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発売年:1986年 ※UNIX版は1980年
発売元:アスキー ※UNIX版は配布のみ
ジャンル:ダンジョン探索型RPG
発売機種:PC-88、PC-98
※画像は個別に指定が無い限りPC-88版のものです
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ゲーム上の目的とプレイヤーの目的

本作には一般的なRPGのような目的が一応存在する。それは「運命の洞窟」から「イェンダーの魔除け」を持ち帰って来るというものなのだが、ゲーム中にその目的に纏わるようなストーリー展開は存在しない。またプレイヤーにとっても「魔除けを持ち帰る」というゲーム上の目的は1つのフラグに過ぎず、プレイヤー自身が目指すものはまた別に存在していたといえるだろう。

それがスコアアタックである。
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ダンジョンを探索していると、稀にゴールド( *)を見つける事がある。ゴールドを拾うと画面下「Gold」の値が増えていくのだが、前回ちょっと説明したようにこのダンジョンには「ショップ」というものは存在しないのだからお金の使い道などないのだ。ではゴールドには何の意味があるのだろうか。

実は獲得したゴールドが、ゲーム終了時の「スコア」になるのである。そしてプレイヤーは、ゲームオーバー、あるいはゲームクリアまでに、ダンジョンを探索してどれだけのゴールドを集められるか、つまりスコアを稼げるかを目指し、他のプレイヤー達とハイスコアを競うのである。(因みにダンジョンから魔除けを持って帰ってきた場合のみ、所持しているアイテムが全てゴールドに換算されるようになっていた。)

日本でも本作が発売される前に、アスキーネット(パソコン通信のホスト局)上で本作と同様のものが遊べた時期があり、その際にもネット上の他のプレイヤー達とのスコアアタックは、かなり白熱したと言われている。

ランダムだらけのダンジョン

さて、このように本作ではRPGでありながら何度もプレイして「より高得点を目指す」というところに重きが置かれていたと言える作品だったのだが、それだけにダンジョンの浅い階層は当然何度も通過することになる。普通の感覚で言えば、同じ階層を何度も何度も通過するのは億劫だし飽きるものなのだが、本作にはそれを感じさせない要素があった。

それが「ランダム生成ダンジョン」というシステムだ。

本作ではゲームスタートすると、同じ地下一階でも前回プレイした時の地下一階とは全く違う構造になる。これは地下一階の構造にいくつかのパターンが用意されているということではなく、毎回ランダムで部屋や通路、下への階段などが配置されるようになっているのだ。
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(同じ地下一階なのに、毎回構造が変わる)

またランダムなのはダンジョンの構造だけでなく、配置されるアイテムやモンスターの種類、数、その出現位置も全て毎回変わるのである。とはいえある程度の規則によって配置されるので、地下一階からドラゴンが登場したり、アイテムがどこにも配置されていないというような事態にはならないようになっている。

さらにダンジョン内に落ちているポーション、巻物、杖、指輪については、なんと毎回ランダムで効果までが変わるのである。例えば「Red Portion」というアイテムが前回は体力回復薬だったのに、今回は毒薬になってるというようなことが普通に起きるのだ。まさに徹底したランダム生成ダンジョンである。

RPGに限らず普通のゲームなら繰り返しプレイすれば、マップの構造や敵やアイテムの位置も覚えられ、それを次のプレイに活かせるのだが、本作ではこのようにそれらが毎回変わるので、今回のプレイで得たそれらの知識の殆どが次回のプレイでは通用しないのである。

そういう言い方をしてしまえばマイナスなイメージになってしまいそうだが、逆のこのお陰で何度遊んでも飽きる事なく、いつも新鮮な気持ちでプレイできるのである。これは繰り返し遊ぶ事を前提としているゲームとしては、非常に得難い魅力であると言えるだろう。

生き残るための鍵はアイテムにあり

先ほど「今回のプレイで得た知識は、次回のプレイで殆ど通用しない」と言ったが、戦略・戦術的な知識についてはその限りではない。本作の画面こそ単純なものだが、だからと言って考えなしの力押しプレイが通用するほど単純なゲームでもないのだ。筆者が本作をプレイして感じた戦術というか「コツ」をちょっと紹介しよう。

まず拾った効果の解らないアイテムについては、兎に角使ってみることである。ダンジョンでアイテムを入手した場合その殆どは未鑑定の状態で手に入るので、アイテム鑑定できる巻物を使用するか、実際に使用するまでそのアイテムの効果は全く解らない。しかし一度でも使用すれば鑑定され名前が解る、あるいはプレイヤーが自由に名前をつけられるので、以後同じ効果のアイテムを入手した場合にその名前で表示されようになるのである。

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(未鑑定のアイテムはドンドン使って識別させるのが鍵)

もちろん使用してマイナス効果があるものも存在するが、流石に使用したら "一発で死亡" などというアイテムは存在しない(はずな)ので、早いうちに使用して、辛くなる中盤以降に備えるためにも何が何なのか解るようにしておきたい。

そして効果が解ったアイテムは使い惜しみしないことだ。前回も説明したが本作は死んでしまったらそれまで。その場で全てを失い、復活もデータの引き継ぎも無いのだ。だから有効なアイテム(特に体力回復効果のもの)は惜しまず使用して何よりも生き残ることを優先しなければならない。また飲むと害になる毒薬や混乱薬でも、敵に向かって投げつければその効果を敵に与える事ができるので、こちらも惜しまずにガンガン投げつけよう。

大したことないような話だが、これを徹底するだけで驚くほど生存確率は上昇するはずだ。

敵を知ることは戦術の基本

次にモンスターとの戦い方だが、これもただ突っ込んでいって殴っていれば勝てるほど甘くはない。前回紹介した部屋での位置取りもそうだが、モンスターの性質を理解することは生存確率を高める事に大いに役立つものである。

まず基本的にモンスターは部屋の中でこちらを見つけると追いかけてくるのだが、たまに全く反応が無く動かないことがある。これはそのモンスターが部屋で寝ていることを現しており、その状態だとこちらから接触しなければ追いかけてくることはない。今のHPが低い場合、あるいは現時点で戦えばこちらの損害も多くなるような相手の場合なら、避けられる戦闘は避けることも生き残るためには重要である。

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(部屋の隅で眠っていて動かないモンスター…先手を打つか?撤退するか?)

またモンスターは種類こそ26種類と多くは無いものの、最初期のRPGとは思えないほど多彩な性質を持っている。中でも序盤から中盤にかけてプレイヤーを悩ませるのは、こちらの攻撃力を下げる毒を使うガラガラヘビ("R")、冷凍攻撃でこちらを行動不能にするアイスモンスター("I")、そしてこちらの鎧を錆びさせACを下げるアクエイター("A")の存在だろう。

ガラガラヘビとアクエイターの特殊攻撃はやっかいなことに自然回復せず、ポーションや巻物の効果でしか回復しない。アイスモンスターの冷凍攻撃は自然回復はするものの、遠距離からでも撃ってくるので他のモンスター達に絡まれているときに離れたところからやられると、攻撃も離脱も一切できなくなり死を待つだけの状態になりかねないほど危険になる。

従って重要になるのは、やっかいな敵は覚えておき優先的に対処する、あるいは接触を避ける事。そしてこちらも弓や投擲武器、ポーション、杖などの遠距離攻撃を多用して近付かれる前にできるだけダメージを与えることである。ガラガラヘビやアクエイターの特殊攻撃は隣接しなければ使ってこないので、効果は抜群である。もちろんそれら以外の敵と戦う場合にも、遠距離攻撃は非常に有効である。

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(ダークゾーンに入った瞬間目の前にガラガラヘビ…)

しかし暗闇の部屋で突然そういった厄介な敵にいきなり遭遇することもあるだろう。そういったときは敵を弾き飛ばす杖や、自分がテレポートできる巻物なども存在するのでそれらを使うと言う手もある。そのためにも前述したように、拾った未鑑定アイテムはさっさと使用して効果を明らかにしておくのが良いのだ。

敵(の性質)を知り、己(のアイテム)を知れば、百戦危うからず。まさにそう言うことである。

まとめ

さて、ここまでこの「ローグ」という作品について説明してきたが、もしかしたらこれを読みながら感覚的に「そんなに言うほど珍しい仕様でもないよなぁ…」と感じた人もいたかもしれない。確かに今の感覚で考えるならそれほど特筆するようなものでは無いかも知れない。しかし思い出して欲しい、この作品は

コンピューターRPGの始祖とも呼ばれている作品なのだ。

最近最新作が発売されたり発売が予定されている「ドラゴンクエスト」だって「ファイナルファンタジー」だって、今まで我々が触れてきたすべてのRPGだって、”ここから始まっている”と言っても全く過言ではない作品なのである。一番最初のRPGでありながら(何度かバージョンアップはされたが)、今でも通用しうるこれだけの要素を既に持っていたのだ。改めて、その完成度に驚愕してしまう。

そしてお世辞を抜きにして、今遊んでも時間を忘れてかなり楽しめるのだから凄い。
『ゲームの「楽しさ」は、グラフィックの良し悪しに必ずしも左右されるものではない』
改めてそれを実感させられる作品である。

もしこの「ローグ」という作品が気になった人がいたら、アレンジされたものがApp Storeにて無料でダウンロードできるので是非試してみて欲しい。そして気に入ったら、他の「ローグライクゲーム」と呼ばれるものに食指を伸ばしてみてはいかがだろうか?
https://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewSoftware?id=298113808&mt=8
※訂正:↑のURLのROGUEは、現行のiOSでは動かないかもしれません

door05EXIT
blog_kanrinin
どうじゃったかのう?
今回も長くなってしまったので、わしの最後の話は短めにしておくぞい。

2016年もあと数日じゃ。2016年最後の紹介記事を伝説のRPG「ローグ」で飾れたのはとても良かったと思っておる。ゲームの本質的な「楽しさ」とは何か?ということを改めて実感できた気がするわい。それが読んでくれた皆に少しでも伝われば何よりじゃ。

2017年は、もっともっとそのゲームの持っている「楽しさ」を伝えられるような紹介記事が書けるように、頑張っていこうと思っておる。良ければ、また来年も今年と変わらずに見に来てもらえると嬉しい。

では皆、良いお年を、じゃ!


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