で、既に後のシリーズの「基礎」となる部分がほぼ完成していたようにわしには感じられた。そういう意味で、本作のシステム面での完成度の高さには驚く以外に無いわい。

当時この作品で徹夜をしたプレイヤーが多くいたと言うが、まったくもって納得できる話じゃな。 うーむ、「全国版」のほうも遊んでみたくなったのう。

​それにしても、ライバルの動向に気を配りつつエリアの拡大を図り、人を雇い訓練し、設備を整え生産数をあげ、安く物を買って高く売り、場合によっては借金もして全国制覇を目指す。「歴史シミュレーション」と名付けられておるものの、本作は一種の「経営シミュレーション」と言っても差し支えないのではないか?とわしは遊んでいて思ったわい。

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※画像はファミコン版(1990年)
そう思ってちょっと確認してみたんじゃが。本作が発売された翌年(1984年)、なんと光栄はPCにて「トップマネジメント」という会社経営SLGを発売していたんじゃよ。信長の野望を開発している時点で、やはり「経営」という視点は意識していて、それを膨らませて「トップマネジメント」を作ったのかもしれんのう。やっぱり光栄は、凄いメーカーじゃわい。

というわけで、どうじゃ?お主らの「信長の野望」での思い出、何かあったら是非教えて欲しいわい。


コーエーテクモゲームス
2016-03-24



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