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発売年:1986年 ※UNIX版は1980年
発売元:アスキー ※UNIX版は配布のみ
ジャンル:ダンジョン探索型RPG
発売機種:PC-88、PC-98
※画像は個別に指定が無い限りPC-88版のものです
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blog_kanrinin
さて、2016年12月16日より映画「スターウォーズ エピソードIV/新たなる希望」の前日譚となる映画
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」
が日本でも公開開始されたようじゃな。これはエピソードIVにて、レイア姫がR2-D2に隠してオビ=ワン・ケノービに託した帝国軍の要塞「デススター」の設計図。これを同盟軍が入手するまでのストーリーを描いた作品じゃな。

実際エピソードIVのラスト、同盟軍がデススターに総攻撃を仕掛ける際にも、同盟軍の司令官が「この設計図を入手するのに多くの犠牲を払った」というような台詞を言っておったからのう、きっと壮絶な戦いだったというのが想像できる。わしも近いうちに観にいくつもりじゃて。

というわけで今回は、映画史に残る不朽の名作「スターウォーズ」の新作映画である「ローグ・ワン」の公開記念ということで、コンピューターRPG史に残る不朽の名作のほうの「ローグ」を紹介したいと思う。

では中に入るがよい、勇者の塔 FLOOR 61じゃ!

「ROGUE(ローグ)」とは?

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まず最初にこの画像を見て欲しい。こちらが「ローグ」のゲーム画面である。もし年齢の若い人ならば、「は、何これ?w」と思ってしまうだろう。念のために行っておくが、これはゲーム中にダンジョンのマップを見る魔法や道具を使用したところではない。これがローグのメイン画面であり、「全て」なのだ。

「ROGUE(ローグ)」は、1980年にアメリカ在住の2人の大学生(Michael ToyとGlenn Wichman)がUNIX用に開発したダンジョン探索型RPGで、その後BSD UNIXというソフトウエア群の中の1つとして「配布」されたことで広まり有名になった作品である。当初はソース未公開だったものの、後に「ROGUE CLONE」(ROGUEとは仕様が若干異なる)としてソースが公開された事で、ユーザーでも自由にその亜種を作成できるようになった。

本作の特徴は、まず「ダンジョン探索型RPG」でありながらゲームのあらゆる物がASCII文字のみで構成されていること(と言ってもテキストアドベンチャーのようなものとも違う)、そしてゲームをプレイする度にダンジョンのマップが変わる(ランダム生成ダンジョン)ということ、そしてゲームをクリアすることが必ずしもゲームをプレイする目的ではないこと、などが挙げられる。

これらの特長により本作に嵌り込んだプレイヤーは非常に多く、また本作が後の世に与えた影響も強かった為、本作に似た仕様のゲームも多く製作され、これらの総称として「ローグライクゲーム(「ローグ」っぽいゲーム)」というジャンルまで生まれている。

発売こそしていなかったものの、1980年に開発されたRPGということで「世界初のコンピュータRPG」とも言われているのだが(諸説あり)、日本ではかなり後の1986年に「アスキー」より発売されており、その頃には既に「ザナドゥ」や「ハイドライド2」などグラフィカルなRPGが業界を席巻していたため、ゲーム画面だけで見ればその当時でもう「古い作品」という印象であった。

さらに値段が12,800円と結構な高額であったこともあってか(ちなみにザナドゥは7,800円)、本作に食指を伸ばすプレイヤーは余り多くなく、結果日本においては近年「トルネコの大冒険」が登場するまでローグライクゲームというジャンルは余りメジャーな存在にはならなかった。
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(スーパーファミコン版「トルネコの大冒険」/1993年/チュンソフト)

ASCII文字のみで描かれたダンジョン

では具体的にこのローグのゲームシステムについて説明していこう。
※PC-88版の仕様に準拠しています

まずこのローグという作品は、全てのものがASCII文字で表現されている。それは文章だけという意味でもなければ、アスキーアートで表現しているという事でもない。百聞は一見にしかず。それを理解してもらうには画像を見てもらうのが一番早いだろう。

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この画像中央部分を良く見て欲しい。これは決して画面が「バグった」ものではない。正常にゲーム進行中の画面である。

そしてこの画像の中にある"@"の文字。これが「HERO」、すなわちプレイヤーが操る主人公だ。そして"-"や"|"がダンジョンに配置された部屋の外壁であり、"+"がドア、"#"が部屋同士を結ぶ通路を表現している。さらに部屋にある":" 、"!"、"]"などは落ちているアイテムで、大文字のアルファベットらはダンジョンに潜むモンスターを表現しているのだ。

ちなみにモンスターは、例えば"B" はバット(蝙蝠)、"H" はホブゴブリン、"S" ならスライムというように、モンスターの頭文字になっている。

とこのように説明したわけだが、だからといってぱっと見てそのASCII文字が何なのかがすぐ解るかといわれれば解るわけがない、当たり前だ。従ってゲームを進行するには、まずは何の文字が何なのかをしっかり覚える必要があるだろう。

またこのゲーム画面は、ゲームスタート時には主人公と主人公がいる部屋しか表示されていないのだが、主人公を動かしてドアから部屋を出て行くと、そこからは歩くごとに通路が徐々に表示されていき、次の部屋に入る事でまた新しい部屋が画面に表示される。部屋や通路は通過した後でも画面に残るので、歩き続けていくことでやがてフロアすべての構造が画面に表示されるという仕組みになっている。

ダンジョンの中には「明かりの無い部屋」も存在し、そこに入っても部屋の様子は表示されず、通路と同じように歩くことで徐々に周りの様子が解るようにな仕掛けになっている。こんな文字だけの単純な画面にもかかわらず、通路や明かりの無い部屋で突然モンスターに遭遇すると結構驚いてしまうのが面白い。
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(右が通常の部屋で、左が明かりの無い部屋)

ゲームの操作方法

では次にゲームの操作方法(コマンド)について説明しよう。
本作においてプレイヤーがゲームで実行するコマンドは、キーボードから基本的には1文字ないし2文字のアルファベットを入力することで行う。

例えば主人公(@)を上下左右に動かすならばキーボードから、j、k、h、l のいずれかを押すことで動かすことができ、さらに y、u、b、n のいずれかを押せば斜めに移動することも可能である。移動についてはカーソルキーとテンキーにも対応しており、そちらが使いやすいのではあるがSHIFTキー+ j、k、h、l(つまり大文字)で入力することでその方向にダッシュ(自動移動)ができるので、移動は j、k、h、l で覚えたほうが結果的に便利とも言える。

本作には本当に大量のコマンドがありそれを覚えるのと、前述したダンジョン内の何の文字が何を表しているのかを覚える、というのが本作に馴染む為の1つの大きなハードルになっている。その全てをここで説明することはできないので、よく使用するコマンドだけいくつか説明しておこう。

"s" … 普通に移動しているだけでは見つからないシークレットドアを探す
">" … 階段(%)から下のフロアに下りる(上るときは"<")
"w" … 武器を持ち返る
"W" … 鎧を装備する(既に装備している鎧は"T"で外す)
"e" … 荷物の中にある食料を食べる
"i" … 荷物の中にあるアイテムを確認する
"r" … 荷物の中にある巻物を読む
"q" …荷物の中にあるポーションを飲む
"S" …ゲームをセーブする
"Q" …ゲームを中断する

上記のコマンドを見ても解ると思うが、同じ1文字でも大文字と小文字でコマンドの意味が全然違うため非常にややこしく、慣れるまではかなりの頻度で間違う事になるだろう。とはいえ、頻繁に使用するコマンドは多くないので、最初のうちは最低限上記のものさえ覚えていれば何とかなるであろう。

もしコマンドが解らなくなった時は、非常に親切な事にゲーム中いつでも"?"キーを押すことでコマンドの一覧が確認できる。
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ただし説明は全部英語なのだが…

モンスターとのバトル、そしてGAME OVER

さて本作の戦闘システムを説明する前に、本作の根本的な「ターン制」の仕組みについて説明する必要があるだろう。

本作は所謂「ターン制」なのだが一般的なターン制のRPGとは少し違っており、戦闘中だけでなく通常時の移動やアイテムの使用などあらゆる1回の行動でプレイヤーは1ターンを消費する。そしてプレイヤーが1ターンを消費すると、次はそのフロアにいる全てのモンスター達が1回行動をしてくるのだ。

つまりこちらが移動中であっても休憩中であっても、モンスター達はお構い無しに攻撃してくるし、目の前のモンスターを殴っている間でも背後から徐々に別のモンスターが迫ってくることもあるので、RPGでありながらまるでアクションゲームのように常に気が抜けない状態なのである。ただしアクションゲームと違って、こちらが行動しなければ相手も一切行動しない。つまり次の一手を考える時間はあるという事だ。

さてでは戦闘についての説明をしよう、戦闘は基本的に隣接しているモンスターのいる方向への移動キーを押すことで、手持ちの武器で攻撃を行ったことになる。また離れているモンスターに対しては、"t"コマンドで弓を射たり武器を投げたりする遠隔武器を行うことも可能である。ちなみに「防御」のコマンドは無い。

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(画面下に表示されているステータス)

攻撃が敵に命中すれば相手のHPを奪い倒すこともできるが、倒しきれなかった場合は当然敵のターンで反撃が来る。敵の攻撃が当たってしまうとこちらのHP(画面上の「Hits」の値)が減少していきHPが0になるとゲームオーバーとなる。ちなみに敵への攻撃については画面上の「Str」と手持ち武器の性能、敵からの攻撃については画面上の「Armor」の値が影響する。

戦闘に勝つと経験値が獲得でき、一定の経験値獲得でプレイヤーのランク(画面右下の称号)が上がる。ランクが上がると体力の最大値が上昇するほか、画面には表示されないがStrにも補正値が掛かる。ちなみにランクはゲーム開始時の称号無しを除いて全部で20種類あるらしい。

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(死んでしまったら、残るものは墓標だけ…)

一般的なRPGでは戦闘に負けてゲームオーバーになれば、直前にセーブしたところからやり直し、あるいは教会に戻されて蘇生というのが基本だが、本作においてゲームオーバーとはそんな生易しいものではない。死んでしまえばそれで最後、復活もしなければセーブポイントからのやり直しも無い。全てを失った状態で、また0から新しいダンジョンへの再挑戦となるのだ。勿論それまでのデータも引き継がれることは無い。

それだけにRPGでありながら「死」が意味することは重く(当たり前なのだが)、戦闘行動には非常に気を使わなければならない。 前述したように、本作では自分も敵もターン制で行動するので同じ部屋に複数のモンスターが見えている状態で迂闊にどれかを攻撃しにいくと、別のモンスターに別方向から接近されて囲まれる事もある。なのでそういう場合は、部屋の入り口や通路まで敵を引き込んで、脱出路を確保しつつ一対多の状況を避けるなどの戦術が必要になってくるのだ。
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(敵の大群に遭遇したら、一対多にならない位置取りを心がける)

また本作では一定歩数毎に体力は1ずつ回復するものの、それ以外の回復手段がポーションしか存在せず、しかもダンジョン内には宿屋も道具屋も存在にないため、そのポーションはダンジョンで手に入れるしかない(しかもランダム配置)。つまり回復手段が非常に乏しいので、無用なダメージを被る事は極力避けたい。

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前述のようにHPが0になってゲームオーバーになるのを防ぐには、モンスターとの戦闘に常に注意を払って戦術を考えて行動しなければならないのだが、実は本作にはプレイヤーにとって、モンスターよりもさらに脅威となりうるものが存在する。

それは「食料」だ。

本作には「空腹度」というステータスが存在する。空腹度は何か行動する毎に上昇していき、やがて空腹>虚弱>朦朧というように常態が変わって行く。そして状態が朦朧になると、行動しようとしてもできずにしばらくの間動けなくなってしまうことが頻繁に起こるのである。

もし動けない間にモンスターに近寄られたら…戦うことも逃げることもできず、成す術なく一方的に攻撃されるだけ、それはもう死に極限まで近い状態といえるだろう。

空腹度は”e”キーで食事を行うことで回復するのだが、当然ながらそれは荷物の中に食料があればの話だ。ゲーム開始時には1個だけ食料を持っているが、それを食べてしまったらあとはダンジョン内で自分で見つけるしかない。しかも食料はポーション同様、ランダムで配置されるのでそのフロアに有るかどうかもわからない。完全に運任せなのである。

あいにく本作には倒したモンスターの肉を食すというシステムはないので、食料を持っていない状態で空腹状態になると、もっと探索をして食料を探したいが、たくさん探索するとそれだけ空腹度が増すというジレンマで本当に恐ろしくなる。ゲーム序盤で一定数の食料が確保できなかったら、ゲームをやり直したほうがいい、そういっても過言ではないだろう。

それだけに、ダンジョン内で空腹状態のときに食料のマーク「」を見つけたときは、まるで砂漠でオアシスを見つけたときのような喜びがあった。

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うむ、今回は1回で終われるかと思ったが、やっぱり無理じゃったわいw
ということで、今回は主なシステムの説明までで終わりじゃ。
次回はこのゲームになぜそんなにハマった人が多かったのか、そしてわしの感想なんかを述べて行こうと思っておるぞ。

ではまた次回じゃ。





次回は 》 こちら


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